「Amazonコンサル 費用」で調べると、1回の相談で完結するものから、毎月の顧問契約、売上に応じて報酬が変わるものまで、形も金額もばらばらに並びます。同じ「コンサル」という名前でも、何にお金を払っているのかが会社ごとに違うので、金額だけを横に並べても比べられません。

もう1つ見落とされやすいのが、コンサルの費用は、頼み方しだいで成果が大きく変わる支出だという点です。同じ金額を払っても、テーマを絞って数字をそろえて頼んだ会社と、「全体的に見てほしい」と頼んだ会社では、半年後に手元に残るものが違います。

この記事では、Amazonコンサルの費用を「何に払うのか」から分解し、料金の4つの型、金額に幅が出る理由、元が取れるかの試算、そして費用を成果につなげる頼み方を順に整理します。以下の金額はすべて説明のための仮の数字です。相場として断定できるものではなく、目安として幅があるので、自社の見積もりに置き換えて読んでください。

Amazonコンサル費用は何に払うのか

Amazonコンサルの支援は、中身で分けると「診断」「設計」「伴走」の3つになります。見積もりの金額は、この3つのどれを、どの深さで含むかでほぼ決まります。

支援の中身やること手元に残るもの費用に効く要素
診断商品ページ・広告・価格・在庫の現状を見て、弱い箇所と優先順位を出す課題の一覧と、手を付ける順番見る商品の数、見る範囲の広さ
設計商品ページの構成、広告の構造、価格と原価の組み立てなどを作り直す案を出す設計図、基準書、改善案の文書作り直す範囲、文書の細かさ
伴走定例で数字を一緒に見て、次にやることを決め、実行を後押しする議事録、判断の記録定例の頻度、定例外の質問への対応

ここで押さえておきたいのは、コンサルは基本的に「決めること」と「決めるための材料」に払う費用で、設定作業そのものには払っていないということです。広告の入札を毎週変える、画像を作り直す、在庫を発注するといった作業まで外に出すなら、それは運用代行の範囲になり、費用の考え方も変わります。運用代行の料金の型は運用代行の費用と、頼む前に確認したいことに、広告に限ったコンサルと代行の違いはAmazon広告コンサルとはにまとめています。

支払いの外にかかる「社内の時間」

コンサルの費用を考えるとき、請求書に載らない費用が1つあります。助言を実行する社内の時間です。コンサルが「この画像の2枚目を差し替えましょう」「この語を除外しましょう」と言っても、手を動かすのは自社です。

仮に、定例で決まったことを実行するのに月10時間かかり、担当者の時間を時給3,000円で換算すると、月30,000円、年360,000円が社内側の費用になります。請求額が小さく見えても、この時間を確保できなければ費用は成果に変わりません。 見積もりを比べるときは、社内で何時間使う前提の支援なのかを先に聞いておくと、後で「思ったより手が回らない」となりにくくなります。

Amazonコンサルの料金の型は4つ

支払いの決まり方で分けると、Amazonコンサルの料金はおおむね次の4つの型になります。

支払いの決まり方向く状況注意する点
スポット相談1回の相談や診断ごと課題がはっきりしていて、方向だけ確かめたい1回で終わるので、実行後の確認がない
単発プロジェクト範囲を決めて一式で請け負う(例:商品ページの設計、広告構造の作り直し)直すテーマが決まっていて、期間を区切りたい範囲の外の相談は別料金になりやすい
月額顧問定例の回数と対応範囲で月額が決まる複数のテーマを順に進めたい。社内に実行する人がいる定例が報告会になると、払うだけになる
成果報酬の併用月額の基本料に、売上や利益の伸びに応じた報酬を足す成果の定義を数字で決められる何を「成果」とするかで、判断の向きが変わる

型ごとに起きやすい判断の偏り

料金の型は、支払額だけでなく、支援する側がどちらの判断をしやすいかにも影響します。

スポット相談と単発プロジェクトは、範囲が決まっているぶん、範囲の外に出る提案が出にくくなります。月額顧問は長く続くほど支援側の収入になるので、「社内で回せるようにする」ことが後回しになる場合があります。成果報酬の併用は、売上の額を成果にすると、値引きや広告費の積み増しで売上を作る方向に力が働きます。利益を成果にするなら、どの費目まで引いた利益かを契約書の段階で決めておく必要があります。

型に良し悪しがあるのではなく、自社が何を買いたいかと型が合っているかで選んでください。方向を確かめたいだけなのに月額顧問を結ぶと、毎月の定例で話すことがなくなります。逆に、複数のテーマを半年かけて直したいのにスポットを重ねると、毎回の説明に時間を取られます。

