Amazonコンサル 個人でも受けてもらえるのか、という問い合わせは少なくありません。ひとりで出品している方、副業で始めた方、法人でも担当が自分だけという方から多く届きます。月商がまだ小さいので門前払いではないか、という心配が背景にあります。

結論から書くと、規模が小さいという理由だけで断られることはあまりありません。断られるときの理由は、たいてい別のところにあります。依頼の範囲が決まっていない、アカウントの状態を見せてもらえない、予算と期待する成果が噛み合っていない。この3つが多数です。

この記事では、小規模でAmazonのコンサルを頼むときに、どんな形で頼むと成立しやすいか、どこで探してどう絞るか、契約前に何を確認するかを順に書きます。費用そのものの型はAmazonコンサルの費用と料金の型に、相談の前に用意する材料は個人・小規模の相談で用意するものにまとめています。金額はすべて説明のための仮の数字です。

断られるのは規模ではなく、条件の側

小さいから受けられない、という断り方はあまりされません。受ける側が判断に困るのは、次のような状況です。

断られやすい状況受ける側が困る理由相談の前にできること
何を頼みたいかが決まっていない作業量も期間も見積もれない。提案が現状説明で終わる困りごとを1文にする。「広告費が回収できていない」でよい
セラーセントラルを見せられない数字が見えないと助言が一般論になる閲覧権限の付け方か、画面の書き出し方を先に調べておく
予算と期待する成果が離れている1回の相談で売上が倍になる前提だと、受けても不満が残る予算の範囲で何が変わるかを先に確認する
商品も出品もこれからという段階見る材料がなく、助言が仮定の上に積み上がる商品登録まで進めてから相談する。または商材選びに絞って依頼する
在庫がほぼ切れている何を直しても売れない。広告も止まる在庫の入荷予定を先に伝える

この5つはどれも規模とは関係がありません。 月商が小さくても、困りごとが1文で言えてアカウントを見せられるなら、話は進みます。逆に月商が大きくても、範囲が決まっていなければ初回は現状の聞き取りで終わります。

もうひとつ、受ける側の事情として最低料金があります。月額顧問の形しか用意していない会社に、1回だけの相談を頼むと断られます。これは相手の商品の形に合っていないだけなので、頼み方を変えれば通ります。次の節で整理します。

Amazonコンサル 個人で頼むときの3つの形

小規模で成立しやすいのは、範囲を切って頼む形です。

頼み方何を買うか向く状況注意する点
スポット相談(1回・時間単位)その場の助言と、次にやることの順番困りごとが1つに絞れている。まず方向だけ確かめたい作業は自分でやる。資料が残らない契約もある
単発プロジェクト(期間を区切る)商品ページの設計、広告の初期設計など成果物直すものが決まっている。手を動かす人が社内にいない何を納品物とするかを先に文章にする
月額顧問(軽い枠)毎月の定例と、その間の質問への回答運用が回り始めていて、判断の相談先がほしい回数の上限と、作業が含まれるかの線引き

小規模で最初に選ばれやすいのはスポット相談です。1回で全部を直そうとせず、「どこが一番効くかを決める」ために使うと外れません。 出てきた順番のうち、自分でできるものは自分でやり、手が回らないものだけを次に単発で頼む、という進め方が費用の面でも無理がありません。

月額顧問は、毎月なにか相談したいことが出てくる状態になってから検討すると噛み合います。月に1回も質問が出ないなら、その月の顧問料は定例の時間だけに払っていることになります。

噛み合わない頼み方の例を挙げます。商品が1つしかない段階で月額顧問を契約し、初月に商品ページと広告の設計を終えたあと、2か月目以降は報告を聞くだけになった、という形です。直すものを出し切ってしまうと、次に相談したいことが出てくるのは在庫が一巡したあとになります。この場合は初月の作業を単発で切り出し、在庫が一巡した時点でもう一度スポットで見てもらうほうが、同じ金額でも中身が濃くなります。商品数と、毎月出てくる判断の数が、どの形に合うかを決めます。

