広告の運用代行を探すとき、多くの方が最初に見るのは月額です。ところが、同じ月額でも中身は会社ごとにまったく違います。広告だけは、料金よりも「何を触るのか」を先に見ないと比較になりません

商品ページの制作なら、成果物を見れば作業量が分かります。広告は違います。画面の中で入札を1円動かすのも、除外キーワードを50語入れるのも、外からは同じ「運用しました」に見えてしまう。だから、質問で確かめるしかありません。

この記事は、広告の運用を受けている側から、面談で聞いてよい5つの点を順番に書きます。運用代行全般の選び方(料金相場や契約条件)は別記事にまとめてあるので、あわせて読んでいただくと重複なく判断できます。

1. 料金の型が、広告費と連動しているか

広告の代行でよく見るのは、次の3つです。

中身注意する点
月額固定毎月定額。広告費が増えても変わらない広告費が小さいと割高になりやすい
広告費連動広告費の何%かを支払う広告費を増やすほど代行側の収入が増える
売上連動広告経由売上の何%かを支払う粗利率が低い商品だと手元が薄くなる

見落としやすいのが広告費連動型の利益相反です。広告費の何%、という契約だと、広告費を絞る判断が代行側の収入を減らします。悪意がなくても、止める決断は鈍りがちです。

この型を選ぶ場合は、契約前に「広告費を下げる提案をした実例はあるか」を聞いてください。答えられる会社は、少なくともその判断を普段からしています。

自社の広告費が月に数万円の規模なら、率ではなく月額固定のほうが読みやすいことが多いです。逆に広告費が大きくなるほど、率での支払いは重くなります。自社の広告費を型に当てはめて、年間でいくら払うのかを計算してから比べてください。

2. 誰が実際に画面を触るのか

商談に出てくる人と、キャンペーンを触る人が別なのはよくあることです。それ自体は問題ではありませんが、触る人の経験は運用の質に直結します

聞いてよい質問は3つです。

  • 実際の担当者と、契約前に話せるか
  • その人は自分で(あるいは自社で)Amazonの広告を出した経験があるか
  • 担当1人がいま何アカウントを持っているか

3つめは特に効きます。担当が多くのアカウントを抱えていると、毎週の細かい調整まで手が回らず、月末にまとめて数字を見るだけの運用になります。数を明かしたがらない場合は、そこが弱点かもしれません。

3. 報告に「次に何をするか」が書かれているか

サンプルの月次レポートを見せてもらってください。数字が並んでいるだけのものと、判断が書かれているものは、見ればすぐに分かります。

読むべきは次の3点です。

  • ACOS以外の数字があるか。ACOSだけを追うなら、広告を止めれば数字は良くなります。広告費を含めた全体(TACOS)や、手数料と配送料を引いたあとの利益まで見ているか
  • 何をしたかが書いてあるか。「入札を調整しました」ではなく、どのキャンペーンの何を、なぜ、いくらに動かしたか
  • 次の一手があるか。翌月に何を試すのか、その根拠は何か

報告のサンプルは、他社の情報を伏せた形で見せてもらえます。断られる理由はほとんどないので、遠慮せず頼んでください。

4. 除外キーワードを触っているか

ここが、広告の代行で差がいちばん出る作業です。

Amazonの広告は、放っておくと関係のない検索語にも出ます。「ケース」を売っていて「ケース 100均」で表示される、といったことが日常的に起きます。検索用語レポートを見て、当たっていない語を除外キーワードに入れていく作業を、どれくらいの頻度でやっているかを聞いてください。

質問の形にすると、こうなります。

  • 検索用語レポートは何日おきに見ているか
  • 直近1か月で、除外キーワードを何語追加したか
  • 除外を入れる基準(クリック数や費用のしきい値)はあるか

基準を持っている会社は即答します。「見ています」としか返ってこない場合は、実際の頻度を数字で確認してください。この作業は地味ですが、広告費の無駄がいちばん溜まりやすい場所です。

5. 契約が終わったあと、何が手元に残るか

広告は、設定そのものが資産です。数か月かけて育てたキャンペーン構造、蓄積した除外キーワード、効いた語のリスト。これが契約終了時に手元に残るかどうかで、次の運用の出発点が変わります。

書面で確認したいのは次の3つです。

  • 広告は自社のアカウントで運用されるのか、代行会社のアカウントか
  • 解約時に、キャンペーン設定と除外リストはそのまま残るのか
  • 判断の基準(どの数字でどう動かしていたか)を文書で渡してもらえるか

代行会社側のアカウントで運用していて、解約したら設定ごと消えた、という話は実際にあります。自社のセラーセントラルの中で運用してもらうのが基本と考えてください。

まとめ

  • 広告の代行は「月いくら」では比較できない。何を触るのかを質問で確かめる
  • 料金の型は、自社の広告費を当てはめて年額で比べる。広告費連動型は、広告費を絞る判断が鈍りやすい構造だと知っておく
  • 実際に画面を触る担当者と契約前に話す。1人が持つアカウント数まで聞く
  • 月次レポートのサンプルを見せてもらう。ACOSだけでなく、何をしたか・次に何をするかが書かれているか
  • 除外キーワードの更新頻度と基準を数字で聞く。無駄がいちばん溜まる場所
  • 解約後にキャンペーン設定と除外リストが手元に残る形か、書面で確認する

この5点は、そのまま面談の質問リストとして使えます。どの会社に頼むかを決める前に、自社の広告のどこが弱いのかを把握しておくと、質問の答えを評価しやすくなります。判断がつかない場合は無料の運用診断で現状を整理してから探すのが順番です。