Amazon 商品画像 外注を考え始めると、選択肢の多さに迷います。個人のデザイナー、撮影スタジオ、制作会社、運用代行のセット。金額も1枚数千円から、一式で数十万円までさまざまです。
ところが、外注で失敗する原因の多くは、外注先の腕よりも依頼する側の準備にあります。何を伝えるための画像なのかが決まっていないまま頼むと、きれいだけれど売れない画像が届き、修正の往復で時間とお金が消えていきます。
この記事では、外注先の型ごとの違いを整理したうえで、依頼前に用意する資料、修正回数と納品形式の決め方、仮の条件での費用の比べ方を順に説明します。画像を含めた商品ページ制作全体の費用は商品ページ制作の費用に、外注全般の選び方は運用の外注先の選び方にまとめています。
外注する前に、何を外注するのかを決める
「商品画像を外注する」といっても、中身は大きく3つの作業に分かれます。
外注先によって、得意な作業が違います。構成まで任せられるところもあれば、指示された内容を形にするだけのところもあります。構成を自分で決めるのか、外注先に任せるのかを先に決めると、選ぶべき外注先の型が絞れます。
構成を自分で考える場合は、サブ画像6枚の構成とメイン画像と購入率の関係が下敷きになります。
外注先の4つの型と向いている状況
外注先を、どこまでの作業を引き受けるかで4つに分けます。
| 型 | 引き受ける範囲 | 向いている状況 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 個人のデザイナー | 主に制作。撮影は別のことが多い | 構成と写真が手元にあり、仕上げだけ頼みたい | Amazonの画像規定や売り場の事情に詳しいかは人による |
| 撮影スタジオ | 撮影が中心。簡単な加工まで | 写真の質が売上を左右する商品。サイズ感や質感を見せたい | 文字入れや構成は別の依頼先が必要なことがある |
| 制作会社 | 構成・撮影・制作を一式で | 新商品の立ち上げで、ページ全体をまとめて作りたい | 金額が大きい。修正や追加の範囲を契約で確認する |
| 運用代行のセット | 画像を含めたページ改善と、その後の運用 | 画像を作った後も、数字を見て直し続けたい | 画像単体の発注より割高に見えることがある。範囲を確認する |
どの型が優れているということはありません。手元に何があり、何が足りないかで決まります。写真も構成も揃っているのに制作会社に一式で頼むと、払わなくてよい費用まで払うことになります。反対に、構成が決まっていないのに個人のデザイナーに頼むと、デザイナーが推測で作ることになり、修正が増えます。
型を選ぶための3つの質問
次の3つに答えると、型が絞れます。
- 何枚目に何を伝えるか、自分で書き出せるか(できる→個人のデザイナーか撮影スタジオ、できない→制作会社か運用代行)
- 商品の写真は、そのまま使える品質のものが手元にあるか(ない→撮影を含む型)
- 画像を作った後、購入率を見て直し続ける体制が社内にあるか(ない→運用代行のセットも候補)
依頼前に用意する資料
外注先の型が決まったら、依頼の前に資料を揃えます。ここを省くと、外注先は推測で作るしかなく、修正の往復が増えます。
| 資料 | 中身 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 商品の基本情報 | 正式名称、サイズ、重さ、素材、色、付属品 | 数字の誤りは修正ではなく作り直しになる |
| 売りたい相手 | 誰が、どんな場面で、何に困って買うか | 写真の場面や文字の言い回しが決まる |
| 構成案 | メイン+サブ画像の各枚で伝えることを1行ずつ | 外注先が「何を作るか」で迷わない |
| 競合の画像 | 検索結果で並ぶ競合3〜5商品の画像 | 並んだときに埋もれない方向性を共有できる |
| レビューの要点 | 競合の高評価・低評価で多い内容 | 画像で先に答えるべき疑問が分かる |
| 使ってよい素材 | ロゴ、既存の写真、図面、パッケージ | 素材の不足による遅れを防ぐ |
| 禁止事項 | 書いてはいけない表現、使えない言葉 | 規約や法令に触れる表現の作り直しを防ぐ |
構成案は文字だけでかまいません。たとえば「3枚目:サイズ感。手に持った写真+縦横の寸法」のように、1枚につき1行で書きます。絵が描けなくても、何を伝えたいかが文字で決まっていれば、外注先はその通りに形にできます。
