FBAの保管料は、売れても売れなくても毎月かかる費用です。売れている商品の保管料は売上から回収できますが、売れていない商品の保管料は純粋な損失として積み上がります。

しかも、一定期間を超えた在庫には追加の手数料が発生します。ここに引っかかると、金額が一段跳ね上がります。

保管料の仕組みを押さえる

FBAの保管に関する費用は、大きく2つに分かれます。

月間在庫保管料:預けている在庫の容積(サイズ)に応じて、毎月かかります。重さではなく体積です。年末など特定の時期は料率が上がります。

長期保管に対する追加手数料:一定期間を超えて保管されている在庫に、通常の保管料に加えてかかります。期間の区切りと料率は変更されることがあるため、セラーセントラルの最新の料金表で必ず確認してください

重要なのは、容積で決まるという点です。軽くても大きい商品は保管料が高くなります。梱包を一回り小さくできるなら、それだけで毎月の費用が下がります。

まず、何にいくらかかっているかを出す

対策の前に現状を把握します。セラーセントラルの「在庫年齢」レポートを開きます。

ここで見るのは次の2つです。

1. SKUごとの在庫日数の分布

在庫が何日そこにあるかが日数区分ごとに出ます。長い区分に在庫が積み上がっているSKUを特定します。

2. 保管料の内訳

支払レポートから、SKUごとの保管料が確認できます。保管料の高い上位5SKUを出してください。ここに手をつけるのが最も効きます。

「なんとなく在庫が多い気がする」ではなく、金額で見ることです。

長期在庫を作らない:入り口の対策

長期在庫は、そもそも入れすぎているから生まれます。入り口で止めるのが一番安く済みます。

適正在庫を計算してから発注する

発注点 = 1日あたり販売数 × リードタイム + 安全在庫

1日あたり販売数は、直近30日の実績を使います。リードタイムにはFBA受領までの日数を含めます。

1回の納品量を減らして、回数を増やす

まとめて送ったほうが送料は安くなりますが、保管料は増えます。送料の節約分と保管料の増加分を比べて決めてください。回転の遅い商品ほど、小分けにしたほうが総額は安くなります。

新商品は少量から

売れるかどうか分からない段階で大量に送らない。90日分より、まず30日分。実績が出てから増やします。

長期在庫を作らない:出口の対策

すでに滞留している在庫への対処です。追加手数料の区切りに達する前に動くのが原則です。

1. 在庫年齢レポートで、次に区切りに達するSKUを把握する

月初に確認し、今月中に区切りをまたぐものをリストにします。

2. 広告と値下げで売り切る

追加手数料が発生する金額と、値下げによる粗利減を比べます。追加手数料のほうが大きいなら、値下げして売り切ったほうが得です。

3. セット販売に組み替える

単品で動かないものを、動いている商品とのセットにします。

4. 一部を返送する

全部を返送する必要はありません。適正在庫を超えている分だけ戻すという選択もあります。返送手数料と、保管し続けた場合の費用を比べます。

5. 所有権を放棄する

売れる見込みがなく、返送しても在庫を持て余すだけなら、廃棄が合理的な場合もあります。手数料はかかりますが、そこで費用が止まります。

商品側でできること

運用ではなく、商品そのものでできる対策です。

梱包サイズを小さくする

保管料は容積で決まります。無駄な空間を減らせば、毎月の費用が下がります。ただし、輸送中の破損が増えないかは確認してください。破損による返品のほうが高くつきます。

サイズ区分の境目を意識する

FBAの手数料はサイズ区分ごとに決まっており、区分の境目をわずかに超えると手数料が跳ね上がります。あと数ミリで下の区分に収まるなら、パッケージの設計を見直す価値があります。

これは保管料だけでなく、配送代行手数料にも効きます。

月次でやること

保管料の管理は、月1回のルーティンにしておくと事故が減ります。

  1. 在庫年齢レポートを開き、長い区分に入っているSKUを確認する
  2. 今月中に追加手数料の区切りをまたぐSKUをリストにする
  3. それぞれについて、売り切る/返送する/放棄する を決める
  4. 保管料の高い上位5SKUを確認し、適正在庫を超えていないか見る
  5. 翌月の発注量を、直近30日の販売実績で計算し直す

この5つを月初にやるだけで、長期在庫はかなり減ります。

まとめ

  • 保管料は容積で決まる。重さではない。梱包を小さくすれば毎月効く
  • 一定期間を超えた在庫には追加手数料。区切りと料率は最新の料金表で確認する
  • まず在庫年齢レポートと支払レポートで、保管料の高い上位5SKUを特定する
  • 入り口:適正在庫を計算してから発注。新商品は30日分から。送料と保管料を比べて納品回数を決める
  • 出口:区切りに達する前に、売り切る/セット/返送/放棄 を判断する
  • サイズ区分の境目をわずかに超えていないか確認する
  • 月初の5ステップをルーティンにする

保管料は、気づかないうちに積み上がる費用です。月に一度レポートを開く習慣が、そのまま利益になります。