同じキャンペーンでも、広告が出る場所によって成績は大きく変わります。検索結果の一番上に出たときと、他社の商品ページの下に出たときでは、クリック率も転換率も別物です。
その差を使って、成績のいい枠にだけ入札を上乗せするのが掲載枠(プレースメント)別の調整です。
枠は3つ
スポンサープロダクト広告では、掲載枠が3つに分かれています。
| 枠 | どこに出るか | 傾向 |
|---|---|---|
| 検索結果の上部 | 検索結果の1ページ目、いちばん上 | クリック率・転換率が高い。単価も高い |
| 商品ページ | 商品詳細ページの中の広告枠 | 単価は安いが転換率は落ちやすい |
| 検索結果のその他 | 検索結果の下部や2ページ目以降 | 中間。量は出る |
一般に検索結果の上部がいちばん成果が出ますが、商品によって逆転します。だから思い込みで上乗せせず、レポートを見てから決めます。
まずレポートで実績を見る
広告管理画面のキャンペーン設定内に、掲載枠別のレポートがあります。ここで枠ごとに次を並べます。
- クリック数
- 広告費
- 売上
- ACOS
- 転換率(注文数 ÷ クリック数)
見るのはACOSと転換率です。表示回数やクリック数の多さでは判断しません。
判断の目安はシンプルです。
損益分岐ACOSを下回っている枠 → 上乗せの候補 損益分岐ACOSを超えている枠 → 上乗せしない。むしろ配信を絞る
損益分岐ACOSは「広告費を除いた粗利 ÷ 販売価格 × 100」です。手数料の率やFBA料金はカテゴリー・サイズで変わるので、必ず自社の実数で出してください。
判断できるだけのデータが必要
枠ごとに分けると、1枠あたりのクリック数は当然少なくなります。クリックが30〜50回たまるまでは判断しないでください。
たとえば商品ページ枠のクリックが8回で注文0件でも、それは「その枠が悪い」証拠にはなりません。転換率10%の商品なら、8回で0件は普通に起こります。
データが足りないうちは、上乗せせずにそのまま回します。
上乗せ率は小さく始める
上乗せは0%から900%まで設定できますが、いきなり大きく入れないでください。
上乗せ率は入札に対して掛かるので、たとえば入札50円で上乗せ100%なら、その枠では100円まで入札します。倍になるということです。
始め方の目安。
1回目は25%から。 1週間回して、その枠のACOSと総広告費を確認します。
悪化していなければ、次は50%へ。 変更幅は一度に25ポイントずつ程度に留めます。
ACOSが損益分岐に近づいたら止める。 そこが上限です。
上乗せを入れると日予算の消化が早くなります。予算が昼で尽きて午後の配信が止まる、ということが起きるので、上乗せと同時に日予算も見てください。
上乗せしても成績が上がらないとき
上乗せは「その枠での順位を上げる」だけです。順位が上がっても選ばれないなら、原因は別にあります。
検索結果の上部に上乗せしても転換しない。 いちばん目立つ場所に出ているのに買われていません。これは商品ページか価格の問題です。上乗せを戻して、画像や箇条書きを直します。
商品ページ枠のACOSが高い。 他社の商品ページで比較されて負けています。上乗せするより、商品ターゲティングで狙う相手を選び直すほうが効きます。
上乗せしても表示回数が増えない。 入札そのものが低すぎるか、その語での関連性が低い状態です。枠の調整ではなく、入札額かキーワードを見直します。
キャンペーンを分けるという選択
枠ごとに大きく成績が違う商品では、枠ごとにキャンペーンを分ける方法もあります。
同じ語で、検索結果上部に寄せるキャンペーンと、商品ページ枠に寄せるキャンペーンを別に作り、予算も別に持たせます。管理は増えますが、予算の取り合いがなくなり、悪いほうを丸ごと止められます。
商品数が少ないうちは分けすぎないほうが楽です。1商品あたりの広告費が月に数万円を超えてきたら、分ける価値が出てきます。
見直しの頻度
枠の上乗せは、月1回の見直しで十分です。
週次で触ると、たまたまの変動に反応して上げ下げを繰り返すことになります。上乗せを変えたら最低1週間、できれば2週間は置いてから判断してください。
変更したら、変更日と前後の上乗せ率を記録します。これがないと、半年後に「なぜこの数字なのか」が分からなくなります。
まとめ
- 枠は「検索結果の上部」「商品ページ」「検索結果のその他」の3つ
- 思い込みで上乗せせず、枠別レポートのACOSと転換率で決める
- 損益分岐ACOSを下回っている枠だけが上乗せの候補
- クリックが30〜50回たまるまで判断しない
- 上乗せは25%から始め、25ポイントずつ。ACOSが損益分岐に近づいたら止める
- 上乗せすると日予算の消化が早まる。予算も一緒に見る
- 上乗せしても転換しないなら、原因は商品ページか価格。枠の調整では直らない
- 見直しは月1回。変更日と率を記録する
枠の調整は、設定を大きく変えずに効率を上げられる数少ないレバーです。ただしレポートを見てから触ってください。