競合のレビューから画像で答えるべき疑問を拾う方法は、競合レビューの分析で差別化の切り口を見つけるにまとめています。
構成案の書き方の例
仮に、持ち運び用の小型の保冷バッグを外注するとします。構成案は次のようになります。
- メイン:白背景に商品のみ。ふたを少し開け、容量が分かる角度
- サブ1:使う場面。通勤のかばんに入れた様子
- サブ2:サイズ感。500mlのペットボトルが何本入るか
- サブ3:保冷の仕組み。断面図と素材の層
- サブ4:洗える・畳めるなどの手入れ
- サブ5:色の展開と付属品
- サブ6:よくある質問への答え(レビューで多い疑問)
この粒度まで決まっていれば、どの型の外注先に頼んでも、届く画像のずれは小さくなります。
修正回数と納品形式の決め方
依頼の段階で決めておかないと揉めやすいのが、修正回数と納品形式です。
修正回数は「何に対する修正か」で分ける
修正には2種類あります。
- 伝え方の修正:文字の大きさ、配置、色、写真の差し替え
- 中身の修正:構成そのものの変更、伝える内容の入れ替え
前者は通常の修正の範囲に入れやすいのに対し、後者は作り直しに近く、追加費用の対象になりがちです。契約前に「修正◯回まで」と決めるときは、どちらを含むのかを書面で確認してください。中身の修正を減らす方法は、構成案を依頼前に固めることです。
修正回数の目安は、ラフ(下書き)の段階で1回、仕上げの段階で1〜2回です。ラフの段階で方向性を確認しておくと、仕上げ後の大きな修正を避けられます。ラフの確認を契約に入れていない外注先には、追加で頼めるかを聞いてください。
納品形式は「後から直せるか」で決める
| 納品形式 | 中身 | 後から直せるか |
|---|---|---|
| 完成画像のみ | Amazonに上げる画像ファイル | 文字1か所の修正でも外注先に頼む必要がある |
| 編集用データ付き | 文字や写真を重ねる前の、編集ソフトのデータ | 社内や別の外注先でも直せる |
| 写真素材付き | 加工前の写真 | 別の画像やA+、広告にも使い回せる |
価格の変更やキャンペーンの文言、レビューを受けた表現の修正など、画像は公開後にも直す場面が出てきます。編集用データと写真素材の受け取り、その利用範囲を契約で確認しておくと、後から別の外注先に乗り換えることもできます。
費用は「1枚あたり」ではなく「公開までの総額」で比べる
外注先の見積もりは、1枚あたりの単価、一式の金額、撮影込みかどうかなど、形がばらばらです。並べるときは、公開までに払う総額に直します。
計算の形を示すため、次の仮の条件を置きます。実際の水準を示すものではありません。
- メイン1枚+サブ6枚の計7枚を作る
- 撮影が必要。修正は2回発生する想定
- 半年後に価格表示と文言の修正が2枚分発生する想定
| 項目(仮定) | A:個人デザイナー+撮影を別に依頼 | B:制作会社に一式 | C:運用代行のセット |
|---|---|---|---|
| 制作 | 1枚8,000円×7枚=56,000円 | 一式に含む | 月額に含む |
| 撮影 | 別の依頼先に40,000円 | 一式に含む | 月額に含む |
| 構成 | 自社で作る(社内の時間) | 一式に含む | 月額に含む |
| 一式の金額 | ― | 150,000円 | 月額60,000円×6か月=360,000円 |
| 修正2回 | 2回まで無料と仮定 | 2回まで無料と仮定 | 範囲内と仮定 |
| 半年後の修正2枚 | 1枚4,000円×2枚=8,000円 | 1枚5,000円×2枚=10,000円 | 範囲内と仮定 |
| 半年間の総額 | 104,000円+社内の時間 | 160,000円 | 360,000円(画像以外の運用も含む) |
この表から分かるのは、金額の差は「何が含まれているか」の差だということです。Aは安く見えますが、構成を作る社内の時間がかかります。Cは高く見えますが、画像以外の運用(広告、在庫、数字の確認)も含んでいれば、比べる相手は画像の外注費だけではありません。
