商品登録の画面を下にスクロールしていくと、素材、色、対象年齢、本体重量、電池の要否といった入力欄がずらりと並んでいます。任意入力の欄も多く、急いで出品したときは空欄のまま通してしまいがちです。
ここを埋めるだけで流入が変わることがあります。広告費もかからず、画像を作り直す必要もありません。それでいて、多くのページで手つかずのまま残っています。
属性欄が何に使われているか
属性欄の入力値は、少なくとも次の3か所で使われます。
1. 左側の絞り込み検索
検索結果ページの左に、ブランド・色・サイズ・素材・価格帯などの絞り込みが出ます。お客様がここにチェックを入れたとき、その属性が空欄の商品は候補から消えます。
「赤」で絞り込んだお客様に、色の欄が空の赤い商品は表示されません。画像がどれだけ良くても、その場に出られません。
2. 検索の判断材料
商品名や検索キーワード欄だけでなく、属性の値も検索の対象になります。素材名や規格名で探すお客様は一定数います。
3. お客様が見る「商品の詳細」表
ページ下部に表示される仕様の表は、属性欄から作られます。ここが空だと、買う前に知りたいことが分からず、Q&Aで質問されるか、そのまま離脱します。
つまり属性欄は、裏方の設定ではなく、お客様が見て判断する情報です。
どこから埋めるか
すべての欄を一度に埋めるのは大変なので、順番を決めます。
- 絞り込みに出ている項目。自分のカテゴリーで検索し、左側に何が並んでいるかを見ます。そこに出ている項目が最優先です
- お客様が質問してくる項目。自社のQ&Aと問い合わせを見ます。何度も聞かれることは、埋まっていない情報です
- 数値で答えられる項目。寸法、重量、容量、入り数。ここは調べれば埋められます
- 残りの任意項目
1番の確認は5分で終わります。自分の主力商品のキーワードで検索し、左側の絞り込みを上から書き出すだけです。この5分をやらずに埋め始めると、使われない欄に時間を使うことになります。
優先度を決める判断基準
迷ったときは、項目ごとに次の表に当てはめて優先度を付けます。
| 項目の状態 | 優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| 絞り込みに出ていて、自社は空欄 | 最優先 | 絞り込んだお客様の画面から、その場で消えている |
| 絞り込みには無いが、Q&Aや問い合わせで月2回以上聞かれる | 高 | 購入前の不安が埋まっていない |
| 競合上位3商品のうち2商品以上が埋めていて、自社は空欄 | 中 | カテゴリーで求められている情報が抜けている |
| どの商品も埋めておらず、質問も来ない | 低 | 埋めても見られる場面が少ない |
「月2回以上」「3商品のうち2商品」は、迷ったときの目安として置いた仮の線です。商品数や問い合わせの量に合わせて、自社で線を引き直してください。大事なのは、毎回同じ基準で並べることです。担当者の感覚で順番が変わると、手の付けやすい欄から埋めてしまいます。
質問の多い項目を拾うには、Q&Aの履歴を見るのが早道です。Q&Aへの答え方と、答えた内容をページに戻す流れはQ&Aへの対応にまとめています。
埋め方の決まりごと
単位と表記を揃える。 「30cm」「300mm」「30センチ」が混在すると、絞り込みで拾われません。数値欄には数値だけを入れ、単位は単位欄で選びます。
空欄にしない、が「分からない」で埋めない。 推測で書いた値は、返品と低評価の原因になります。分からない項目は仕入先に確認してから入れます。適当な値を入れるくらいなら、空欄のほうがましです。
キーワードを詰め込まない。 素材欄に検索してほしい言葉を並べる、といった使い方はしないでください。属性欄は検索キーワード欄ではありません。表示が崩れますし、そもそもお客様が読む場所です。
選択式の欄は用意された値から選ぶ。 自由入力できる場合でも、候補が用意されているならそこから選びます。独自の表記は絞り込みで拾われません。
バリエーションがあるなら子ごとに入れる。 色の欄を親にだけ入れて子が空、という状態がよくあります。絞り込みは子の値を見ます。
よくある入力ミス
決まりごとを知っていても、実際の入力ではミスが起きます。点検で見つかりやすいものを並べます。
| 入力ミス | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 寸法を「30×20×10cm」と1つの欄にまとめて書く | 数値として読まれず、サイズの絞り込みで拾われない | 縦・横・高さの欄に分け、単位を選ぶ |
| 色の欄に「ネイビー(紺)」と自由に書く | 用意された色の候補と一致せず、色の絞り込みで消える | 候補の色名から選び、細かい色名は別の欄に入れる |
| 重量に箱込みの重さを入れる | 本体重量を気にするお客様の期待と合わず、返品の理由になる | 本体重量と梱包重量を分けて実測する |
| 素材の欄に用途や検索語を並べる | 仕様表が読みにくくなり、表示が崩れる | 素材名だけを入れる。検索語は検索キーワード欄に回す |
| 子商品の一部だけ値が入っている | 一部の色やサイズだけ絞り込みから消える | 一括更新のファイルで子を全部並べて確認する |
1つ目と2つ目は、商品ページの見た目では気づきにくいミスです。仕様表には値が出ているので、埋まっているように見えます。絞り込みで実際に残るかを確かめるまで、埋まったとは言えません。
まとめて直すときの手順
商品数が多いなら、1点ずつ画面で直すのは現実的ではありません。在庫ファイル(テンプレート)で一括更新します。
- セラーセントラルから、自社の全出品データをダウンロードする
- カテゴリー別の在庫ファイルテンプレートを取得する
- 表計算ソフトで、埋まっていない列を洗い出す
- 更新する列だけを埋めて、部分更新としてアップロードする
