新しい商品を出すと、最初は誰もレビューを書いていません。Amazon レビュー0件の商品ページは、星もコメントもなく、購入者から見れば「まだ誰も買っていない商品」です。同じ検索結果にレビューが数百件ある競合が並ぶなかで、最初の1件目をどう取るかが立ち上げの最初の壁になります。
ここで焦って、レビューを集める業者や、割引と引き換えにレビューを頼む方法に手を出すと、アカウントそのものを失うことがあります。この記事では、規約の範囲で、最初の10件までをどう積むかを順番に整理します。立ち上げ全体の流れは新商品の立ち上げ90日でやることにまとめているので、ここではレビューに絞ります。
レビュー0件の時期に起きていること
レビューがない商品は、次の3つの点で不利になります。
- クリックされにくい。検索結果で星の表示がなく、比べられたときに選ばれにくい
- クリックされても買われにくい。商品ページに他の購入者の声がなく、判断材料が出品者の説明だけになる
- 広告の費用対効果が悪く見える。購入率が低いので、同じクリック数でも売れる数が少ない
逆に言うと、この時期に購入者が頼れるのは商品ページの情報だけです。レビューが代わりに答えてくれるはずの疑問(サイズ感、使い心地、届いたときの状態)を、ページ側で先に答えておく必要があります。
最初の10件までの全体の順番
全体を5段階に分けます。目安の期間は商品や販売数で変わるので、順番だけ守ってください。
| 段階 | やること | 終わったと判断する目安 |
|---|---|---|
| 1. ページを固める | 画像・タイトル・箇条書き・説明文で購入前の疑問に答える | 購入前によく出る質問に、ページ内で全部答えられている |
| 2. 最初の注文を作る | 狭い範囲の広告で、買う可能性の高い検索語だけに出す | 毎日少しずつ注文が入る |
| 3. 正規の依頼を使う | 注文ごとに、セラーセントラルのレビュー依頼の機能を使う | 依頼の漏れがない |
| 4. 低評価に備える | 初期の不満を拾い、商品やページに戻す | 不満の原因が分かり、対応が決まっている |
| 5. 広告を広げる | 購入率が上がってから、検索語や予算を広げる | 10件前後に達し、購入率が安定してきた |
1から順に進め、前の段階が終わらないうちに次の段階の予算を増やさないことが大事です。ページが弱いまま広告を広げると、クリック代だけが出ていきます。
1. ページを固める
レビューがない分、ページが購入者の疑問に答える役を担います。最低限、次を確認します。
- メイン画像:検索結果で何の商品か一目で分かる。メイン画像の考え方を参照
- サブ画像:サイズ感(手に持った大きさ、比較対象)、使い方、中身の一覧、素材の近接写真
- タイトル:検索語と、商品の種類・特徴・容量やサイズが入っている
- 箇条書き5行:購入をためらう理由に1行ずつ答える
- 説明文・A+:使う場面と、他の商品との違い
競合のレビューを読むと、購入者が何を気にしているかが分かります。良いレビューで褒められている点は自社のページでも伝え、悪いレビューで不満が出ている点は「この商品ではどうなっているか」をページで先に答えます。やり方は競合のレビュー分析に書いています。
2. 最初の注文を作る広告
レビューは注文がなければ付きません。最初の注文を作るのはスポンサープロダクト広告です。ただし、レビュー0件の時期は購入率が低いので、広く出すほど無駄なクリックが増えます。
- 検索語を絞る。商品名そのものに近い語、用途が具体的な語など、買う意思の強い語から始める
- 1日の予算と期間を先に決める。「この金額を何日使って、何件の注文を取りに行くか」を決めておく
- 入札は上げすぎない。上位表示を狙って高く入札しても、ページが選ばれなければクリック代が残るだけ
仮に、1日の予算を3,000円、クリック単価を50円とすると1日60クリックです。購入率が仮に3%なら1日1.8件、10件の注文までに約6日、費用は約18,000円です。購入率が1%なら同じ10件に約20日、約60,000円かかります。購入率が3倍違うと、10件までの費用も約3倍違うので、広告より先にページを固める理由はここにあります。数値はすべて計算の形を示すための仮の値です。
立ち上げ期の広告の組み方は新商品の広告の始め方に詳しく書いています。
3. 正規のレビュー依頼を使う
注文が入ったら、セラーセントラルの注文詳細にあるレビュー依頼の機能を使います。この機能は文面がAmazon側で決まっていて、星の数を誘導する余地がないため、規約の範囲で使える方法です。
- 発送から数日たって、購入者が商品を使える時期に依頼する