Aの「社内の時間」も金額に直しておくと、比べやすくなります。仮に、構成案づくりと競合の調査、外注先とのやり取りに合計12時間かかり、担当者の時間あたりの人件費を3,000円と置くと、36,000円です。これを足すとAは140,000円になり、Bとの差は20,000円まで縮まります。差が小さいなら、構成の質や修正のしやすさで選ぶほうが合理的です。
自社の見積もりを当てはめて、半年から1年の総額で並べてください。運用代行の料金の考え方は運用代行の費用と料金の型に、当社の料金は料金ページにまとめています。
外注でよくある失敗と防ぎ方
最後に、画像の外注でよくある失敗を挙げます。どれも依頼の段階で防げます。
失敗1:きれいだが、何の商品か一目で分からない
雰囲気のある写真を重視しすぎて、検索結果の小さな表示では何の商品か分からない。メイン画像は商品そのものが主役です。構成案で「メインは商品のみ」と指定し、スマートフォンでの見え方を確認します。確認の手順はスマートフォン表示の点検にあります。
失敗2:文字が多すぎて読めない
伝えたいことを全部入れた結果、スマートフォンでは文字が小さすぎて読めない。1枚で伝えることは1つに絞り、文字は見出し+短い説明までにします。
失敗3:数字や仕様の誤り
サイズや容量の誤りは、返品や低評価につながります。商品の基本情報を資料として渡し、納品時に数字を1つずつ照合します。
失敗4:規定や表現の問題で使えない
メイン画像の背景や、書いてはいけない表現(効果を言い切る表現など)に触れて、そのまま使えない。禁止事項を資料に入れ、Amazonの画像に関する規定を外注先と共有します。規定は変わることがあるので、セラーセントラルの最新の案内で確認してください。
失敗5:公開後に数字を見ていない
画像を差し替えたのに、購入率が上がったのか下がったのかを見ていない。差し替えの前後14〜30日で、ユニットセッション率を比べます。改善の手順は商品ページ改善の手順にまとめています。
見積もりの前に外注先に聞く質問
外注先を比べるときは、次の質問を同じように投げると、答えの違いで判断しやすくなります。
- Amazonの商品画像を作った経験はあるか。どんなカテゴリーか
- 構成案はこちらで用意するべきか、提案してもらえるか
- ラフの確認はあるか。修正は何回まで、何を含むか
- 撮影は含まれるか。商品の発送と返却はどうなるか
- 納品形式は何か。編集用データと写真素材は受け取れるか、利用範囲はどこまでか
- 納期は何営業日か。修正が入った場合はどう延びるか
- 公開後の小さな修正は、いくらで対応してもらえるか
答えが曖昧な項目は、契約後に揉める原因になります。書面で残してください。
よくある質問
商品画像は自分で作るのと外注するのと、どちらがよいですか。 構成を自分で決められ、写真の品質に問題がなければ、制作だけを外注する形が費用を抑えやすくなります。構成から迷う場合は、構成まで提案できる外注先に頼むほうが、修正の往復が減ります。どちらにしても、何を伝える画像かを決めるのは出品者側の仕事です。
外注先がAmazonに詳しいかは、どう見分けますか。 過去に作ったAmazonの商品画像を見せてもらい、メイン画像の背景やスマートフォンでの見え方に配慮されているかを確認します。あわせて、構成の考え方を質問してみてください。検索結果で並んだときの見え方や、レビューで多い疑問に触れられるかが目安になります。
修正回数の上限を超えたらどうなりますか。 多くの場合、追加費用がかかります。上限を超えやすいのは、構成そのものを途中で変えたときです。ラフの段階で方向性を確認し、仕上げの段階では伝え方の修正にとどめると、上限内に収まりやすくなります。
画像だけでなく、商品ページ全体の改善も頼めますか。 画像を含めたページ全体の見直しと、その後の数字の確認まで任せる形もあります。当社は2019年から30ブランド・300商品の運用に関わってきました。Amazon運用代行の内容を確認するか、ご相談ください。
まとめ
- 外注する作業を「構成・撮影・制作」に分け、どこまで任せるかを先に決める
- 外注先は4つの型。手元にあるものと足りないもので選ぶ
- 依頼前に商品の基本情報・売りたい相手・構成案・競合画像・禁止事項を揃える
- 修正回数は「伝え方の修正」と「中身の修正」を分けて契約で確認する
- 編集用データと写真素材の受け取りと利用範囲を決めておく
- 費用は1枚あたりではなく、公開後の修正まで含めた総額で比べる
- 公開後は差し替え前後で購入率を比べ、効果を確かめる
