「対策しているのに順位が上がらない」という相談は多いのですが、話を聞いていくと、そもそも検索結果に出る条件を満たしていないケースが半分近くを占めます。
Amazonの検索順位は、大きく分けると2つの要素で決まります。
- 関連性 — その検索語に対して、この商品は関係があるか
- 売れ行き — その検索語から流入した人が、実際に買っているか
上げる作業をする前に、いまどちらでつまずいているのかを切り分けます。順番に見ていきます。
STEP1:まず現在地を正確に測る
自分のアカウントでログインした状態で検索すると、閲覧履歴の影響を受けて実際より上に見えることがあります。まずシークレットウィンドウで確認してください。
確認するのは次の2点です。
- 主要キーワードで検索したとき、何ページ目に出るか
- そもそも検索結果に出てくるか(
商品名+ブランド名で検索して出るか)
ブランド名を含めて検索しても出てこない場合は、順位以前の問題です。STEP2に進んでください。
測った結果は、日付と検索語、ページ数と上からの位置を表に残しておきます。たとえば「10/1 ○○ 2ページ目 上から14番目」のように書きます。順位は日によって数件単位で上下するので、1回の確認で良し悪しを決めず、同じ曜日・同じ時間帯に週1回測って4週分並べると、上がっているのか下がっているのかが見えます。自社でどう測るかの詳しい手順は検索順位の確認方法にまとめています。
STEP2:関連性の問題を潰す
検索キーワード欄(バックエンドキーワード)が埋まっているか
出品情報の「キーワード」欄は購入者からは見えませんが、検索対象になります。ここが空欄のままの商品は珍しくありません。
書き方には決まりがあります。
- 半角スペース区切りで並べる。カンマや記号は不要
- 同じ語を繰り返さない。商品名に入っている語をここに再度書く必要はない
- 表記ゆれ、ひらがな・カタカナ・漢字、英語表記、略語を入れる
- 競合の商品名やブランド名は入れない(規約違反です)
商品名に主要キーワードが入っているか
商品名は関連性の判断で重みが大きい項目です。ただし、キーワードを詰め込むと購入率が落ちます。順位が上がっても買われなければ、結局は順位も維持できません。
現実的な優先順位は次のとおりです。
- ブランド名
- 商品の一般名称(最も検索される語)
- 主要な特徴(サイズ、容量、素材、入数など)
- 用途や対象
これで自然に読める範囲に収めます。読んで意味が通らない商品名になっていたら詰め込みすぎです。並び順と文字数の考え方は商品名の書き方にまとめました。
商品仕様(箇条書き)と商品説明が埋まっているか
仕様は5つ埋めます。ここも検索対象であり、購入判断の材料でもあります。1つ20〜40文字程度で、冒頭に結論を置くと読まれやすくなります。
直したのに反映されないときの失敗例
関連性の修正でよくある失敗は、直したつもりで反映されていないケースです。
- 商品名を変えたが、別の出品者の登録内容が優先されて元のまま表示されている
- 検索キーワード欄に書いたが、文字数の上限を超えていて後ろの語が読まれていない
- 全角スペースや読点で区切っていて、1つの長い語として扱われている
修正の翌日〜数日後に、もう一度シークレットウィンドウで商品ページを開き、変えた内容が表に出ているかを確かめてください。出ていない場合は、検索キーワード欄の書き方の決まりと、カタログの登録内容が他の出品者と競合していないか(カタログの登録内容が勝手に変わるとき)を確認します。
STEP3:売れ行きの問題を潰す
関連性の条件を満たしていても、その検索語から買われていなければ順位は上がりません。ここで見るのは購入率です。
購入率が低いときに見るところ
- メイン画像:白背景で商品が大きく写っているか。何の商品か一目で分かるか
- 価格:競合と比べて高い場合、その理由がページ上で説明されているか
- レビュー:件数と星の数。競合が100件で自社が3件なら、順位以前に選ばれにくい
- 配送:FBA(プライム表示)かどうかで購入率は明確に変わります
順位を上げるためにキーワードをいじり続けるより、購入率を上げるほうが結果的に順位に効く場面は多くあります。
購入率が低いかどうかは、他社の数字ではなく自社の数字で判断します。ビジネスレポートのユニットセッション率を、自社のよく売れている商品と並べてください。仮に、売れ筋の商品が10%、順位が上がらない商品が3%なら、同じアカウント・同じ配送条件で3分の1しか買われていないので、ページ側に原因がある可能性が高いと言えます。逆に両方とも同じ水準なら、ページより検索語の選び方や競合の強さを疑います。購入率の上げ方は購入率を上げる方法に整理しています。
広告で初速をつくる
新規商品は販売実績がないため、自然検索では上がりにくい状態から始まります。ここは広告で流入と販売実績を作るのが現実的です。狙うキーワードで広告を出し、そこから買われる状態を作ると、自然検索側も動き始めます。
STEP4:順位を落とす行為をしていないか確認する