金額に幅が出る5つの理由

同じ型でも、会社によって金額にはかなりの幅があります。目安として幅がある理由は、主に次の5つです。

  1. 見る範囲。 広告だけか、商品ページ・価格・在庫まで含むか。範囲が広いほど、診断と設計にかかる時間が増えます
  2. 商品の数。 1商品を深く見るのと、30商品を横に見るのとでは作業の量が違います。商品ごとに原価や競合が違うので、数に比例して時間がかかります
  3. 定例の頻度と、定例外の対応。 月1回か隔週か、チャットでの質問にどれくらいの速さで返すか。対応の速さは費用にそのまま乗ります
  4. 文書の細かさ。 口頭の助言だけか、基準書・設計図・議事録まで文書で残すか。文書が残る支援は高くなりやすい一方、契約が終わっても自社に残ります
  5. 作業をどこまで含むか。 「コンサル」と名乗っていても、設定の一部や資料の作成まで引き受ける契約があります。作業が入るほど、運用代行に近い金額になります

見積もりを複数取ったときは、金額ではなく、この5つの項目を同じ表に書き出してから比べてください。安い見積もりが、範囲が狭いだけだったということはよくあります。逆に、高い見積もりの中に自社では要らない作業が入っていることもあります。

元が取れるかを改善テーマごとに試算する

費用を払う価値があるかは、「このテーマを直したら、月にいくら利益が動くか」を先に見積もると判断しやすくなります。運用代行の費用で使う「代行費÷粗利率」の式は運用代行の費用の記事で紹介しているので、ここではコンサルで扱うことが多い改善テーマごとに分けて見ます。

計算の形を示すため、次の仮の条件を置きます。実際の水準を示すものではありません。

  • 月商300万円、月の広告費30万円
  • 手数料・配送料・広告費まで引いた粗利率は20%(月の粗利60万円)
  • 月額顧問の費用を仮に月10万円とする
改善テーマ仮に動いた幅月の利益への影響(仮定)計算の中身
広告の無駄を減らす成果につながらないクリックが1割減る+3万円広告費30万円×10%
商品ページで転換率を上げる売上が1割伸びる+6万円増えた売上30万円×粗利率20%
原価と価格を見直す粗利率が1ポイント上がる+3万円売上300万円×1%
3つの合計+12万円月額10万円を上回る

この表から分かるのは2つです。1つは、どれか1つのテーマだけでは、月額の費用に届かない場合があること。広告の無駄を減らすだけなら、この条件では月3万円の改善なので、月額10万円の顧問契約では元が取れません。その場合は、広告の設計だけを単発プロジェクトで頼み、日々の作業は自社で回すほうが合います。

もう1つは、テーマを組み合わせ、期間を区切ると元が取れる見込みが立つことです。仮に単発プロジェクトで商品ページと広告の設計をまとめて頼み、一式で30万円だったとすると、改善が月9万円(3万円+6万円)出れば4か月目に回収が終わる計算になります。

手数料率・FBAの配送料・保管料は、カテゴリー・サイズ・時期で変わります。試算に使う粗利率は、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してから入れてください。売価・原価・手数料率を入れると1個あたりの利益が出る利益シミュレーターも使えます。

試算するときの3つの注意

  • 改善の幅は控えめに置く。 「転換率が1割上がる」は仮の数字です。見積もりの段階では、支援する側の見込みの半分程度で計算しておくと、外れたときの損が小さくなります
  • 効果が出るまでの時間を入れる。 広告の見直しは数週間で数字に出やすい一方、商品ページの改善から検索順位が動くまでには数か月かかることがあります。最初の数か月は、費用だけが先に出ていく前提で資金を見ておきます
  • 社内の時間も費用に足す。 前に書いた月30,000円のような社内の工数を足しても利益が残るかを確かめます

費用を成果につなげる頼み方

同じ費用でも、頼み方で成果は変わります。依頼する前に、次の5つを自社で決めておいてください。

  1. テーマを1つか2つに絞る。 「全体を見てほしい」ではなく、「広告を止めると注文が止まる状態を直したい」「売れているのに利益が残らない理由を知りたい」のように、困りごとを1文で書きます
  2. 判断に使う数字をそろえる。 直近3か月の売上と広告費、1個あたりの着地原価、商品ページのURL。これが初回にあれば、診断の時間が短くなり、そのぶん設計に時間を使えます
  3. 期間を区切る。 まずは3か月など、見直しのタイミングを先に決めます。区切りがないと、成果が出ていないのに続ける理由も、やめる理由も見つかりません
  4. 実行する人と時間を決める。 誰が、週に何時間、助言を実行するのか。ここが決まっていないと、定例で決めたことが次の定例まで手つかずになります
  5. 成果物と成果の定義を文書にする。 何が文書で残るか(基準書、設計図、議事録)と、何の数字がどう動けば成果とするか(利益、TACOS、転換率など)を、契約前に書き出しておきます

依頼するときの文面は、次の形にまとめると相手に伝わりやすくなります。

項目書く内容の例
困りごと広告を止めると注文が止まる。広告費を下げたいが、どこを下げてよいか分からない
対象主力の3商品(URLを添える)
手元の数字直近3か月の月ごとの売上・広告費、1個あたりの着地原価
期間3か月。3か月目に続けるか、範囲を変えるかを決める
社内の体制担当者1名、週に3時間ほど作業に使える
受け取りたいもの広告の構造の設計図、除外と入札の基準書、毎月の議事録
成果の見方広告費を引いた後の月の利益と、TACOS

