スポンサープロダクト広告には、キーワードを指定する方法のほかに、商品を指定する方法があります。商品ターゲティングと呼ばれるものです。
キーワード広告は「言葉で探している人」に出しますが、商品ターゲティングは「もう別の商品を見ている人」に出します。当たる場面がまったく違うので、使いどころを分けて考えます。
何ができる広告か
指定できるのは大きく2つです。
個別の商品(ASIN)を指定する。 その商品の詳細ページの下部などに、自社商品が並びます。
カテゴリーを指定する。 そのカテゴリーに属する商品のページに広く出ます。ブランド・価格帯・星評価・配送区分で絞り込みもできます。
キーワード広告と同じキャンペーン内では設定できないので、別キャンペーンとして作るのが基本です。予算も成績も分けて見たいので、そのほうが都合がよくなります。役割で分ける考え方はキャンペーン構造の作り方にまとめています。
使いどころ1:守り(自社商品の囲い込み)
まずやるべきはここです。自社の商品ページに、自社の別商品を出す設定にします。
自社の商品ページには、放っておくと競合の広告が並びます。そこを自社の関連商品で埋めれば、離脱先を自社内にとどめられます。
向いているのは次のような組み合わせです。
- サイズ違い・色違い(バリエーションでまとめていない場合)
- 一緒に使う消耗品や付属品
- 上位グレード
入札は低めで構いません。自社ページに出す枠は競争が緩いことが多く、高い入札は必要ありません。
守りと攻めの予算配分も、先に決めておきます。仮に1商品の広告費が月5万円だとすると、守りに5,000〜10,000円、攻めに10,000〜15,000円、残りをキーワード広告に置く、という配分が扱いやすい形です。守りは競争が緩いので少額で足ります。攻めは相手ごとの成績が読めるまで広げず、まず5〜10のASINに絞って回してください。50も100もまとめて入れると、1つあたりのクリックがたまらず、どれが当たりか判断できません。
使いどころ2:攻め(競合の商品ページに出す)
競合商品の詳細ページに自社商品を出す使い方です。効きますが、選び方を間違えると広告費だけが出ていきます。
狙う相手の条件は次のとおりです。
自社が明確に勝っている点がある相手。 価格が安い、容量が多い、レビューの星が高い、配送が速い。何かひとつでも数字で勝っていることが条件です。並んだときに選ばれる理由がないなら出しても無駄です。
レビューの星が自社より低い相手。 星3台の商品ページに星4台の自社商品を出すと、比較されたときに有利になります。
価格帯が近い相手。 価格が倍以上違う商品のページに出しても、そもそも検討の土俵が違います。
逆に、自社より明らかに強い相手(レビュー数が桁違い、価格が大幅に安い)は避けます。クリックはされても買われません。
条件を1枚にすると次のようになります。
| 相手の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 価格・容量・星のどれかで自社が勝つ | 狙う | 並んだときに選ばれる理由がある |
| 星が自社より低い | 狙う | 比較されたときに有利 |
| 価格帯が近い | 狙う | 検討の土俵が同じ |
| レビュー数が桁違いに多い | 避ける | クリックされても選ばれにくい |
| 価格が大幅に安い | 避ける | 価格で比較されて負ける |
| 用途やサイズが違う | 避ける | そもそも検討対象にならない |
狙う商品はどうやって集めるか
思いつきで並べても当たりません。次の順で集めます。
1. 検索用語レポートのASIN。 オート広告の「代替商品」「補完商品」を回していると、検索用語レポートに b0… で始まるASINが出てきます。これは実際に自社広告がその商品ページに出て、クリックされたという記録です。注文が出ているASINは、マニュアルの商品ターゲティングに移す最有力候補です。
2. 自社の商品ページに出ている競合。 自社ページを開いて、「この商品に関連する商品」「よく一緒に購入されている商品」に並んでいるASINを控えます。
3. 主要キーワードの検索結果の上位。 自社が狙っている語で検索して、上位に並ぶ商品を控えます。
