商品ページを作るとき、キーワードをどう決めるかで流入量が変わります。ただ「キーワード選定」と言われても、何から手をつければいいか分かりにくい作業でもあります。
先に答えを書くと、Amazonのキーワードはサジェスト・競合の商品名・検索用語レポート・レビュー・関連商品の5か所から集め、検索数と競合の強さで順位を付けてから置くのが基本です。この記事では、集める・分類する・置く の3段階に分けて、順番に説明します。
集める:5つの入り口
キーワードは、自分の頭の外から取ってきます。担当者が思いつく言葉は、たいてい売り手の言葉であって、買い手の言葉ではありません。
入り口は次の5つです。有料ツールがなくても回せます。
1. Amazonのサジェスト
Amazonの検索窓に商品名の一部を打つと、候補が出ます。これは実際に検索されている語です。「〇〇」だけでなく「〇〇 あ」「〇〇 い」と五十音を順に足していくと、候補が大きく広がります。
2. 競合商品のタイトルと箇条書き
上位に出ている競合を10件開き、タイトルと箇条書きをテキストにコピーします。共通して出てくる語は、そのカテゴリーで期待されている語です。
3. 自社の検索用語レポート
すでに広告を回しているなら、ここが最も精度の高い入り口です。実際にクリックされ、実際に売れた語が載っています。想像ではなく実績です。
4. レビューの本文
自社と競合のレビューを読み、お客様が商品を何と呼んでいるかを拾います。読み方の手順は競合レビューの分析から差別化の切り口を作るにまとめています。売り手が「収納ボックス」と呼んでいるものを、お客様が「押し入れ 収納」と書いていることがあります。この差が流入の差になります。
5. 関連する検索キーワード
商品ページの下部や検索結果に出る「関連商品」「よく一緒に購入されている商品」から、隣接する語を拾います。
集めた語は、重複を気にせず全部スプレッドシートに入れておきます。整理は次の段階です。
サジェストを取りこぼさない打ち方
5つの入口のうち、手間の割に語が多く取れるのがサジェストです。ただ、打ち方で出てくる語の数が大きく変わります。
スペースを入れてから文字を足す。 「収納ボックス」の後ろに空白を入れてから「あ」「か」と足すと、2語目の候補が出ます。空白なしで打つと、商品名そのものの候補しか出ません。
用途・悩み・対象の語を足す。 五十音に加えて「用」「対策」「子供」「一人暮らし」のように、使う場面を表す語を足すと、課題層の語が拾えます。
ひらがな・カタカナ・漢字で打ち分ける。 「おしいれ」と「押し入れ」では候補が違うことがあります。表記ゆれは、そのまま検索キーワード欄の材料になります。
スマートフォンのアプリでも打つ。 買い物の多くはスマートフォンで行われるので、パソコンの候補と並べて、片方にしか出ない語を拾います。
ログアウトした状態でも確かめる。 候補は自分の閲覧履歴の影響を受けることがあります。
作業量の目安も置いておきます。仮に、主要な語3つ×五十音と用途語で約50通りを打つと、重複を除いて80〜150語ほどが集まります。1語あたり数秒なので、30分ほどで終わる作業です。
分類する:3つの層に分ける
集めた語を、購入までの距離で3層に分けます。
指名層:ブランド名、型番。すでに自社を知っている人の語です。数は少ないですが、購入率が高い。
需要層:「〇〇 おすすめ」「〇〇 大容量」など、買う対象は決まっていて比較している段階の語。ここが主戦場です。
課題層:「押し入れ 湿気 対策」など、商品名を知らずに困りごとで探している語。数は多いが購入までが遠い。
この3層を混ぜて扱うと、判断がぶれます。指名層と需要層は購入率で、課題層は流入量で評価するというように、見る指標を分けてください。
優先順位:検索数と競合性の2軸で見る
分類したら、優先順位を付けます。判断軸は2つです。
| 競合が弱い | 競合が強い | |
|---|---|---|
| 検索数が多い | 最優先 | 中長期で狙う |
| 検索数が少ない | 数を集めて拾う | 後回し |
「検索数が多くて競合が強い」語は、誰でも欲しい語です。ここだけを狙うと広告費が跳ね上がります。
現実的には、検索数が少なくても、自社商品にぴったり合う語を数多く拾うほうが早く成果が出ます。1語あたりの流入は小さくても、20語積めばまとまった量になります。しかも購入率が高い。
競合の強さは、その語で検索したときにスポンサー広告が何枠出ているか、上位のレビュー件数がどのくらいかで、おおよそ見当がつきます。
置く:場所によって役割が違う
優先順位が決まったら、実際に置きます。置き場所ごとに役割が違います。
商品名(タイトル)
最も重みがある場所です。商品名の書き方のとおり、最優先の語を先頭に近いほうへ入れます。ただし語を詰め込むと読みにくくなり、購入率が下がります。文字数の上限はカテゴリーによって異なるので確認してください。
優先順位の1位から3位程度までを、日本語として自然に読める形で入れるのが上限です。
箇条書き(商品の仕様)
箇条書き5行の設計に沿って、需要層の語を機能の説明の中に自然に混ぜます。「大容量」なら、単語を置くのではなく「(具体的な容量)入る大容量設計」のように、意味のある文章にします。
検索キーワード(バックエンド)
セラーセントラルの「検索キーワード」欄です。ここはお客様には見えません。タイトルや箇条書きに入れられなかった語、表記ゆれ、ひらがな・カタカナ違い、旧型番などを入れます。
