商品名を直したのに反映されない。サイズの値が間違ったまま戻ってしまう。別の出品者に画像を差し替えられた。カタログの修正は、セラーセントラルの画面で直せば終わるとは限らず、テクニカルサポートとのやり取りが何往復も続くことがあります。

時間がかかるわりに売上に直結して見えにくいので、Amazonカタログ修正代行に任せたい、という相談はよく受けます。任せること自体はできます。ただ、丸ごと任せると、かえって長引く作業もあります。

この記事では、カタログ修正で代行に頼めること、自社で持つべきこと、テクニカルサポートへの問い合わせを任せるときの権限の渡し方と記録の残し方、費用の考え方までを書きます。他者に書き換えられたときの気づき方と戻し方は商品情報を書き換えられたときの対処にまとめています。

カタログ修正でよくある依頼と、代行の向き不向き

まず、どんな修正が多いかを整理します。どれも「どこが原因か切り分け、正しい窓口に、正しい資料を付けて出す」という流れは同じですが、代行に向くかどうかは違います。

よくある依頼主な対応代行の向き不向き
商品名・画像が反映されない処理待ち・要件違反・掲載の優先権の切り分け向く。切り分けの手順が決まっている
寸法・重量・素材などの属性の誤り正しい値で更新し、戻るならサポートへ作業は向く。正しい値は自社が出す
カテゴリーの誤り商品タイプの確認と修正依頼向く。手数料率に関わるので急ぐ
バリエーションの統合・分割親子関係の組み直し向く。設計の判断は自社と相談
他者による書き換えブランド所有者としての修正依頼向く。証拠は自社が用意する
重複したASINの統合同一商品であることの説明向く。同一である根拠は自社が出す
ブランド名・メーカー名の誤り証拠を付けた修正依頼一部。パッケージ写真などが要る

画像が反映されないときの切り分けは画像が反映されないときの確認手順、親子関係の設計はバリエーション登録の設計で詳しく書いています。

表を見ると分かるとおり、作業そのものは代行に向くが、「何が正しいか」は自社にしか分からないものがほとんどです。ここを分けて考えることが、任せ方の出発点です。

Amazonカタログ修正代行に任せる範囲と、自社で持つ範囲

区分代行に任せられること自社で持つこと
原因の切り分け反映されない原因の調査、優先権の確認(なし)
正しい情報入力・フラットファイルの作成仕様・寸法・成分・対応機種の確定
証拠必要な資料の指定、添付パッケージ写真、仕様書、ブランドの資料の用意
問い合わせ文面の作成、送信、追跡、再問い合わせ方針の承認(統合するか、分けるか)
記録ケースの番号・内容・結果の台帳台帳の受け取りと保管
アカウントの手続き(任せない)本人確認、支払い、権限の付与と取り消し

正しい値を社内で決めないまま頼むと、代行側は手元の情報で入力するしかなく、後で「本当は違った」となって往復が増えます。修正が長引く原因の多くは、Amazon側ではなく、正しい値が社内で決まっていないことです。

ブランド登録をしていると、ブランド所有者として修正を申請でき、他の出品者の情報より優先されやすくなる場面があります。まだ登録していないなら、カタログ修正の前にブランド登録のメリットと申請の準備を確認してください。

テクニカルサポートへの問い合わせの任せ方

問い合わせを代行に任せるときは、次の順で進めます。

  1. ユーザー権限で招待する。セラーセントラルのユーザー権限の機能で、代行の担当者を招待します。ログイン情報やパスワードを共有するのはやめてください。誰が何をしたかが残らず、終了時に止める手段もなくなります
  2. 権限は必要な範囲に絞る。カタログの修正なら、在庫(商品の登録・編集)と問い合わせに関わる権限が中心です。支払いや口座の情報に関わる権限は渡しません
  3. 1件の問い合わせに1つの論点。複数のASIN・複数の論点をまとめて送ると、一部だけ対応されて閉じられることがあります。ASINごと、論点ごとに分けます
  4. 証拠を先にそろえる。パッケージの写真、仕様書、ブランドの資料など、求められそうなものは最初の問い合わせに付けます
  5. ケースの番号を台帳に残す。問い合わせごとに、日付・ASIN・論点・ケースの番号・回答・次の行動を1行で残し、社内からも見られる場所に置きます
  6. 再問い合わせのルールを決める。回答がない、または同じ回答が続くときに、何日待って、どの形で出し直すかを決めておきます