集めたら、上の「狙う相手の条件」でふるいにかけます。
カテゴリー指定は絞り込みとセットで
カテゴリー指定は露出が一気に広がるぶん、そのままだと関係のない商品ページにも出ます。絞り込みとセットで設定してください。
使える絞り込みは、ブランド・価格帯・星評価・配送区分などです。たとえば「このカテゴリーで、星3.5未満、価格が自社より高い商品」に絞れば、自社が有利な土俵だけに出せます。
絞り込みなしのカテゴリー指定は、調査目的で短期間だけ回すのは有効です。どのASINに出たかが検索用語レポートに残るので、そこから当たりを拾ってマニュアル指定に移します。
商品ターゲティングでも除外は使えます。カテゴリー指定を回していて、繰り返し表示されるのに買われないASINやブランドが見つかったら、除外に入れて止めてください。考え方は除外キーワードの決め方と同じで、レポートに出た実績を根拠に外します。クリックが30〜50回たまって注文0、という線引きもそのまま使えます。
見る数字と判断
キーワード広告と見る場所は同じですが、意味の取り方が少し変わります。
クリック率が低い。 並んだときに選ばれていません。相手の選定が悪いか、自社のメイン画像・価格・レビューで負けています。相手を変えるのが先です。
クリックはあるが買われない。 商品ページの問題か、そもそも比較して負けています。強すぎる相手を狙っていないか見直します。
ACOSが高い。 入札を下げるか、そのASINを止めます。商品ターゲティングは1ASINずつ止められるので、悪いものだけ外せます。
注意: 相手の商品ページに出す広告は、相手からも同じことをされます。自社ページの守りを固めていないうちに攻めだけ強めると、取られる側になります。守り → 攻めの順で組むのが安全です。
よくある質問
自社ページに自社商品を出すと、共食いになりませんか。 すでに自社のページを見ている人に、自社の別商品を見せる形なので、外に逃がすよりは自社内で選んでもらうほうが得になります。気をつけるのは、粗利の厚い商品のページに、粗利の薄い商品を出してしまうケースです。並べる組み合わせは、上位グレードや消耗品のように、単価が上がるか、後から繰り返し買われる方向に置いてください。同じ価格帯で機能もほぼ同じ商品どうしを出し合うのは、広告費のぶんだけ損になります。
競合の商品ページに広告を出すと、相手から苦情が来ませんか。 商品ターゲティングはAmazonが用意している機能なので、その範囲で使う分には問題ありません。避けるべきなのは、他社のブランド名を自社の商品名や広告文に入れることや、比較して優劣を断定するような書き方をすることです。広告としてページに並ぶことと、他社名を自社の表示に使うことは別の話だと考えてください。なお、相手からも同じことをされる前提で、守りの設定を先に入れておくのが安全です。
商品ターゲティングとスポンサーディスプレイは、何が違いますか。 出る場所と狙える相手が違います。商品ターゲティングはスポンサープロダクトの機能で、主に商品詳細ページや検索結果に出ます。スポンサーディスプレイは自社商品を見た人を追いかける形の配信ができ、Amazonの外に出ることもあります。まずは商品ターゲティングで詳細ページの枠を取り、余力ができてからディスプレイを足す順番が扱いやすいです。3種類の役割の違いはスポンサープロダクト・ブランド・ディスプレイの違いにまとめています。
まとめ
- 商品ターゲティングは「言葉で探している人」ではなく「別の商品を見ている人」に出す広告
- キーワード広告とは別キャンペーンで作る
- 最初にやるのは守り。自社ページに自社の関連商品を出して離脱先を囲う。入札は低めでよい
- 攻めは「自社が数字で勝っている点がある相手」「星が自社より低い相手」「価格帯が近い相手」に限る
- 狙うASINは、検索用語レポートに出たASIN・自社ページの関連商品・主要KWの上位から集める
- カテゴリー指定は絞り込みとセットが前提。絞り込みなしは調査用に短期だけ
- 1ASINずつ止められるので、悪いものから外していく
- 守りを固めてから攻める
キーワードで取り切れていない層に届く手段です。ただし相手選びがすべてなので、集めて、ふるいにかけてから設定してください。
