レビューが0件のまま売れない。そんなときに限って「レビューを増やします」という営業のメールやメッセージが届きます。1件あたりいくら、初回は無料、アカウントに影響のない安全な方法。読んでいるうちに、頼んでみようかと思ってしまう出品者は少なくありません。

先に結論を書くと、Amazonのレビュー業者が提案する手法の多くは規約違反です。見返りを渡して書かせる、身内や協力者に買わせて書かせる、悪いレビューを消すと持ちかける。どれも、見つかればレビューの削除にとどまらず、出品権限の停止につながるおそれがあります。

ただ、営業の文面は年々巧妙になっていて、違反だと気づきにくい言い回しで届きます。この記事では、Amazon レビュー 業者の手法を見分ける軸と、営業文で警戒すべき表現、問い合わせで確かめる質問を順に書きます。自社でできるレビュー依頼の線引きはレビュー依頼で許されることと違反になることにまとめているので、先に読んでおくと判断が早くなります。

Amazonのレビュー業者の手法は「誰が・何と引き換えに書くか」で見分ける

レビューの集め方が規約の範囲かどうかは、細かな手順より次の2点で決まります。

  1. 誰が書くか。実際に自分の判断で買った購入者か、業者が用意した人か
  2. 何と引き換えに書くか。何も受け取らずに書くか、商品代の返金・謝礼・割引・プレゼントなどを受け取って書くか

規約の範囲に入るのは、実際の購入者が、見返りなしに、自分の意思で書いたレビューだけです。Amazonが公式に用意している仕組み(レビューのリクエスト機能や、対象条件を満たした商品向けのプログラム)を除き、業者が人を用意したり、見返りを渡したりする時点で外れます。

この2つの軸で、よく提案される手法を並べるとこうなります。

手法の呼ばれ方誰が書くか見返り判定
「モニター募集」「テスター」業者が集めた人商品代の返金・謝礼違反
「購入代行」「実購入でのレビュー」業者の協力者代金の後払い返金違反
「レビュー交換」「相互レビュー」ほかの出品者自分の商品へのレビュー違反
「低評価の削除代行」―(削除を持ちかける)費用と引き換え違反のおそれが高い
「SNSでの拡散・紹介」紹介を見た一般の人割引コードと引き換えにレビューを求める違反
レビューリクエストの送信を自動化する作業実際の購入者なし公式機能の範囲なら問題になりにくい

最後の行だけが、業者に頼んでも問題になりにくい作業です。これは公式のリクエスト機能を毎日押すという手間を代わりに引き受けるもので、レビューの中身や星には関わりません。逆に言えば、星の数や件数を約束する業者は、この範囲を超えたことをしていると考えてください。

営業文で警戒すべき言い回し

違反の手法を正面から書く業者はまずいません。営業文には、それとなく安全そうに見せる言い回しが並びます。次の表現が出てきたら、手法を問い合わせる前に一度立ち止まります。

営業文の言い回し実際に起きていることの例
「実際の購入なので安全」協力者が買い、後から代金を返している
「アカウントへの影響はありません」影響がないと言い切れる根拠は示されない
「星4以上のみ掲載」書く人の評価を事前に選んでいる。これ自体が違反の形
「1件◯円の成果報酬」件数単位で人を動かしている
「初回◯件無料でお試し」違反の実績を作らせてから継続を求める
「低評価を消せます」削除の依頼を乱発するか、不正な方法で消そうとする
「海外のレビュアーネットワーク」実態の分からない人に書かせている

特に「星を選べる」「件数を約束する」の2つは、実際の購入者が自由に書くレビューでは起こりえません。この表現が出た時点で、規約の外の手法だと判断してよい水準です。

自社に届いた営業を見分ける手順

営業を受けたら、次の順に確かめます。

  1. 営業文に「星」「件数」「成果報酬」の言葉があるかを見る。あれば検討をやめる
  2. 「どうやって書く人を集めるのか」「書く人は何を受け取るのか」の2点だけを文章で質問する
  3. 答えが曖昧、または「企業秘密」で返ってきたら、それ以上進めない
  4. 答えが具体的でも、上の表の違反の行に当てはまるなら断る

