「商品ページに動画を入れたほうがいいですか」とよく聞かれます。答えは商品によって変わります。
動画は作るのに手間がかかるわりに、向かない商品では数字がほとんど動きません。この記事では、入れる価値があるかをどう判断し、入れるならどう作るかを書きます。
動画が効く商品、効かない商品
判断は「静止画で説明しきれるか」の一点です。
効きやすい商品
- 組み立てや取り付けが要る(手順が動きで伝わる)
- 動き・音・質感が価値になる(開閉、伸縮、光り方、生地の落ち感)
- 使い方が一見して分からない(使う場面を見せないと想像できない)
- 競合と見た目が似ていて、写真だけでは差が出ない
効きにくい商品
- 形と数字で説明が完結する(消耗品、日用品の詰め替えなど)
- 単価が低く、迷わず買われる
- サブ画像がまだ埋まっていない
最後の1つが重要です。サブ画像が3枚しかない状態で動画を作るのは順番が違います。まず静止画を埋めてください。動画は、静止画をやりきってから足すものです。
動画を置ける場所
商品ページで動画が出る場所はいくつかあり、掲載できる条件や枠は出品形態・カテゴリー・時期によって変わります。セラーセントラルの該当メニューで、自分のアカウントで何が使えるかを先に確認してください。
置ける場所によって、求められる長さも変わります。画像一覧に並ぶ枠なら短く、ページ下部の枠なら少し長くできます。
30秒の構成
長い動画は最後まで見られません。基本は30秒前後、長くても1分に収めます。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0〜3秒 | いちばん強い購入理由を、動きで見せる |
| 3〜10秒 | サイズ感。手や身近なものと並べる |
| 10〜20秒 | 使っている場面。誰が、どこで、どう使うか |
| 20〜27秒 | 品質の根拠。素材や作りのアップ |
| 27〜30秒 | まとめの1行。商品名とブランド名 |
最初の3秒で決まります。ロゴのアニメーションから始めるのは、いちばんもったいない使い方です。ロゴは最後に置いてください。
音なしで成立させる
閲覧の多くは音が出ない状態で再生されます。音声のナレーションだけで説明する動画は、内容が伝わりません。
- 要点は画面上の文字で入れる
- 文字は大きく。スマートフォンで親指の幅ほどに縮む前提で
- 表示は1つあたり2秒以上。読み終わる前に切り替えない
- BGMは補助。無くても成立するように作る
外注せずに作る手順
スマートフォン1台で十分です。順番は次のとおりです。
1. 先に台本を書く。 上の表の5区切りに、何を映すかを1行ずつ書きます。撮ってから考えると、素材が足りずに撮り直しになります。
2. 三脚で固定して撮る。 手持ちの揺れは安っぽく見えます。数千円の三脚で解決します。
3. 明るいところで撮る。 昼間の窓際が最も手軽です。天井の照明だけだと影が濃く出ます。
4. 1カットを短く、多めに撮る。 同じ動作を角度を変えて2〜3回。編集で選べます。
5. 文字を入れて書き出す。 凝った効果は要りません。読める大きさと表示時間だけ守ります。
6. 自分のスマートフォンで、音を消して見る。 これで伝わらなければ作り直しです。
外注する場合も、台本だけは自社で書いてください。商品の強みを最も分かっているのは出品者です。
入れてはいけない内容
動画の中身も、静止画と同じ広告表現の対象です。
- 他社との比較を断定する表現、根拠のない最上級表現
- 実際より良く見える演出(誇張した効果の見せ方)
- 価格や期間限定の訴求(動画は差し替えが手間なので、情報が古くなる)
- 権利処理をしていない音源・素材
音源は商用利用が明記されたものだけを使ってください。ここは後から問題になりやすい箇所です。
効果の確かめ方
動画を入れたら、公開日をメモして前後2週間を比べます。
見るのはユニットセッション率(ページに来た人のうち何%が買ったか)です。動画はページに来た人にしか見えないので、セッション数(流入)は基本的に動きません。
もうひとつ、返品率も見てください。使い方や大きさを動画で示した結果、「思っていたものと違った」が減ることがあります。購入率より先にこちらが動く商品もあります。
同時に他の箇所を変えないこと。 商品名や画像と一緒に変えると、どれが効いたか分かりません。
数字が動かないなら、その商品は静止画で説明が完結しているということです。動画の作り込みを続けるより、価格や広告に手を戻したほうが早い場合があります。
まとめ
- 判断基準は「静止画で説明しきれるか」。組み立て・動き・質感が価値になる商品は効きやすい
- サブ画像が埋まっていないうちは動画より先に静止画
- 掲載できる枠と条件はアカウントによって違うので、セラーセントラルで先に確認する
- 30秒前後。最初の3秒に最大の購入理由を置き、ロゴは最後
- 音なしで成立させる。要点は画面上の文字で、1つあたり2秒以上
- 台本 → 三脚 → 明るい場所 → 多めに撮る → 文字入れ → 音を消して確認
- 効果はユニットセッション率と返品率で見る。1回に1か所だけ変える
作らないという判断も選択肢です。手間に見合うかを先に決めてから着手してください。