広告だけを切り出すという選択

困りごとが広告に寄っているなら、コンサル全般ではなく広告に限って頼む形もあります。範囲が狭いぶん、小規模でも受けてもらいやすく、費用も読みやすい。頼めるかどうかの目安と費用の考え方はAmazon広告の代行を個人・小規模で頼む場合に書きました。運用を丸ごと任せる形との違いはAmazon運営代行とは何かで整理しています。

小規模でも費用の元が取りやすいテーマ

払う前に、元が取れるかを粗利の額で見ておきます。売上ではなく粗利で見るのは、売上が伸びても粗利が薄ければ支払いに回せないからです。

仮に、月商100万円・粗利率30%(粗利30万円)の状態を置きます。ここで5万円の相談料を払うとすると、粗利が5万円増えれば元が取れる計算です。粗利率30%のままなら、売上でおよそ17万円の上積みが必要になります。

改善テーマ変わるもの効き始めるまで小規模との相性
商品名・箇条書き・属性欄の整理検索で表示される機会2〜4週間高い。在庫を足さずにでき、費用も小さい
メイン画像とサブ画像の作り直し表示からクリック、クリックから購入1〜3週間高い。ただし制作費が別に必要
広告の構造と除外の整理広告費の無駄と目標ACOSへの近さ2〜4週間高い。広告費が月10万円前後からでも効く
価格と送料の設計1個あたりの粗利すぐ高い。原価の内訳が出ていれば当日から動かせる
在庫の発注基準づくり在庫切れと保管料1サイクル(発注1回分)中。仕入れ条件が固定だと動かせる幅が狭い
ブランド登録とA+掲載できる情報量、守りの強さ手続きに数週間中。商標の有無で前提が変わる

上から3つは、在庫を追加せずにできて、変えた結果が数字で確かめられます。 小規模で最初に頼むなら、このあたりから範囲を切るのが無理のない順番です。

いま自社の粗利がいくらかが出ていないなら、先に利益シミュレーター(損益分岐ACOS)に売価・原価・手数料率を入れてください。1個あたりの粗利と、広告費をどこまで使えるかの線が出ます。この線が出ていないまま相談すると、提案された目標ACOSが自社に合っているかをその場で判断できません。

逆に、小規模では元が取りにくいもの

売上の規模が小さいうちは、費用に対して戻りが薄いテーマもあります。大型セールに合わせた大規模な在庫計画、複数ブランドをまたぐ戦略の設計、海外展開の検討などです。どれも判断そのものは意味がありますが、実行に在庫と広告費が要るので、いまの規模だと動かせる幅が小さくなります。

どこで探し、何で絞るか

探し先ごとに、得意な範囲と費用の形が違います。

探し先多い形得意なこと気をつける点
Amazon支援を専門にする会社月額顧問、単発プロジェクト広告・ページ・在庫を通して見る小規模向けの枠があるかを先に確認する
広告運用を専門にする会社月額(広告費連動が多い)広告の設計と日々の運用商品ページや在庫は範囲外のことが多い
制作会社制作費(納品物ごと)画像・A+・動画の制作運用の判断までは含まれない
個人のコンサルタント時間単位、月額範囲を柔軟に決められる担当が1人なので、対応できる時間に限りがある
マッチングのサービス時間単位少額から試せる経歴の確認が自分の仕事になる

絞るときは、次の順で見ると迷いません。

  1. 自分の困りごとと、相手の得意な範囲が重なっているか。広告の相談を制作会社にしても噛み合いません
  2. 小規模向けの入口があるか。スポットや単発の枠が用意されているか
  3. 数字の見方を説明できるか。ACOS・TACOS・ユニットセッション率のどれを見て判断するかを聞く
  4. やらないことを言うか。何でもできると答える相手より、範囲外を明示する相手のほうが後で揉めません
  5. 終わったあとに何が残るか。設定・資料・手順書が自社に残る形か

3つめは短い質問で確かめられます。「広告費を下げる提案をしたことはありますか」と聞いて、具体的な場面が返ってくるかを見てください。返ってこない場合、判断の基準が売上だけに寄っている可能性があります。

当社は2019年からAmazonの支援をしていて、これまでに30ブランド・300商品ほどを見てきました。個人・小規模からの相談も受けています。支援の中身はAmazonコンサルティングの内容に、範囲と金額は料金プランに公開しているので、比較の対象のひとつとして見てください。