この表を埋めて渡すと、見積もりの範囲も揃います。複数の会社に同じ表を渡せば、金額の差が何から来ているのかが比べやすくなります。相談の段階で用意しておくものは、Amazonコンサルに相談する前に用意するものにもまとめています。

頼んだあとの3か月の見方

頼んだあとは、1か月目の数字だけで良し悪しを決めないでください。1か月目は診断と設計、2か月目は設計に沿った実行、3か月目に数字と作業の両方を振り返る、という流れが一般的です。

3か月目の振り返りでは、先に「決めたことが実行されたか」を見て、次に数字を見ます。実行されていて数字が動かないなら、テーマの選び方か設計を見直します。実行されていないなら、コンサルの質より社内の体制の問題です。どちらなのかを分けて考えると、続ける・範囲を変える・やめるの判断がしやすくなります。

費用が無駄になりやすい頼み方

最後に、払った費用が成果につながらなかったときに多い頼み方を挙げます。

  • テーマを決めずに月額顧問を結ぶ。 毎月の定例が「今月の数字の報告」で終わり、何も決まらないまま月が過ぎます。定例の最後に「誰が・いつまでに・何をするか」が議事録に残っていなければ、この状態です
  • 原価や利益の数字を渡さない。 売上と広告費だけで助言を受けると、売上を伸ばす提案が利益を削っていても気づけません。1個あたりの着地原価は、概算でも渡してください。出し方は原価の構造を分解するで書いています
  • 判断まで任せてしまう。 広告費の上限や値下げの幅を外に決めてもらうと、資金や在庫の事情と合わない方向に進みます。案は出してもらい、決めるのは自社です
  • 成果の定義を口頭で済ませる。 「売上を伸ばす」だけだと、値引きで伸びた売上も成果に数えられます。成果報酬を併用するなら、なおさら数字の定義を文書にします
  • 権限をそのまま渡す。 助言だけなら、セラーセントラルの権限は閲覧で足りることが多いです。IDとパスワードの共有ではなく、ユーザー権限の機能で必要な範囲だけを付与し、契約が終わったら取り消します

当社は2019年からAmazonの支援をしていて、これまでに30ブランド・300商品ほどを見てきました。コンサルの形で支援するときも、最初に「どのテーマを、何の数字で確かめるか」を決めるところから始めます。支援の範囲と進め方はAmazonコンサルのページに、プランと料金は料金ページに載せています。

よくある質問

Amazonコンサルの費用は、売上がどれくらいになってから払う価値がありますか。 売上の額より、直したいテーマでどれくらい利益が動くかで考えます。売上が小さい段階では、月額顧問より、スポット相談や単発プロジェクトで方向と設計だけを受け取り、実行は自社で回す形が合いやすくなります。上の試算のように、テーマごとの利益の動きを先に出してから型を選んでください。

スポット相談と月額顧問、どちらから始めるのがよいですか。 困りごとが1文で書けるなら、スポット相談か単発プロジェクトから始めると、支援の質を小さな金額で確かめられます。困りごとが複数あって、順に直していく必要があるなら、期間を区切った月額顧問が向きます。最初から長い契約を結ばず、見直しのタイミングを決めておくことが大事です。

成果報酬だけで引き受けてもらうことはできますか。 引き受ける会社もありますが、成果の定義によっては判断の向きが偏ります。売上を成果にすると、値引きや広告費の積み増しで数字を作る方向に力が働きます。成果報酬を入れるなら、広告費まで引いた利益など、自社の手元に残る数字で定義し、計算の方法を文書で決めておいてください。

コンサルの費用に、広告費や制作費は含まれますか。 含まれないのが一般的です。Amazonに払う広告費や、画像・動画の制作を外に頼む場合の費用は別にかかります。見積もりを見るときは、コンサルの費用と、それ以外に発生しそうな費用が分けて書かれているかを確認してください。

まとめ

  • Amazonコンサルの費用は「診断」「設計」「伴走」のどれを、どの深さで含むかで決まる。設定作業まで頼むなら運用代行の範囲になる
  • 料金の型はスポット相談・単発プロジェクト・月額顧問・成果報酬の併用の4つ。自社が何を買いたいかと型を合わせる
  • 金額の幅は、範囲・商品数・定例の頻度・文書の細かさ・作業の有無の5つで出る。見積もりはこの5つを並べて比べる
  • 元が取れるかは、改善テーマごとに月の利益の動きを仮置きして確かめる。1テーマで届かなければ単発で頼む形も考える
  • 請求書に載らない社内の実行時間も費用に含める
  • 頼む前に、テーマ・数字・期間・実行する人・成果の定義の5つを決めておく

まずは、いま一番困っていることを1文で書き、直近3か月の売上・広告費と1個あたりの原価を手元にそろえてみてください。どのテーマから手を付けるべきか分からない場合は、無料の運用診断で弱い箇所を整理できます。個別の相談はお問い合わせからどうぞ。