- 注文ごとに漏れなく依頼する。件数が少ない時期ほど1件の依頼が効く
- 依頼の対象期間には期限があるので、まとめて後回しにしない
ブランド登録をしていれば、条件を満たす商品でVine(Amazonが選んだレビュアーに商品を提供してレビューを書いてもらう仕組み)を使う選択肢もあります。費用と向き不向きはVineに出すべきかの判断にまとめています。
3の補足:やってはいけない手法
レビュー0件の時期は、次のような手法に誘われやすい時期でもあります。どれも規約違反になり得るので使いません。
| 手法 | 問題になる理由 |
|---|---|
| 割引・返金・ポイントと引き換えにレビューを頼む | 対価を渡したレビューにあたる |
| 「星5をお願いします」と同梱物やメッセージに書く | 評価の内容を誘導している |
| 知人や社員にレビューを書いてもらう | 利害関係者のレビューにあたる |
| レビューを集める業者に依頼する | 上のいずれかの手法を使っていることが多い |
| 不満を書いた購入者に、削除と引き換えに返金を申し出る | 評価の操作にあたる |
違反と判断されると、レビューの削除だけでなく、商品ページや出品アカウントに影響が及ぶことがあります。どこまでが許されるかの線引きはレビュー依頼で許されることと違反になること、業者の見分け方はレビュー業者の注意点を参照してください。
4. 最初の低評価に備える
件数が少ない時期は、1件の低評価で平均の星が大きく下がります。仮に星5が2件の商品に星1が1件付くと、平均は3.7になります。
- 不満の内容を分類する。商品そのもの(品質・サイズ)か、期待とのずれ(ページの説明不足)か、配送や梱包か
- ページで防げる不満はページを直す。サイズが思ったより小さいという不満なら、サイズ感の画像を足す
- 商品で防げる不満は仕入れ先や検品に戻す。初期ロットの不良なら、次のロットまでに直す
- 返信や問い合わせへの対応は丁寧に。購入者への連絡はルールの範囲で行い、評価の変更を求めない
低評価への向き合い方は低評価への返信と対応にまとめています。
5. 10件前後から広告を広げる
レビューが10件前後付き、商品ページの購入率が上がってきたら、広告の検索語や予算を広げる段階です。オート広告で拾った検索語を見て、購入につながった語を手動の広告に移し、つながらない語は除外します。
この段階でも、広告費だけを増やすのではなく、購入率とACOS(広告費÷広告経由の売上)を週ごとに見ることが大事です。レビューが増えて購入率が上がっていれば、同じ広告費でも売れる数が増えています。
よくある質問
レビュー0件のまま広告を出しても意味はありますか。 意味はありますが、検索語を絞り、予算と期間を先に決めて出すことが前提です。レビューがない時期は購入率が低いので、広く出すとクリック代だけがかさみます。商品ページを固めてから、買う意思の強い語に絞って始めてください。
最初の10件が付くまでに、どのくらいの期間がかかりますか。 販売数とレビューを書く購入者の割合で大きく変わるため、一律には言えません。依頼の機能を注文ごとに漏れなく使い、注文数を少しずつ増やしていくのが現実的な進め方です。期間より、依頼の漏れがないかと購入率が上がっているかを見てください。
知人に買ってもらってレビューを書いてもらうのは問題ですか。 利害関係のある人のレビューは規約違反にあたり得ます。購入は問題なくても、レビューを書いてもらうことは避けてください。発覚した場合、レビューの削除だけでなく出品アカウントに影響が出ることがあります。
Vineは最初から使うべきですか。 ブランド登録をしていて対象の条件を満たすなら、立ち上げ期の選択肢になります。ただし費用がかかり、率直な評価が付くため、商品やページに弱点があると低評価が先に付くこともあります。ページと商品の品質を固めてから判断してください。
まとめ
- レビュー0件の時期は、商品ページだけが購入者の判断材料になる
- 順番は、ページを固める → 狭い広告で最初の注文 → 正規の依頼 → 低評価に備える → 広告を広げる
- 広告は検索語を絞り、1日の予算と期間を先に決める。購入率が低いと10件までの費用は膨らむ
- レビュー依頼はセラーセントラルの機能を注文ごとに漏れなく使う
- 対価と引き換えのレビュー、評価の誘導、知人のレビュー、業者への依頼はしない
- 初期の低評価は、ページで防げるものと商品で防げるものに分けて直す
自社の商品ページと広告のどちらが弱いのか判断がつかない場合は、無料の運用診断で整理できます。立ち上げから広告まで任せたい場合は、Amazon運用代行の内容も見てください。
