ある朝、商品ページの星が4.3から4.0に下がっていた。検索結果で並ぶ競合は4.2や4.4のまま。こうなると、売上が落ちる前に何とかしたいと焦ります。
ただ、Amazon 星評価 下がったときに最初にやるべきことは、レビューを増やす施策ではありません。なぜ下がったのかを切り分けることです。原因が商品にあるのか、ページの説明にあるのか、たまたま数件が重なっただけなのかで、打つ手がまったく違うからです。
この記事では、原因の切り分け、戻すまでに必要な件数の見積もり、直す順番、そしてやってはいけない対処を順にまとめます。星の表示の計算方法はAmazon側で決められていて、変わることもあります。ここでの試算は考え方をつかむための目安として読んでください。
星評価が下がったら、まず原因を4つに切り分ける
星が下がる原因は、大きく次の4つに分かれます。直近の低評価(星1〜2)を10件ほど読み、どれに当たるかを数えるところから始めます。
| 原因 | 見分け方 | 主な対処 |
|---|---|---|
| 商品そのものの問題 | 「壊れた」「動かない」など同じ不具合の指摘が続く | 仕入れ先と原因を調べ、ロットや仕様を直す |
| 期待とのずれ | 「思ったより小さい」「色が違う」など説明との差 | 画像・寸法・色の表記を直す |
| 配送・梱包 | 「箱がつぶれていた」「遅い」 | 梱包仕様や納品時の荷姿を見直す |
| 一時的な重なり | 内容がばらばらで、件数も数件 | 慌てて動かず、2〜4週間様子を見る |
切り分けのときは、期間で区切って見るのがコツです。たとえば「直近30日」と「その前の90日」で低評価の内容を比べると、何が新しく増えたのかが分かります。新しいロットに切り替えた時期、ページを書き換えた時期、セールで普段と違うお客様が増えた時期と重なっていないかも確認してください。
星の平均はどう動くのか。戻すまでの件数を見積もる
Amazonの星の表示は、単純な平均ではなく、レビューの新しさや購入の確認などを考慮した計算で出されると案内されています。そのため正確な予測はできませんが、どれくらいの件数で動くのかの感覚を持っておくと、慌てずに済みます。
ここでは考え方をつかむために、仮に単純平均で計算してみます。
| 現在の件数と平均 | 目標 | 必要な星5の件数(単純平均の仮定) |
|---|---|---|
| 20件・平均4.0 | 4.2 | 5件 |
| 100件・平均4.0 | 4.2 | 25件 |
| 300件・平均4.0 | 4.2 | 75件 |
| 100件・平均3.8 | 4.2 | 50件 |
計算式は、必要件数=現在の件数×(目標−現在)÷(5−目標)です。仮に100件・平均4.0から4.2に戻すなら、100×0.2÷0.8で25件の星5が要ります。しかも、その間に低評価が1件でも入れば、さらに件数が要ります。
この表から分かるのは2つです。
- 件数が少ないうちは、数件で大きく動く。 20件の段階では、低評価2〜3件で一気に下がり、良い評価5件で戻ります
- 件数が多くなると、戻すのに時間がかかる。 300件あると、良い評価を積むだけで戻すのは現実的ではありません。新しく入る低評価を止めるほうが効きます
つまり、件数が多い商品ほど「良い評価を増やす」より「低評価の原因を止める」ほうが先です。
戻す手順:止める→直す→積み上げる
原因が分かったら、次の順で進めます。
- 低評価の原因を止める。 商品の不具合なら、該当ロットの出荷を止める、検品を増やすなどの手を先に打ちます。原因が残ったままでは、何をしても下がり続けます
- ページの説明を直す。 期待とのずれが原因なら、寸法を手に持った写真で見せる、色の見え方の注意を書くなど、誤解の元を消します。点検の順番は商品ページの点検リストにまとめています
- 付いた低評価に返信する。 返信は、次に買うか迷っている人に向けた説明です。書き方は低評価への返信の書き方で文例付きで紹介しています
- 規約の範囲でレビューを積み上げる。 セラーセントラルの「レビューをリクエスト」機能など、認められた方法だけを使います。何がよくて何がだめかはレビュー依頼でやってよいこと・いけないことを確認してください
- 月ごとに数字を並べる。 星の平均、低評価の件数と内訳、購入率を月ごとに記録し、手を打った時期と比べます
