手数料は「Amazonが決めているものだから、こちらでは変えられない」と思われがちです。料率そのものはその通りですが、どの料率・どの区分で課金されるかは、商品の登録内容と計測値で決まります。ここが実物とずれていると、本来より高い手数料を払い続けていることがあります。

この記事では、販売手数料とFBAの手数料を見直すときに、どこから疑うかを順番に書きます。1商品あたりの粗利の出し方はFBA手数料と粗利の計算にまとめています。

手数料が高いと感じたとき、料率表を眺めても答えは出ません。見るべきなのは、その料率が適用されている前提です。

手数料金額を決める前提ずれやすいところ
販売手数料カテゴリーと売価登録したカテゴリーが実物と合っていない
FBA配送代行手数料サイズ区分と重量Amazon側の計測値が実物より大きい
在庫保管料容積と保管期間計測値の容積が大きい、回転が遅い
返品・返金に伴う費用返品の件数と扱い返金時に戻らない手数料を見込んでいない

料率や料金表は、カテゴリー・サイズ・時期で変わるので、自社の実数で確認してください。改定もあるため、覚えている数字ではなく、セラーセントラルの最新の案内で確かめます。

1. カテゴリー:販売手数料の率が合っているか

販売手数料の率はカテゴリーごとに決まっていて、売価の帯によって率が変わるカテゴリーもあります。

見直しの手順は次の通りです。

  1. ペイメントの明細(取引の一覧など)から、1件の注文で実際に引かれた販売手数料を拾う
  2. 引かれた販売手数料 ÷ 売価 で、実際にかかっている率を出す
  3. その商品が本来当てはまるカテゴリーの率と比べる

率が想定と違うときは、登録時に選んだ商品タイプやカテゴリーが、実物と合っていない可能性があります。複数の用途に使える商品や、セット商品で起こりやすいずれです。

ここで注意したいのは、手数料を下げる目的で、実物と違うカテゴリーに登録しないことです。規約に反するおそれがあるうえ、本来のお客様に検索で見つけてもらいにくくなります。見直しの目的は、実物に合った正しいカテゴリーに直すことです。どれが正しいか判断がつかない場合は、セラーサポートに確認してから変更します。

カテゴリーを変えると、入力できる商品仕様の項目も変わります。変更した後は、ページの表示と仕様欄を点検してください。

2. サイズと重量:登録値・実測値・Amazonの計測値を比べる

FBA配送代行手数料は、サイズ区分と重量で決まります。ここで比べる数字は3つあります。

  • 登録値:出品時に自社で入力した寸法と重量
  • 実測値:手元の商品を、梱包した状態で測った寸法と重量
  • Amazonの計測値:倉庫で計測され、実際の課金に使われている寸法と重量

課金に使われるのは、Amazon側で持っている値です。セラーセントラルには、商品ごとの手数料の見積もりや寸法を確認できるレポートがあります。名称や場所は変わることがあるので、最新の画面で確認してください。

商品ごとに、次のような表を作ります。

SKU実測(梱包込み)Amazonの計測値課金されている区分メモ
A33×24×2.8cm/240g34×25×3.2cm/260g一つ上の区分実測なら下の区分に入る
B20×15×4.8cm/180g20×15×4.8cm/180g実測どおり厚みが境目まで数ミリ

表の数字は説明用の仮の値です。

実測は1個だけでなく、3個ほど測って最大値を見ます。梱包のばらつきで、区分の境目を越える個体が混じることがあるからです。

Amazonの計測値が実物より明らかに大きい場合は、測った根拠(寸法が読める写真など)をそろえて、セラーサポートに再計測を相談できる場合があります。方法や条件は変わることがあるので、最新の案内に沿って進めてください。

3. 梱包:区分の境目にいる商品を一つ下げる

実測どおりに課金されていても、区分の境目を少しだけ超えている商品は、梱包の見直しで一つ下の区分に入ることがあります。

見直す場所は次のあたりです。

  • 箱の形(厚みを抑える、余白を詰める)
  • 緩衝材の量と種類
  • 取扱説明書や付属品の折り方・入れ方
  • 化粧箱が本当に要るか(贈り物として買われない商品)