台帳は地味ですが、いちばん効きます。担当者が変わっても、同じ論点で何回、どういう回答が来たかが分かれば、次の一手を間違えません。

依頼の前に社内でそろえるもの

そろえるもの中身なぜ要るか
正しい値の一覧ASINごとの商品名・寸法・重量・素材・対応機種代行が入力する元。曖昧だと往復が増える
パッケージの写真正面・裏面・バーコード・ブランド名が読める写真ブランド名や同一性の証拠になる
仕様書・取扱説明書寸法や成分の根拠属性の修正の根拠
方針のメモ統合するか、分けるか、どの画像を正とするか代行が判断で止まらないため
社内の窓口質問に答え、承認する人を1人決める返事待ちで止まらないため

正しい値の一覧は、商品仕様(属性)欄を埋め直すときにもそのまま使えます。修正をきっかけに、空欄になっている属性を一緒に埋めておくと、検索での見つかりやすさにも効きます。品質の不足は出品情報の品質ダッシュボードで一覧できます。

問い合わせ文の型

代行に任せる場合も、自社で出す場合も、問い合わせ文は同じ型で書くと往復が減ります。代行が出した文面を社内で確認するときの基準にもなります。

  1. 件名に論点とASINを入れる。「ASIN ◯◯ 商品の重量の値の修正」のように、何についての依頼かが件名だけで分かるようにします
  2. 今どうなっているか。商品ページに表示されている値と、いつから違っているか
  3. 正しい値。直したい値を1つずつ、項目名と一緒に書きます
  4. 根拠。添付した資料の名前と、資料のどこに正しい値が書いてあるか
  5. すでに試したこと。画面から更新したが戻った、など。同じ案内を繰り返されるのを防ぎます
  6. 求める対応。値の更新なのか、統合なのか、優先する情報の切り替えなのかを1つだけ書きます

文面は長く書くより、上の6つが欠けていないことのほうが大事です。とくに5番の「すでに試したこと」が抜けると、画面から更新してくださいという案内が返ってきて、1往復が無駄になります。

代行が出した文面は、送信前か送信直後に社内でも見られるようにしておくと安心です。正しい値や方針が食い違っていないかを、社内の窓口が1分で確かめられます。修正のたびにこの確認を挟むと、台帳と合わせて、後から誰が見ても経緯が追える状態になります。

費用の考え方(仮定)

カタログ修正の代行費用は、だいたい次の3つの形のどれかです。

形支払い方向く状況
運用代行の月額に含む月額の範囲内で対応修正が日常的に出る。広告やページの運用も頼んでいる
1件ごと修正1件(ASIN・論点ごと)に料金単発の修正が数件だけ
時間単価対応にかかった時間で精算長引きそうな案件が1つある

社内でやった場合と比べるために、仮の数字を置きます。

  • 1件あたりの社内の時間:切り分け30分・問い合わせの作成30分・追跡と再問い合わせ30分で、計1.5時間と仮定
  • 担当者の時給:3,000円と仮定
  • 代行の1件ごとの料金:5,000円と仮定
月の件数社内でやる場合(時間を金額に)1件ごとに頼む場合
3件13,500円15,000円
10件45,000円50,000円
30件135,000円150,000円

金額だけを見ると、この仮定では社内でやるほうが少し安く見えます。ただ、社内の1.5時間は「慣れている人なら」の数字です。初めての人は手順を調べるところから始まり、何倍もかかることがあります。そして修正が遅れている間、誤った情報のまま売っている損失は表に入っていません。カテゴリーの誤りで販売手数料の率が違っていれば、その差は売れるたびに出ます。手数料率の確かめ方はカテゴリー別の販売手数料の見方にあります。手数料率は時期やカテゴリーで変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してください。

件数が月10件を超えるなら、1件ごとより月額に含む形のほうが合うことが多くなります。広告や商品ページの運用と合わせて頼む場合の範囲と金額は、当社の料金プランに公開しています。

