返品は、返送された商品が再販できないことが多く、売上が消えるだけでなく在庫も失います。しかも返品した人は低評価レビューを書きやすい。二重に損をします。
返品率を下げる作業は、地味ですが利益への効きが大きい部分です。
まず、返品理由レポートを見る
感覚で対策を打たないでください。セラーセントラルの「返品レポート」に、購入者が選んだ返品理由が記録されています。ここを読むのが出発点です。
理由は集計すると、たいてい次のどれかに寄ります。
| 理由の型 | 何が起きているか |
|---|---|
| サイズが合わない | ページの寸法情報が不足・分かりにくい |
| 説明と違う | 画像や文章と実物のずれ |
| 不良・破損 | 品質問題、または輸送時の破損 |
| 誤って注文した | 商品名・型番が紛らわしい |
| 不要になった | 配送が遅い、他で買った |
| 品質が期待以下 | 価格に対する期待とのずれ |
どの理由が何%を占めるかを出せば、直す場所が決まります。ここを飛ばして「とりあえずページを直す」と、効かない改善に時間を使うことになります。
ページ側で直す:「サイズが合わない」「説明と違う」
この2つが多いなら、原因はページです。商品には問題がありません。
寸法を、比較できる形で出す。 数字だけでは伝わりません。「幅30cm」ではなく、A4用紙やペットボトルと並べた写真を1枚入れます。衣類なら、平置きの実寸に加えて「身長〇cmの人が着た場合」を書きます。
実物と同じ色で写す。 前述のとおり、盛った色は返品に返ってきます。撮影後に実物と見比べてください。
入っていないものを写さない。 使用イメージの写真に、付属しない小物が写り込んでいると「入っていると思った」になります。写すなら「※〇〇は付属しません」と明記します。
Q&Aを潰す。 商品ページのQ&Aに出ている質問は、ページで答えられていない証拠です。出ている質問をA+か箇条書きに反映します。
商品側で直す:「不良・破損」「品質が期待以下」
こちらは商品そのものの問題です。
不良率が高いなら、検品の位置を変える。 仕入先での出荷前検品を入れられないか交渉します。国内に届いてから発見しても、返送コストがかかります。全数検品が難しければ、抜き取り率を上げるだけでも変わります。
破損が多いなら、梱包を見直す。 商品自体は正常でも、輸送中に壊れているケースです。FBAの倉庫内・配送中の扱いは選べないので、梱包で耐えるしかありません。緩衝材を増やす、箱を一回り大きくする、といった対応です。梱包材のコストと返品コストを比べれば、たいてい梱包を厚くしたほうが安く済みます。
「品質が期待以下」が多いなら、価格と中身が合っていません。 選択肢は2つあります。中身を上げるか、期待を下げるか。期待を下げるとは、ページで過剰に良く見せるのをやめることです。売上は少し落ちますが、返品と低評価が減ります。
「誤って注文した」が多い場合
意外に見落とされる理由です。原因は商品名と型番にあります。
- 色違い・サイズ違いのバリエーションが分かりにくい
- 商品名に型番が入っていない、または似た型番が並んでいる
- セット内容(1個入り/3個入り)が名前から読み取れない
商品名の先頭に、迷いやすい要素を入れると減ります。「【3個セット】」「【Lサイズ】」のような表記です。
バリエーション登録が正しくできているかも確認します。本来ひとつのページにまとめるべき色違いが別ページに分かれていると、選び間違いが起きます。
数字で追う
対策を打ったら、返品率を月次で記録します。返品レポートから、月別の返品数と販売数を出せば計算できます。
見るのは全体の返品率だけでなく、理由別の内訳の変化です。全体が変わらなくても、「サイズが合わない」が減って「不要になった」が増えているなら、ページの改善は効いています。
また、返品率はSKUごとに大きく違います。全体で見ると平均に埋もれるので、返品率が高い上位5SKUを出して、そこから手をつけてください。
まとめ
- 対策の前に返品理由レポートを見て、理由の内訳を出す
- 「サイズが合わない」「説明と違う」→ ページを直す。寸法は比較写真で、色は盛らない
- 「不良・破損」→ 検品の位置と梱包を見直す。梱包コストのほうが安いことが多い
- 「品質が期待以下」→ 中身を上げるか、見せ方の誇張をやめるか
- 「誤って注文した」→ 商品名にセット数・サイズを明記し、バリエーションを整理する
- 全体の返品率ではなく、理由別・SKU別で追う
返品率を1ポイント下げるのは、売上を伸ばすより地味ですが、確実に利益に残ります。