質問は電話ではなく文章で送ります。後から言った言わないにならず、判断の記録にもなるからです。

頼んだ場合に起きること

業者の手法が見つかった場合に起きることは、レビューが消えるだけではありません。起こりうることを重い順に並べるとこうなります。

起こりうること影響
出品権限の停止全商品の販売が止まる。再開には改善計画の提出が要り、時間がかかる
商品ページへの警告表示・出品停止対象商品が売れなくなる
レビューの一括削除業者経由のものだけでなく、正当なレビューまで消える場合がある
レビュー投稿の制限その商品に新しいレビューが付きにくくなる

厄介なのは、業者を使ったのが一度だけでも、後から見つかる場合があることです。購入者の行動や返金の流れは記録に残ります。数か月たってから停止の通知が来ることもあり、その時点では業者と連絡がつかないこともあります。

アカウントの状態の見方と、停止を避けるための日々の確認はアカウント健全性の見方と出品停止を防ぐ確認にまとめています。

費用で見ても割に合わない

仮に1件3,000円で20件を頼むと6万円です。ここに商品代の実費が乗ります。一方、出品権限が1か月止まった場合に失う粗利は、月商300万円・粗利率25%と仮定すると75万円です。販売の再開までに時間がかかれば、その間の広告の積み上げや検索順位も失います。払った6万円と比べて、取っているリスクの大きさが釣り合いません。

規約の範囲でできる、代わりの手

業者に頼まなくても、レビューの件数と評価を上げる動き方はあります。どれも即効性は業者より劣りますが、積み上がったレビューが後から消える心配はありません。

手やること効き方
リクエスト機能を全注文で使う配送完了から一定期間内に、注文ごとに1回押す件数が少しずつ増える
対象条件を満たす商品は公式プログラムを検討する条件と費用を確認して申し込む初期の数件を集めやすい
低評価の理由を商品とページに戻す不満の多い点を改善し、説明文と画像で誤解を減らす平均評価が戻る
低評価への返信・問い合わせ対応事実と対処を簡潔に伝える次の購入者の不安が減る
同梱物で使い方を補うレビューを求めず、使い方と問い合わせ先だけを書く使い方の誤解による低評価が減る

公式プログラムを使うかどうかの判断はVineを使うか決める基準、低評価の原因を減らす動きはレビューの増やし方と低評価への対応に書いています。

レビューが0件の段階では、件数を増やすことより「最初の数件で低評価を付けられない状態」を作るほうが効きます。サイズや使い方の誤解、梱包の破損、説明と実物の違い。この3つを出品前に潰しておくだけで、最初のレビューの星は変わります。競合のレビューに不自然な偏りがあって困っている場合は、サクラレビューの見分け方と報告の手順を参照してください。

よくある質問

知人や家族に買ってもらってレビューを書いてもらうのはどうですか。 違反です。出品者と利害関係のある人によるレビューは、自分の判断で買った購入者のレビューとして扱われません。代金を本人が払っていても同じです。購入の流れや配送先から関係が分かる場合があり、まとめて削除される原因になります。

「レビューは求めず、商品を無料で配るだけ」なら問題ありませんか。 無料で配った相手がレビューを書けば、見返りを受けたレビューとして扱われるおそれがあります。配るときにレビューに触れていなくても、結果として書かれれば同じ問題が起きます。サンプル配布は、レビューにつながらない場(展示会や実店舗など)にとどめておくほうが安全です。

以前に業者を使ってしまいました。今からできることはありますか。 まず業者との取引をやめ、どの商品で、いつ、どんな手法だったかを記録にまとめておきます。通知が来た場合に、事実と再発防止の内容を説明する材料になります。そのうえで、今後は規約の範囲の手だけに切り替えてください。個別の事情が絡むため、判断に迷う場合は専門家への相談も検討してください。

業者からの営業メッセージには返信したほうがよいですか。 返信の必要はありません。断る意思を示すと、かえって別の文面で営業が続くこともあります。返信せずに放置するか、利用しているサービスの迷惑メッセージの報告機能を使ってください。

まとめ

  • Amazonのレビュー業者の手法は「誰が書くか」「何と引き換えに書くか」で見分ける
  • 実際の購入者が見返りなしに書いたものだけが規約の範囲。業者が人を用意する、見返りを渡す時点で外れる
  • 営業文に「星を選べる」「件数を約束」「成果報酬」があれば、その時点で検討をやめる
  • 問い合わせは文章で、「書く人をどう集めるか」「書く人は何を受け取るか」の2点だけ聞く
  • 見つかれば出品権限の停止まで起こりうる。払う費用と取るリスクが釣り合わない
  • 代わりにできるのは、リクエスト機能の徹底・公式プログラムの検討・低評価の原因の改善

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