商品ページの中で、商品名(タイトル)はいちばん重みのある要素です。検索で拾われるかを左右し、検索結果に並んだときに読まれる文章でもあります。
にもかかわらず、キーワードを並べただけの商品名をよく見ます。それだと検索には出ても選ばれません。この記事では、並び順と文字数の考え方を書きます。
前提:規約とカテゴリー要件を先に確認する
書き方の話に入る前に、守るべき条件があります。
- 文字数の上限はカテゴリーによって異なる
- 記号や装飾(!、★、【送料無料】など)の使用には制限がある
- 価格や順位の最上級をうたう表現(いちばん安い、売上第1位など)は使えない
- 他社ブランド名は入れない
要件は更新されるので、着手前にセラーセントラルの最新のガイドラインを確認してください。ここに書いた内容だけで判断しないようお願いします。ガイドラインから外れると、検索結果に出なくなったり、Amazon側で商品名を書き換えられたりします。
並び順の型
日本のAmazonで多くのカテゴリーに当てはまる並びは、おおむね次のとおりです。
ブランド名 + 商品の一般名 + 主要な特徴 + 型番 + サイズ・容量・入数 + 色
なぜこの順かというと、前に置いた語ほど重みがあり、かつ検索結果で切られずに残るからです。
1番目:ブランド名。 カテゴリーの慣習に合わせます。上位20件を見て、全部がブランド名から始まっているならそれに従います。
2番目:商品の一般名。 その商品が何であるかを、お客様が使う言葉で。売り手の社内用語ではありません。
3番目:主要な特徴。 検索用語レポートで注文が出ている語のうち、上位1〜2つをここに入れます。「大容量」「防水」「日本製」など。
4番目以降:型番・サイズ・色。 判別に必要な情報です。バリエーションで分かれている場合、ここが違いを示します。
カテゴリーによる書き分けの例
同じ型でも、3番目に置く「主要な特徴」はカテゴリーによって変わります。お客様が比べるときに最初に見る点を、前半に置くと考えてください。以下は書き方の形を示す例で、ブランド名や数値は仮のものです。
| カテゴリー | 前半に置く特徴 | 書き方の例(仮) |
|---|---|---|
| 日用品・収納 | サイズ・容量・入数 | ブランド名 収納ボックス 幅38cm 3個セット フタ付き 積み重ね可 |
| 家電・小物家電 | 主な機能と使える時間 | ブランド名 ハンディファン 最大12時間 3段階風量 USB充電 |
| 食品・飲料 | 内容量と原材料の特徴 | ブランド名 ドリップコーヒー 10g×30袋 深煎り |
| アパレル・雑貨 | 素材と使う場面 | ブランド名 トートバッグ 帆布 A4対応 内ポケット付き |
食品や日用品では入数と容量の誤解が返品につながりやすいので、前半に置きます。家電は「何ができるか」が先に伝わらないとクリックされません。カテゴリーの上位20件の商品名を並べて、前半に何が置かれているかを数えると、そのカテゴリーで期待されている順番が見えてきます。
何文字まで書くか
上限いっぱいまで書く必要はありません。むしろ書きすぎると不利になります。
理由は2つです。
表示で切られる。 検索結果、特にスマートフォンでは、商品名は途中で省略されます。後半に置いた語は読まれません。
購入率が下がる。 語の羅列は読みにくく、「業者っぽい」印象を与えます。クリックされても買われなければ、購入率が下がって順位も落ちます。
実務的な目安は、前半の30〜40文字だけで「何の商品で、何が特徴か」が伝わること。そこから先は補足情報と割り切ります。
書き分けの目安を表にします。
| 位置 | 入れるもの | 読まれ方 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 1〜15文字 | ブランド名と商品の一般名 | ほぼ全員が読む | ここで何の商品か分からないと離脱される |
| 16〜40文字 | 主要な特徴を1〜2つ | 一覧でもおおむね残る | 検索用語レポートで注文が出ている語を置く |
| 41文字以降 | 型番・サイズ・色・入数 | スマートフォンでは切られやすい | 判別に必要な情報だけ |
| 上限付近 | (空けてよい) | 読まれない | 埋めるために語を足さない |
書き終えたら、スマートフォンの検索結果で実際にどこまで表示されるか確認してください。パソコンの画面だけで判断すると、切られる位置を見誤ります。確認のしかたはスマートフォン表示の点検手順にまとめました。
入れる語はどこから取るか
思いついた語ではなく、実績のある語から取ります。優先順位は次のとおりです。
1. 自社の検索用語レポートで注文が出ている語。 いちばん精度が高い入り口です。実際にクリックされ、実際に売れた言葉です。
2. Amazonのサジェスト。 検索窓に打ったときに出る候補。実際に検索されている語です。
3. 競合上位のタイトルに共通して出てくる語。 そのカテゴリーで期待されている語です。
4. レビューでお客様が使っている言葉。 売り手の呼び方と違うことがあります。
集めたら、タイトルに入れるのは上位1〜3語まで。残りは箇条書き5行と検索キーワード欄(バックエンド)に回します。語の集め方そのものはキーワードの集め方と優先順位の付け方を参照してください。
候補の語を3語に絞る手順
候補が20語、30語と集まったら、次の順で絞ります。
- 候補の語を表に並べ、検索用語レポートの直近30日の注文数とクリック数を横に書く
- 商品と関係の薄い語(検索はされるが、自社の商品を探していない人の語)を外す
- 残った語を注文数の多い順に並べる。注文が無い語は、サジェストに出るかどうかで順位を付ける
