商品ページの改善というと、まず文章に手を入れる方が多いのですが、順番としてはメイン画像が先です。検索結果に並んでいる段階で見えているのは、画像・タイトル・価格・レビューだけです。文章はクリックされてからしか読まれません。

この記事では、メイン画像で差がつくポイントを5つに絞って書きます。

前提:メイン画像には規約がある

改善の話に入る前に、守るべき条件を確認します。Amazonのメイン画像には要件があり、外れると検索結果に出なくなったり、出品が止まったりします。

代表的なものは次のとおりです。

  • 背景は純白
  • 商品が画像の枠の大部分を占めていること
  • 文字・ロゴ・枠線・透かしを入れない
  • 付属しないものを写さない
  • モデルや小道具を使わない(カテゴリーによる例外あり)

要件はカテゴリーによって細部が異なり、更新もされます。着手前にセラーセントラルの最新のガイドラインを確認してください。ここに書いた内容だけで判断しないようお願いします。

差がつく5つのポイント

以下は、この制約の中でできる改善です。先に一覧で示します。

ポイント確認のしかた直したときに動く数字
枠に対する大きさ150pxに縮小して何の商品か分かるかクリック率(セッション数)
角度同カテゴリー上位20件と並べて違和感がないかクリック率
影と光商品が浮いて見えないか、暗く沈んでいないかクリック率
色の出方実物を横に置いて見比べる返品率と星の平均
サイズと解像度ズームが効くか、細部が見えるか購入率

上の3つは検索結果での見え方、下の2つは買った後の満足度に効きます。両方を同時に狙わず、上から順に直すのが手戻りの少ない進め方です。

1. 枠に対する商品の大きさ

一番効きやすく、一番見落とされているのがこれです。

検索結果では、商品画像は小さなサムネイルで表示されます。スマートフォンならさらに小さくなります。このサイズで、商品が何なのかが一瞬で分かるかが勝負です。

商品が枠の中で小さく写っていると、周りの白場ばかりが目立ち、何の商品か分かりません。逆に大きすぎて端が切れていると、形が把握できません。

目安として、商品が枠の85%前後を占める大きさに調整します。上下左右に少し余白を残しつつ、可能な限り大きく。手元で150px程度に縮小して確認し、判別できなければ大きさが足りていません。

2. 角度

正面からまっすぐ撮った画像は、正確ですが立体感が出ません。多くの商品では、斜め45度前後から撮ったほうが、形・厚み・質感が伝わります。

ただし商品によります。書籍やパッケージのように「面」で認識される商品は正面が向いています。ボトル、家電、雑貨のように立体で認識される商品は斜めが向いています。

判断の仕方は、同じカテゴリーの検索結果を上から20件見ることです。上位が全部斜めなら斜めが期待されている形です。全部正面なら正面です。そこから大きく外れると、まず「違う商品」に見えます。

3. 影と光の処理

白背景といっても、影を完全に消すか、うっすら落とすかで印象が変わります。

影を完全に消すと、商品が浮いて見えて、合成した感じが出ます。安く見える原因のひとつです。逆に濃い影を落とすと、規約上は問題なくても検索結果で暗く見えます。

扱いやすいのは、商品の真下に薄く落ちる影です。接地感が出て、写真として自然になります。

光は、真正面から均一に当てるより、斜め上から当てて片側にわずかな陰影を作るほうが立体感が出ます。特に黒い商品、光沢のある商品では差が大きく出ます。

4. 色の出方

実物より明るく・鮮やかに補正した画像は、クリック率は上がりますが返品率とレビュー低下に直結します。「写真と色が違う」は低評価レビューの定番です。

ここは短期の数字と長期の数字が逆を向きます。長期を取ってください。

現実的な手順としては、撮影後にモニターだけで判断せず、実物を横に置いて見比べます。色が違う場合は、彩度を上げるのではなくホワイトバランスを合わせ直すほうが正しく寄ります。

5. サイズと解像度

Amazonの商品画像にはズーム機能があります。ズームを働かせるには一定以上のピクセル数が必要で、長辺1,600px以上が推奨されています。

ズームが効くかどうかは、購入前に細部を確認したい商品ほど効いてきます。素材の質感、縫製、印字などを見たい人が確認できないと、判断を先送りされます。

アップロードするファイルは、可能なら長辺2,000px程度で用意しておくと安全です。小さい画像を後から引き伸ばしても解像度は戻りません。

作り直すときの手順

5つのポイントを踏まえて、メイン画像を作り直すときの順番です。撮り直しから始めると時間がかかるので、手元の画像で直せる部分から手を付けます。

  1. 主要な検索語で検索し、上位20件のメイン画像をスクリーンショットで保存する
  2. その中に自社の画像を並べ、150px程度に縮小して見比べる
  3. 大きさ・角度・影・色・解像度のどこで見劣りするかを1つに絞る
  4. 大きさと影は、手元の画像の切り抜きと配置の調整で直せることが多い。まずここを直す
  5. 角度・光・色が原因なら撮り直す。撮影前に、上位で多い角度を決めておく
  6. 差し替えた日を記録し、後で説明する前後比較に進む