この順番を逆にして、原因が残ったままレビュー依頼だけを増やすと、低評価も一緒に増えることがあります。依頼の数を増やせば、不満を持った人が書く機会も増えるからです。
原因別の直し方の例
商品の不具合が原因のとき
同じ不具合の指摘が3件以上そろったら、まず仕入れ先に写真と内容を送り、原因を確認します。新しいロットから増えたなら、検品の項目に追加するか、仕様を戻します。返品の理由も合わせて見ると、不具合の傾向がよりはっきりします。返品データの見方は返品率を下げる方法で扱っています。
改良版に切り替えたあとも、旧ロットのレビューはページに残ります。改良した点は、事実として言える範囲で商品説明やA+に書き、返信でも伝えます。
期待とのずれが原因のとき
「小さい」「薄い」「色が違う」という不満は、商品が悪いのではなく、ページの見せ方で起きていることが多くあります。たとえば次のように直します。
- 寸法は数字だけでなく、手やペットボトルなど身近な物と並べた写真で見せる
- 色は「画面によって見え方が異なります」だけで済ませず、自然光と室内灯の写真を並べる
- 箇条書きの1行目に、誤解されやすい点(対応サイズ、付属品の有無)を書く
直したあとは、同じ不満が減ったかを1〜2か月かけて確認します。
配送・梱包が原因のとき
FBAを使っている場合でも、荷姿や緩衝材が原因になることがあります。納品時の梱包を見直し、箱の中で商品が動かないかを確かめます。自己配送の場合は、発送までの日数と梱包材を見直します。
やってはいけない対処
星を早く戻したいときほど、規約に触れる手を選びやすくなります。次の対処は避けてください。
- 良い評価と引き換えに特典を出す。 返金、割引、ギフトなど、評価と結び付く見返りは規約違反とみなされるおそれがあります
- 知人や社員にレビューを頼む。 利害関係のある人のレビューは認められていません
- 低評価を書いた人に、変更や削除を頼む。 返信や連絡で評価の修正を求める書き方は避けます
- ページを作り直して評価をリセットしようとする。 同じ商品の出品を作り直す行為は、規約上の問題になることがあります
- レビューの多い別のページに統合しようとする。 関係のない商品同士をまとめる行為は、規約で認められていません
一時的に星が戻っても、アカウントへの措置を受ければ、それまでの積み上げをすべて失います。規約の線引きは変わることがあるので、迷ったらセラーセントラルのポリシーを確認してください。
よくある質問
星が0.1下がっただけでも対処が要りますか。 0.1の変化だけで判断する必要はありません。まず、直近の低評価の内容がそろっているかを見ます。内容がばらばらで件数も少なければ、一時的な重なりの可能性があります。同じ不満が続いているなら、0.1でも原因を止める手を打ちます。
新商品で星が低いまま始まってしまいました。どうすればよいですか。 件数が少ないうちは、数件で大きく動きます。まず最初の低評価の原因を止め、そのうえで規約の範囲でレビューを集めます。新商品向けの仕組みとしてVineを使う方法もあり、費用と向き不向きはVineを使うかどうかの判断にまとめています。
星が下がると売上はどれくらい落ちますか。 商品やカテゴリー、競合の星の水準によって変わるため、一律には言えません。自社の数字で確かめるには、星の変化と購入率(ユニットセッション率)の推移を月ごとに並べて見ます。購入率の上げ方は転換率を上げる方法で扱っています。
低評価の削除は依頼できますか。 商品と関係のない内容や個人情報など、ポリシーに反するレビューは、セラーセントラルの所定の手順で報告できます。内容が気に入らないという理由だけでは削除されません。当てはまらない場合は、返信で事実を淡々と添えるにとどめます。
まとめ
- 星評価が下がったら、まず直近の低評価を読み、原因を4つ(商品・期待とのずれ・配送・一時的)に切り分ける
- 戻すまでの件数は「現在の件数×(目標−現在)÷(5−目標)」で、仮の目安をつかめる
- 件数が多い商品ほど、良い評価を積むより低評価の原因を止めるほうが先
- 順番は「止める→直す→返信する→規約の範囲で積み上げる→月ごとに数字を並べる」
- 見返り、身内のレビュー、変更依頼、ページの作り直しは避ける
まずは直近30日の低評価を原因別に数えてみてください。どこから直すかが決まります。原因の切り分けからページの直しまで相談したい場合は、無料の運用診断からどうぞ。