効果は、1個あたりの差額 × 販売数で見ます。仮に1個あたり40円下がり、月に300個売れる商品なら、月12,000円、年間で144,000円の差です。これと、箱の型代や梱包材の切り替えにかかる費用を比べて判断します。

一方で、梱包を詰めすぎると輸送中の破損が増え、返品率が上がることがあります。手数料が下がっても、返品と低い評価で失う分が大きければ意味がありません。梱包を変えた最初のロットは、破損と返品の件数を分けて数えてください。

4. 請求明細と照合する:月に一度、ずれを探す

カテゴリーとサイズを直したら、その後もずれが出ていないかを月に一度確認します。SKUごとに実際に引かれた手数料の合計 ÷ 販売数を出し、想定していた1個あたりの手数料と比べます。

ずれの出方疑うこと
販売手数料の率が月によって違う売価の帯で率が変わるカテゴリーで、セール価格が帯をまたいだ
FBA配送代行手数料が急に上がった計測値の更新でサイズ区分が変わった、料金の改定
保管料が想定より重い回転が落ちた在庫、繁忙期の料金、長く残っている在庫
手数料の合計が販売数に比べて多い返品・返金時に戻らない手数料、廃棄や返送の費用

照合で見つかるずれは、一件あたりは小さな金額です。ただ、販売数を掛けると年間では無視できない金額になることがあります。

手をつける順番と、やらないこと

1から4の順に、販売数の多い商品から手をつけます。あわせて、やらないことも決めておきます。

  • 手数料を下げる目的で、実物と違うカテゴリーや寸法を登録しない
  • 破損や返品が増えるほど梱包を削らない
  • 一度直したら終わりにしない(計測値も料金も変わります)

手数料の見直しで下がった分は、そのまま1個あたりの粗利に残ります。値下げや広告で売上を増やすより先に、払わなくてよいものを払っていないかを確認するほうが、手間に対して効果が見えやすいこともあります。売れているのに利益が残らないと感じている場合は、利益が出ない原因を5つに分けて特定する手順で、手数料以外の原因もあわせて切り分けてください。

よくある質問

カテゴリーの登録を変えると、検索での見え方は変わりますか。 ブラウズノードが変わればランキングの並び先が変わります。手数料だけを理由に、実物と違うカテゴリーへ移すのは避けてください。移すのは「今の登録が実物と合っていない」と説明できる場合だけです。合っていない登録を直した結果として率が下がるのは正しい直し方です。

サイズ区分の再計測はどのくらいで反映されますか。 反映までの日数と手続きは時期によって変わります。申請の窓口と必要な情報はセラーセントラルの案内で確認してください。再計測を待つ間も、境目にいる商品は梱包の見直しを並行して進められます。

過去に多く払っていた分は戻りますか。 計測値の誤りが認められた場合の扱いは、状況と時期によって変わります。まずは請求明細と自社の実測値を並べた資料を用意し、どの期間にどれだけの差があるかを示せる形にしてから相談してください。資料がないまま問い合わせると、確認だけで時間が過ぎます。

まとめ

  • 手数料の料率は変えられないが、どの率・どの区分で課金されるかは登録内容と計測値で決まる
  • 販売手数料は「実際に引かれた額 ÷ 売価」で率を出し、カテゴリーの登録と照らし合わせる
  • 手数料を下げる目的で、実物と違うカテゴリーや寸法を登録しない
  • FBA配送代行手数料は、登録値・実測値・Amazonの計測値の3つを比べる。ずれていれば再計測を相談する
  • 区分の境目を少し超えている商品は、梱包の見直しで下げられることがある。破損と返品もあわせて数える
  • 料率や料金はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、自社の実数で確認し、月に一度は請求明細と照合する

自社の商品の手数料と粗利を一度整理したい場合は、無料の診断で現状を確認するか、ご相談ください。