注意点として、タイトルや箇条書きに既に入っている語を重複して入れる必要はありません。バイト数の上限があるので、入っていない語を優先します。
商品紹介コンテンツ(A+)
画像の中の文字は検索の対象になりません。テキスト部分に課題層の語を置きます。
1枚の表にまとめてから配置する
集めた語をそのまま入力欄に流し込むと、同じ語が3か所に入ったり、大事な語が抜けたりします。配置の前に、次の形の表を1枚だけ作ってください。列は5つで足ります。
| 語 | 層 | 競合の強さ | 置く場所 | 反映日 |
|---|---|---|---|---|
| (例)押し入れ 収納ボックス | 需要層 | 強い | 商品名の前半 | 4月2日 |
| (例)押し入れ 収納 引き出し | 需要層 | 中 | 箇条書き2行目 | 4月2日 |
| (例)おしいれ 収納 | 需要層 | 中 | 検索キーワード欄 | 4月2日 |
| (例)押し入れ 湿気 対策 | 課題層 | 弱い | A+のテキスト | 4月9日 |
この表があると、次の3つが同時に片づきます。
- 重複が消える。 商品名に入れた語をキーワード欄に再度入れる無駄がなくなります
- 抜けが見える。 表記ゆれ(ひらがな・カタカナ・漢字)を行として持つので、入れ忘れに気づけます
- 効果を後から追える。 反映日を書いておけば、順位や流入の変化と突き合わせられます
作業量の目安も置いておきます。1商品につき、集めるのに1時間、分類に30分、配置に30分。合計2時間を見ておけば、主力商品の初回整備は終わります。四半期ごとの見直しは30分程度で回ります。
置いた語が効いているかの確かめ方
反映日から2〜4週間たったら、表の語ごとに次の順で確かめます。
- その語で検索して、自社商品が出るか。 何ページ目にもまったく出ないなら、検索の対象として拾われていない可能性があります。入力欄の文字数の上限を超えていないか、記号の入れ方に問題がないかを見直します
- 検索用語レポートに、その語からの表示やクリックが出てくるか。 広告を回している場合は、ここで実際に使われているかが分かります
- ブランド登録をしているなら、検索に関するレポートも見る。 語ごとの検索の多さや、上位の商品に購入が集まっているかを確かめられます。見られる内容はブランド登録のメリットにまとめています
判断の目安を数字で置くと、仮に需要層の語を10語置き、4週間後に検索して1ページ目に出た語が0〜1語なら、競合が強すぎる語を選んでいる可能性があります。表の「競合の強さ」が「強い」の語を、同じ意味で検索数が少ない語に入れ替えてください。
やってはいけないこと
他社ブランド名を入れる。 規約違反です。出品停止のリスクがあります。
関係のない人気語を入れる。 流入は増えても購入されず、購入率が下がって順位が落ちます。
同じ語を何度も繰り返す。 効果はなく、読みにくくなるだけです。
一度作って放置する。 検索される語は変わります。四半期に一度は検索用語レポートを見て、新しく出てきた語を追加してください。
よくある質問
語は何個くらい集めればいいですか。 集める段階では上限を決めず、重複したまま100語くらい入れて構いません。絞るのは分類のあとです。最終的に商品名に入るのは3語前後、箇条書きに5〜10語、検索キーワード欄に20〜40語というのが現実的な収まりです。
有料のキーワードツールは必要ですか。 無くても回せます。サジェスト・競合の商品名・レビュー・検索用語レポートの4つで、実務に使う語はおおむね揃います。検索数の実数まで見たいときに有料ツールが効きますが、まずは無料の範囲で1商品ぶんの表を作り、順位と流入が動くかを確かめてからで遅くありません。
キーワードを入れ替えたら、いつ効果を見ればいいですか。 反映に数日、判断には2〜4週間を見ます。入れ替えと同時に画像や価格を変えると、どちらが効いたか分からなくなります。順位が動かないときの切り分けは検索順位が上がらないときの確認手順を参照してください。
ロングテールキーワードとは何ですか。 「収納ボックス 押し入れ 引き出し 深型」のように、複数の語を組み合わせた、検索数は少ないが目的がはっきりした語のことです。1語あたりの流入は小さい一方、競合が少なく購入率が高い傾向があります。この記事で「検索数が少なくてもぴったり合う語を数多く拾う」と書いているのは、この語を積み上げる考え方です。
検索キーワード欄(バックエンド)の文字数の目安は。 上限は文字数ではなくバイト数で決められていて、全角の日本語は半角英数より多くのバイトを使います。上限の数値は変わることがあるので、セラーセントラルのヘルプで最新を確認してください。語と語の間は半角スペースで区切り、読点や同じ語の繰り返しでバイト数を使わないようにします。
まとめ
- 語は自分の頭の外から集める。サジェスト・競合・検索用語レポート・レビュー・関連商品の5つ
- 指名層・需要層・課題層の3層に分け、見る指標を変える
- 「検索数が少なくてもぴったり合う語」を数多く拾うほうが早い
- タイトルには1〜3位を自然な日本語で。バックエンドには重複しない語を
- 四半期に一度は見直す
キーワードは一度きりの作業ではなく、レポートを見て積み増していく運用です。最初から完璧を狙わず、回しながら精度を上げてください。