2の見比べは、パソコンの大きな画面ではなく、スマートフォンで見るほうが実態に近くなります。検索結果の多くはスマートフォンから見られています。表示の確認方法はスマホ表示の点検にまとめました。

よくある失敗

白背景が「ほぼ白」になっている。 撮影した背景をそのまま使うと、白に見えても薄い灰色が残ります。検索結果で他の商品と並ぶと、そこだけ沈んで見えます。背景は画像編集で純白に揃えてから入れてください。

付属品を全部並べて商品が小さくなる。 セット内容を伝えたくて付属品を並べると、主役の商品が枠の半分以下になりがちです。メイン画像は主役を大きく写し、セット内容はサブ画像で見せます。サブ画像の構成はサブ画像6枚の構成を参照してください。

パッケージだけを写す。 中身の形が伝わらず、何の商品か判別しにくくなります。パッケージに価値がある商品(贈答品など)以外は、中身を主役にするほうが分かりやすくなります。

外注するときに渡すもの

撮影や加工を外に頼む場合、「いい感じに」では意図が伝わりません。次の4つを渡すと、やり直しが減ります。

渡すもの内容
参考画像上位20件のうち、角度と大きさの目安にしたい画像を2〜3枚
角度の指定正面か斜め45度前後か。どの面を見せたいか
色の基準実物の写真、または色見本。彩度を上げないことを明記
納品サイズ長辺2,000px程度、白背景、ファイル形式

依頼先の選び方と費用の考え方は商品画像の外注の選び方にまとめています。

変更したら前後を比べる

画像を差し替えたら、変更日をメモして、前後2週間の数字を比べてください。

見るのはセッション数(何人が商品ページに来たか)とユニットセッション率(来た人のうち何%が買ったか)です。ビジネスレポートから取れます。

メイン画像を変えた場合、まず動くのは検索結果からの流入、つまりセッション数です。ユニットセッション率はサブ画像6枚の構成や説明文の影響が大きいので、メイン画像だけを変えたときはあまり動かないこともあります。

複数の画像を同時に差し替えると、どれが効いたか分かりません。改善を積み上げたいなら、1回に1か所にしてください。

どれくらい動けば成功と見なすかも決めておきます。仮に、検索結果での表示回数が月10,000回、クリック率が2.0%でセッション数が200だとします。画像を直してクリック率が2.4%になれば、セッション数は240。購入率8%・売価3,000円なら、月の売上はおよそ9万6,000円増える計算です。表示回数が同じかどうかを先に確認してから比べてください。表示回数が半分になっていれば、画像ではなく順位が落ちたということです。順位側の切り分けは検索順位が上がらないときの確認手順にまとめました。

よくある質問

メイン画像に「送料無料」や受賞ロゴを入れてもいいですか。 メイン画像は文字・ロゴ・枠線・透かしを入れない前提です。訴求はサブ画像側で行ってください。カテゴリーによる例外もあるため、判断に迷う場合はガイドラインを確認します。文字を入れた画像が検索結果から外されると、流入そのものが止まります。

プロに撮影を頼むべきですか。 商品によります。白背景で形が単純なものは、自然光と三脚でも十分に撮れます。光沢のあるもの、黒いもの、透明なものは光の扱いが難しく、外注の価値が出やすい部類です。金額は依頼先で変わるため断定できませんが、まずは自社で撮って、サムネイルサイズで判別できるかを確かめてから外注を検討すると無駄がありません。

画像を差し替えると順位は下がりますか。 画像の差し替え自体で順位が動く仕組みではありません。ただし、クリック率や購入率が落ちれば、結果として順位に響きます。だからこそ、差し替えた日を記録して2週間の数字を見る手順が要ります。悪化していたら元の画像に戻せるよう、差し替え前のファイルは残しておいてください。

上位の商品と同じ見せ方にすると、埋もれませんか。 角度や大きさを揃えるのは、「違う商品に見えない」ための最低条件です。そのうえで差をつけるのは、色の正確さ・影の自然さ・解像度といった質の部分です。見せ方を大きく外して目立たせる方法は、クリックはされても、思っていた商品と違うと判断されて購入率が落ちることがあります。

まとめ

  • 前提として、メイン画像の規約は最新のガイドラインで確認する
  • 商品は枠の85%前後まで大きく。サムネイルサイズで判別できるか確認する
  • 角度は同カテゴリー上位20件に合わせる
  • 影は真下に薄く。光は斜め上から
  • 色は盛らない。返品と低評価に返ってくる
  • 長辺1,600px以上でズームを効かせる
  • 変更は1回に1か所。前後2週間の数字で確かめる

メイン画像は、商品ページの中で最も多くの人が見て、最も短い時間で判断される部分です。ここに時間をかける価値があります。自社の画像が上位と比べてどこで見劣りしているか判断がつかない場合は、無料の運用診断で商品ページ全体と合わせて確認できます。