頼む先を選ぶときの確認点

  • 過去にどの種類の修正を扱ったか。属性の修正、統合・分割、他者による書き換えなど、自社の案件に近い事例があるか
  • 台帳を渡してくれるか。ケースの番号と回答の記録を、社内で見られる形で受け取れるか
  • 権限の受け取り方。ユーザー権限での招待を前提にしているか。ログイン情報を求める先は避けます
  • 結果が出ないときの扱い。修正を通すかどうかはAmazon側の判断です。「通します」と言い切る先より、通らなかったときに次の手を説明できる先を選びます
  • 終了時の引き継ぎ。進行中のケースをどう渡すか、権限をいつ外すか

依頼の前に何を決めておくかは、運用代行に依頼する前の準備にも書いています。

よくある失敗

  • パスワードを共有した。誰が変更したか分からなくなり、契約終了後も止められない
  • 毎回違う人が問い合わせた。過去の回答を踏まえずに同じ論点を出し直し、同じ回答が繰り返される
  • 正しい値を決めずに頼んだ。入力してから「違う」と分かり、修正の修正が発生する
  • まとめて1件で送った。一部だけ直って閉じられ、残りを出し直すことになる

どれも代行の腕の問題ではなく、頼み方で防げるものです。依頼の初回の打ち合わせで、この4つを避ける決まり(権限の渡し方、担当者を固定すること、正しい値の一覧、1件1論点)を双方で確認しておくと、最初の1か月の往復がかなり減ります。

よくある質問

カタログ修正だけを単発で頼めますか。 頼める先は多いです。単発なら1件ごとか時間単価の形になります。ただ、修正のたびに権限の付与と取り消しが要るので、年に何度も出るなら、運用と合わせて頼むほうが手間が少なくなります。

代行に頼めば修正が早く通りますか。 早く通るかどうかを決めるのはAmazon側です。代行で縮むのは、原因の切り分けと問い合わせの出し方を間違える時間、往復の回数です。正しい値と証拠を最初にそろえて渡すことが、いちばん時間を縮めます。

ブランド登録をしていなくても修正できますか。 自社が出品している商品の情報なら、修正の依頼は出せます。ただ、同じASINに複数の出品者がいて情報が食い違う場合、ブランド所有者のほうが優先されやすい場面があります。自社ブランドの商品なら、登録を先に検討してください。

代行との契約を終えるとき、進行中の問い合わせはどうなりますか。 終了日の時点で開いているケースの番号・論点・最後の回答を台帳で受け取り、社内の担当者が引き継ぎます。その後でユーザー権限を外します。権限を先に外すと、代行側が最後の回答を確認できず、経緯が途切れます。契約の時点で、終了時の引き継ぎの手順と期限を決めておくと慌てずに済みます。

修正が通らないとき、どこまで粘ればいいですか。 同じ論点で2〜3回、同じ回答が続くなら、出し方を変えます。証拠を足す、論点を分ける、問い合わせの種類を変える、などです。それでも動かない場合は、その情報が売上にどれだけ影響しているかで、粘るか、ページ側の別の場所で補うかを判断します。

まとめ

  • カタログ修正は、作業は代行に向くが、何が正しいかは自社にしか決められない
  • 正しい値の一覧・パッケージ写真・仕様書・方針のメモ・社内の窓口を先にそろえる
  • 権限はユーザー権限で招待し、必要な範囲に絞る。パスワードは共有しない
  • 問い合わせは1件1論点。ケースの番号と回答を台帳に残し、社内で見られるようにする
  • 費用は月額に含む・1件ごと・時間単価の3つ。誤った情報のまま売っている損失も含めて比べる
  • 「通します」と言い切る先より、通らなかったときの次の手を説明できる先を選ぶ

カタログの修正が日常的に出ている場合は、ページ全体の作り方に原因があることもあります。商品ページ・広告・在庫をまとめて見る場合の範囲はAmazon運用代行の内容に書いています。当社は2019年から30ブランド・300商品ほどの運用を支援してきました。修正が長引いている案件の相談はお問い合わせからどうぞ。