広告は毎週・毎月の調整で回せますが、それだけだと半年で必ず埃が溜まります。
止めたつもりで動いているキャンペーン、もう売っていない商品の広告グループ、意味を忘れた除外キーワード。どれも単体では小さいのですが、合わせると無視できない金額になります。
半期に一度、2時間ほど取って棚卸しをします。この記事はその手順です。
準備:直近6か月のレポートを出す
始める前に、次の3つを期間6か月で出しておきます。
- キャンペーン別の実績(広告費・売上・ACOS)
- 検索用語レポート
- 広告掲載商品レポート(ASIN別)
CSVで落として、スプレッドシートに並べておくと作業が速くなります。
1. 動いているのに成果ゼロのものを止める
まずキャンペーン別の実績を、広告費が発生していて売上が0という条件で絞ります。
半年間ずっと0なら、迷わず止めます。ここに残っているのは、たいてい次のどれかです。
- テストで作ってそのままにしたキャンペーン
- 販売をやめた商品の広告
- 一時的に上げて戻し忘れた育成枠
止める前に、そのキャンペーンが防衛目的でないかだけ確認してください。自社ブランド名のキャンペーンは、売上が広告経由で立たなくても取りこぼし防止の役目があります。
2. 売っていない商品の広告を外す
広告掲載商品レポートのASIN一覧と、現在の在庫管理画面のSKU一覧を突き合わせます。
在庫管理にないASINが広告に残っていたら外します。 販売終了した商品、統合してなくなったASIN、在庫を切らしたまま戻していない商品。
在庫切れの商品は広告が配信されないので費用は出ませんが、残しておくと再開時に古い設定のまま動き出します。入札も除外も半年前のままなので、いったん外して、再開時に作り直すほうが安全です。
3. 重複している語を整理する
これがいちばん見落とされます。同じ語を複数のキャンペーンで持っていると、自社内で入札を競り合って単価が上がります。
やり方はシンプルです。
- 全キャンペーンの登録キーワードを1つのシートに集める
- 語で並べ替える
- 2回以上出てくる語を抜き出す
重複していたら、狭い一致タイプを残し、広いほうで除外します。完全一致で持っている語は、フレーズ一致・部分一致・オートのキャンペーンで除外キーワードに入れます。
商品ターゲティングのASINも同じです。同じASINを複数キャンペーンで狙っていないか確認します。
4. 除外キーワードを見直す
除外は「入れたら永久に正しい」ものではありません。半年で状況が変わります。
見るのは2種類です。
広く外しすぎている除外。 フレーズ一致で入れた除外が、いまは売れる語まで巻き込んでいることがあります。特に商品ラインナップが増えたときに起こります。「業務用」を除外していたが、その後に業務用サイズを出した、というケースです。
もう不要な除外。 一時的な事情(在庫切れ、価格改定中)で入れた除外が残っていないか。
判断がつかない除外は、外して2週間様子を見るのが早いです。悪化したら戻します。
5. 入札額が古くなっていないか見る
半年前に決めた入札は、いまの粗利と合っていない可能性があります。
次が変わっていたら、入札の上限を計算し直します。
- 販売価格を変えた
- 原価が変わった(仕入れ値、為替、送料)
- FBAの手数料区分が変わった(サイズ・重量の変更、料金改定)
入札上限は「広告費を除いた粗利 × その語の転換率」で出す1クリックあたりの粗利です。手数料の率や金額はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、必ずそのときの実数で計算してください。
6. 予算の配分を見直す
最後に、半年間で稼いだキャンペーンと、使っただけのキャンペーンを並べます。
広告費の多い順に並べ替えて、上位から粗利を確認します。広告費を多く使っているのに粗利が薄いキャンペーンは、予算を減らします。
日予算に対する消化率も見ます。毎日使い切っていて、かつACOSが損益分岐を下回っているキャンペーンは、予算が足りていません。ここに回します。
記録を残す
棚卸しの最後に、次を1枚にまとめて残してください。
- 止めたキャンペーンと、その理由
- 外した語・ASIN
- 変えた入札と、変更前後の値
- 予算をどこからどこへ移したか
次の半期に同じことを繰り返さないための材料になります。特に「止めた理由」は、翌年に同じ施策をまた試してしまうのを防げます。
まとめ
- 半期に一度、6か月分のレポート3種(キャンペーン別・検索用語・広告掲載商品)を出して始める
- 成果ゼロで費用が出ているキャンペーンを止める。ただし防衛枠は別扱い
- 在庫管理にないASINの広告を外す。在庫切れ商品は残さず、再開時に作り直す
- 重複した語を洗い出し、狭い一致タイプを残して広いほうで除外する
- 除外キーワードは、広すぎるもの・不要になったものを外す。迷ったら外して2週間見る
- 価格・原価・手数料が変わっていたら入札上限を計算し直す
- 広告費の多い順に粗利を確認し、予算を配分し直す
- 止めた理由まで含めて記録に残す
日々の調整では拾えないものだけを対象にする作業です。半年に一度、2時間で終わります。