上げる作業と同じくらい重要なのが、下げないことです。
在庫切れ
最も影響が大きい要因です。在庫が切れると検索結果から消え、再入荷しても元の順位にはすぐ戻りません。数か月かけて積み上げた実績が、数週間の在庫切れで大きく後退します。
発注の基準を決めていない場合は、順位対策より先にそちらを整えるべきです。
基準の作り方の一例です。仮に、1日平均10個売れ、発注から入荷して販売できるまで30日かかる商品なら、残りが300個を切った時点で発注しないと間に合いません。売れ方のぶれに備えて1〜2週間分を上乗せすると、発注点は370〜440個ほどになります。この計算は発注点の計算ツールに数字を入れると出せます。考え方は在庫切れを防ぐ発注の基準にまとめています。
カートを取れていない
同じ商品ページに複数の出品者がいる場合、カートを取れていない出品者の広告は成果が出ません。価格、配送、アカウントの健全性を確認してください。
商品ページの頻繁な変更
改善のつもりで商品名や画像を短期間に何度も変えると、評価が安定しません。変更したら最低2〜4週間は数字を見る期間を取ります。
症状から原因を引く
見えている症状ごとに、疑う場所と直す手を並べておきます。上から順に消し込むより早く当たりが付きます。
| 症状 | 疑う場所 | まずやること |
|---|---|---|
| ブランド名で検索しても出ない | 関連性(登録・反映) | 商品名と検索キーワード欄を確認し、反映を数日待つ |
| 出るが2ページ目以降から動かない | 売れ行き(購入率) | 画像・価格・レビュー・配送を見直す |
| 順位はあるのにクリックされない | メイン画像と価格 | 検索結果の並びの中で自社がどう見えるかを確認 |
| ある日を境に急落した | 在庫切れ・カート喪失・書き換え | 在庫と価格、ページの表示内容を確認 |
| 広告では売れるが自然順位が動かない | 実績の積み上げ不足 | 同じ語で継続して販売を積む |
| 一部の語だけ出ない | 語の未登録 | その語が商品名・仕様・キーワード欄にあるか確認 |
「急落した」だけは原因が外にあることが多く、自分で直せる項目ではありません。在庫と価格を見て異常がなければ、ページが書き換えられていないかを確認してください。
効果が出るまでの期間の目安
順位の改善は、広告の調整のように翌週に数字が動くものではありません。
- 商品ページの修正が反映される:数日〜1週間
- 販売実績が積み上がって順位に反映される:1〜3か月
短期で判断して次々に変更すると、何が効いたのか分からなくなります。1回の変更につき1つの仮説にしておくと、あとで検証できます。
どこまでやるかの線引きも決めておきます。仮に、狙う語の1ページ目に競合が20商品並び、そのうち上位5件のレビューが1,000件を超えているとします。この語で1ページ目を取りにいくには時間も広告費もかかるので、まずは競合のレビューが二桁台の語を探して、そこで実績を作るほうが早いことが多いです。狙う語の選び直しについてはキーワードの集め方と優先順位の付け方を参照してください。
よくある質問
商品名を変えたら順位が下がりました。戻すべきですか。 すぐに戻すと、どちらが良かったのか分からないまま2回変更したことになります。変更から2週間は数字を見て、セッション数と購入率の両方が下がっているなら戻します。片方だけの変化は季節や競合の動きでも起こります。
在庫切れから復帰した後、順位はどれくらいで戻りますか。 期間は断定できません。切らした期間と、その間に競合がどれだけ実績を積んだかで変わります。復帰直後は自然検索の流入が細いままなので、狙う語に広告を出して販売を積み直すのが現実的です。切らさない発注の基準づくりが先だという点は変わりません。
広告を止めたら自然検索の順位も下がりました。なぜですか。 広告経由の販売も、その商品が売れているという実績として積み上がっていた可能性があります。広告を止めると販売の数が減り、その分だけ順位を支える実績が細くなります。止めるときは一度にすべてではなく、ACOSの悪い語から順に絞り、自然検索の売上が保てるかを2〜4週間見ながら進めてください。止めたときの影響は広告を止めたときの影響に詳しく書いています。
順位を上げる代行サービスに頼めば早いですか。 検索順位そのものを直接操作できる仕組みはありません。実際にやることは、ページの整備・広告での実績づくり・在庫の維持で、自社でやることと同じです。手が足りない場合に外に出す判断はあり得るので、Amazon運用代行で任せられる範囲を見て、どこを外注するか決めてください。
まとめ
- シークレットウィンドウで現在地を測る
- ブランド名込みで検索して出るか(出ないなら関連性の問題)
- 検索キーワード欄・商品名・仕様が埋まっているか
- 購入率(画像・価格・レビュー・配送)に問題がないか
- 在庫切れやカート喪失で足を引っ張っていないか
上から順に潰していくと、どこで止まっているかがはっきりします。いきなりキーワードを増やすところから始めないでください。多くの場合、原因はもっと手前にあります。