契約前に確認する8項目と、相談の準備

金額を比べる前に、同じ質問を全社にしてください。答えがそろわない項目が、後で食い違いになります。

  • 今回の範囲はどこからどこまでか。範囲外になるものは何か
  • 成果物として何が残るか(資料・設定・手順書)
  • 担当するのは誰か。窓口と実際に手を動かす人は同じか
  • 連絡の手段と、返事までにかかる時間の目安
  • セラーセントラルの権限はどの範囲を渡すか。権限を渡さない形でも進められるか
  • 契約期間と、途中でやめるときの条件
  • 追加で費用が発生するのはどんな作業か
  • 終わったあと、設定と資料は自社に残るか

5つめは小規模ほど重要です。アカウントの権限は必要な範囲だけを渡し、終わったら外します。画面の書き出しを渡すだけで進められる相談もあるので、権限を渡す前に「どこまで見れば判断できるか」を聞いてください。

相談の当日までに用意しておくと話が早いのは、商品ページのURL、直近3か月の売上と広告費、1個あたりの原価と手数料、困りごとを書いた1文の4つです。数字がまだ無い段階での代わりの伝え方は相談の前に用意しておく材料に書きました。何から手をつけるかの判断がつかないなら、無料の運用診断で広告・商品ページ・在庫のどこが弱いかを整理してから相談すると、初回の時間を現状説明に使わずに済みます。

よくある質問

月商10万円ほどでも相談してよいですか。 相談そのものは受けてもらえます。ただし支払う金額に対して戻ってくる粗利の額が小さいので、月額の契約より1回のスポット相談のほうが噛み合います。この規模では、商品ページの整理と価格の設計など、在庫を足さずにできるテーマに範囲を絞ってください。広告に大きく投じる前提の提案が出てきたら、いまの粗利でその広告費を払えるかをその場で確かめます。

副業で、平日の日中は連絡が取れません。頼めますか。 頼めます。ただし連絡の取り方を契約前に決めてください。定例の時間を夜や週末に置けるか、文章でのやり取りを中心にできるか、返事までにどのくらいかかるかの3点です。日中の即応を前提にした運用代行の形は合わないことがあるので、判断が必要な場面をまとめて週1回にする、という設計にしておくと無理がありません。

個人のコンサルタントと会社、どちらがよいですか。 範囲で選んでください。困りごとが1つに絞れていて、話す相手が決まっているほうが動きやすいなら個人が向きます。画像制作や広告運用など手を動かす作業まで任せたい場合は、担当できる人数がいる会社のほうが止まりにくい。個人に頼む場合は、対応できる時間の上限と、連絡がつかない期間が出たときの扱いを先に確認しておきます。

契約したのに、一般的な助言しか出てきません。 見せている材料が足りない可能性があります。売上・広告費・原価・在庫の4つが揃っていないと、助言は一般論になります。それでも変わらないなら、次の面談で「今月はこの1点だけを決めたい」と議題を1つに絞ってください。それでも具体化しない場合は、範囲の切り方が合っていないので、契約の見直しを申し出ます。

まとめ

  • 断られる理由は規模ではなく、範囲が決まっていない・数字を見せられない・予算と期待がずれている、のどれか
  • 小規模で成立しやすいのは、スポット相談と単発プロジェクト。月額顧問は毎月相談が出る状態になってから
  • 元が取れるかは売上ではなく粗利の額で見る。先に1個あたりの粗利を出してから相談する
  • 小規模で効きやすいのは、商品名や属性の整理・画像の作り直し・広告の除外整理。在庫を足さずにできて結果が数字で見える
  • 探し先は、自分の困りごとと相手の得意な範囲が重なるかで絞る
  • 契約前に8項目を全社に同じ形で聞く。特に権限の範囲と、終わったあとに残るもの
  • 相談の当日までに、URL・直近3か月の売上と広告費・原価・困りごと1文を用意する

規模が小さい時期は、商品名や画像、キャンペーンの構造など、後から直すと影響が大きくなるものを整えやすい時期でもあります。何から手をつけるか迷っている段階なら、個別の事情をお問い合わせからお送りください。