- 上位の語のうち、意味が重なる語(「収納ケース」と「収納ボックス」など)はどちらか1つに寄せ、もう1つはバックエンドに回す
- 上から3語を商品名の前半に置き、残りは箇条書きとバックエンドに振り分ける
判断の線も仮に決めておくと迷いません。たとえば「直近30日で注文が3件以上ある語は商品名の候補、1〜2件の語は箇条書き、0件の語はバックエンド」と置きます。この線は商品の販売数で変わるので、月に数百個売れる商品なら線を上げ、立ち上げ期の商品ならサジェストと競合の共通語を優先します。
やってはいけないこと
同じ語を繰り返す。 「収納ボックス 収納ケース 収納用品」のような重ね方は、検索に効かず読みにくいだけです。
関係のない人気語を入れる。 流入は増えても買われないので、購入率が下がって順位が落ちます。
他社ブランド名を入れる。 規約違反です。出品停止のリスクがあります。
バックエンドと同じ語を全部入れる。 タイトルとバックエンドは役割が違います。バックエンドには、タイトルに入れられなかった表記ゆれ・ひらがなカタカナ違い・旧型番を入れます。タイトルに入っている語をバックエンドで重複させる必要はありません。
セット数やサイズを書かない。 「思っていたものと違う」による返品の原因になります。3個セットなら【3個セット】と先頭付近に明記します。
書き直しの例
よくある失敗の形と、直した形を並べます。ブランド名と数値は仮のものです。
直す前: 収納ボックス 収納ケース 収納用品 おしゃれ 人気 大容量 フタ付き 押し入れ クローゼット 衣類 おもちゃ 小物 ブランド名 3個
直した後: ブランド名 収納ボックス フタ付き 3個セット 幅38cm 大容量 積み重ね可 押し入れ・クローゼット用
直す前の商品名は、ブランド名とセット数が後半にあり、スマートフォンでは切られて読まれません。「収納」が3回重なり、「おしゃれ」「人気」は検索にも購入の判断にも役立ちません。直した後は、前半だけで「どのブランドの、何が、いくつ入っているか」が分かり、サイズと使う場所が続きます。外した「収納ケース」「衣類」「おもちゃ」はバックエンドと箇条書きに回します。
変更したらどう確かめるか
商品名を変えたら、変更日をメモして前後2週間の数字を比べます。
見るのはビジネスレポートの2つです。
セッション数(何人が商品ページに来たか)。 商品名の変更でまず動くのはここです。増えていれば、検索での拾われ方が良くなっています。
ユニットセッション率(来た人のうち何%が買ったか)。 ここが落ちていたら、読みにくくなったか、期待とずれる語を入れています。戻してください。
なお、商品名の変更が検索に反映されるまでには時間がかかります。翌日の数字で判断しないでください。
複数箇所を同時に変えると、どれが効いたか分かりません。商品名を変えるときは、画像や箇条書きは触らずに置きます。
判断の線引きも決めておきます。仮に、変更前が月のセッション数300・ユニットセッション率9%だったとします。変更後にセッション数が390に増えても、購入率が7%に落ちていれば、販売数は27個から27.3個でほぼ横ばい。流入だけ増えて中身が伴っていない状態です。セッション数と購入率を掛けた販売数で見ると、こうした見かけの改善に振り回されません。
よくある質問
商品名は何回まで変えていいですか。 回数の制限はありませんが、短期間に何度も変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。1回変えたら2〜4週間は数字を見てください。この間に画像や価格を触らないことのほうが重要です。
【送料無料】や【期間限定】は入れられますか。 記号や販促文言の扱いはカテゴリーの要件によります。使えたとしても、前半の文字数を販促文言で使うと、肝心の商品名が切られます。先頭付近は商品の判別に使うと決めておくほうが結果は安定します。
Amazon側に商品名を書き換えられました。どうすればいいですか。 要件から外れている場合と、他の出品者や情報源データによる上書きの場合があります。まず現在の商品名が要件を満たしているかを確認し、そのうえで上書きが疑われるなら商品情報を書き換えられたときの対処の手順で、変更前後の内容と根拠を添えて依頼してください。
バリエーションの子商品の商品名はどう書けばいいですか。 親と同じ並びを使い、色やサイズなど子ごとに違う部分だけを後半に足します。子ごとに前半の語を変えると、同じ商品群なのに検索での拾われ方がばらつき、どの書き方が効いたのか判断できなくなります。違いを示す語は、バリエーションの選択肢の名前とそろえておくとお客様が迷いません。
まとめ
- 文字数上限・記号・禁止表現はカテゴリーごとに違う。着手前に最新のガイドラインを確認する
- 並びは「ブランド名 → 一般名 → 主要な特徴 → 型番 → サイズ・容量 → 色」
- 前半30〜40文字だけで伝わるように書く。上限いっぱいまで詰めない
- スマートフォンの検索結果で、どこまで表示されるか実機で確認する
- 入れる語は検索用語レポート・サジェスト・競合・レビューから。タイトルには上位1〜3語まで
- 繰り返し・無関係な人気語・他社ブランド名は入れない
- セット数とサイズは先頭付近に明記する(返品対策)
- 変更は1か所ずつ。前後2週間のセッション数と転換率で確かめる
商品名は「検索用の語を置く場所」であると同時に「読まれる文章」です。両立させるには、詰め込まないことが結局いちばん効きます。商品名を含めたページ全体の直す順番は商品ページの改善手順に、どこから手を付けるか迷う場合は無料の運用診断で弱い箇所を整理できます。