- 処理結果のレポートでエラーを確認する
注意点が2つあります。
アップロード前に現状を保存すること。 ダウンロードした元データを別名で残しておきます。誤った値で上書きしてしまったとき、戻す先が必要です。
最初は少数で試すこと。 いきなり全商品を送らず、まず5〜10点で通します。エラーの出方と、反映後の見え方を確認してから残りを流します。エラーが出た場合、レポートに理由が書かれているので、そこを直して再送します。
一括更新でよくある失敗
一括更新は早い分、失敗したときの範囲も広くなります。次の3つは特に起きやすいものです。
- 部分更新ではなく全体更新で送ってしまう。 埋めた列以外が空のファイルを全体更新で送ると、既存の値まで消えることがあります。送る前に、ファイルの更新の種類の指定を確認します
- 列を左右にずらして貼り付ける。 表計算ソフトで値をコピーするときに1列ずれると、重量の欄に寸法が入る、といった事故になります。送る前に、5行ほどを目で追って列と値が合っているかを見ます
- エラーの出た行を放置する。 エラーの行は反映されていません。レポートを開かずに「送ったから終わり」にすると、埋めたつもりの商品が空欄のまま残ります
作業時間の目安も置いておきます。仮に、50商品で1商品あたり8項目を埋めるとすると、400か所の入力です。画面で1か所ずつ直すと1か所1分としても400分かかりますが、一括更新なら値の準備と確認を含めて半日ほどで済みます。商品が20点を超えるなら、一括更新を選ぶほうが現実的です。
埋めたあとの確認
反映には少し時間がかかります。翌日以降に、次の3つを確認します。
| 確認する場所 | 見ること |
|---|---|
| 自社の商品ページ | 下部の仕様表に、入れた値が出ているか |
| 検索結果の絞り込み | その条件にチェックを入れて、自社商品が残るか |
| ビジネスレポート | セッション数が動いたか |
いちばん当てになるのは2番目です。実際にお客様と同じ操作をして、自分の商品が生き残るかを見ます。ここで消えるなら、値が正しく入っていないか、表記が候補と合っていません。
セッション数は、属性を埋めた以外の要因でも動きます。同じ週に商品名や広告を触っていると、どれが効いたか分からなくなります。 属性の一括更新をする週は、他の変更を入れないほうが判断しやすくなります。
数字が動かなかったとしても、仕様表が埋まったこと自体には意味があります。買う前の不安がひとつ減り、問い合わせと返品が減る方向に働きます。
新規出品のときにやっておく
すでに出ている商品を直すより、最初に埋めておくほうが圧倒的に楽です。
新規登録のときは、次の資料を先に手元に揃えてから画面を開いてください。
- 仕入先からもらった仕様書(材質・寸法・重量・規格)
- 実測した外寸と重量(届いた現物を測る)
- 同カテゴリー上位商品のページ下部の仕様表(何が埋まっているかの見本)
3つ目が近道です。売れているページの仕様表をそのまま見本にすれば、そのカテゴリーで何が求められているかが分かります。ページ全体の抜けを見るなら商品ページの点検リストと合わせて通してください。登録の流れ全体は商品登録の手順にまとめています。
効果の大きさも、粗く見積もっておきます。仮に、狙う語での月間の検索が10,000回あり、そのうち2割の人が左側の絞り込みを使うとします。色の欄が空のままなら、その2,000回分の画面には出ていません。実際に自社が拾えるのはその一部ですが、空欄のままでは0回であることは確かです。作業時間は1商品30分程度で、費用はかかりません。
よくある質問
任意入力の欄も全部埋めるべきですか。 全部を同じ優先度で埋める必要はありません。自分のカテゴリーの絞り込みに出ている項目と、質問が来る項目を先に埋めてください。使われていない欄に時間をかけても流入は動きません。
属性欄を直すと検索順位は下がりますか。 属性を埋めたこと自体で順位が下がる仕組みではありません。ただし、間違った値を入れると、合わない絞り込みに出て購入率が落ち、結果として順位に響きます。推測で埋めないという原則はここから来ています。
反映されるまでどれくらいかかりますか。 数時間から数日と幅があります。翌日になっても仕様表に出ない場合は、処理結果のレポートでエラーが出ていないかを確認してください。エラーが無いのに反映されないときは、値が候補の表記と一致していない可能性があります。売上が伸びない原因の切り分けのとおり、変更の効果は2週間ほど見てから判断します。
仕入先から仕様が出てこない項目はどうすればよいですか。 実測できるもの(寸法・重量・入り数)は現物を測って入れます。素材や規格のように測れないものは、仕入先に書面で確認してから入れてください。確認が取れるまでは空欄のままにし、推測の値は入れません。確認の依頼は、項目名を一覧にして一度に送ると往復が減ります。
まとめ
- 属性欄は絞り込み検索・検索の判断材料・お客様が見る仕様表の3か所で使われる
- 空欄の項目で絞り込まれると、その時点で候補から消える
- 優先順位は「絞り込みに出ている項目 → よく質問される項目 → 数値項目 → 残り」
- 自分のカテゴリーで検索して左側の絞り込みを見る5分を、先にやる
- 単位と表記を揃える。推測で埋めない。キーワードを詰め込まない
- 商品数が多いなら在庫ファイルで一括更新。事前に現状を保存し、まず5〜10点で試す
- 確認は「実際に絞り込んで自社商品が残るか」で見るのがいちばん早い
- 新規登録時は、仕様書・実測値・上位商品の仕様表を揃えてから画面を開く
派手な施策ではありませんが、費用がかからず、一度やれば残ります。手が空いた日に、主力商品から順に見ていってください。どの商品のどこから手を付けるか迷う場合は、無料診断で商品ページの抜けを洗い出せます。
