商品ページを直そうと思って管理画面を開いたものの、どこから手をつけるか決まらない。とりあえずメイン画像を作り直して、ついでにタイトルも変えて、箇条書きも書き直した。数週間後、売上は少し動いたが、何が効いたのかは分かりません。

この進め方の問題は、作業量ではなく順番です。商品ページの改善は、詰まっている場所を数字で特定してから、1回に1か所だけ直すのが基本の形になります。

この記事では、セラーセントラルから取れる数字で場所を絞り、直す順番を決め、変更後に効果を確かめるところまでを手順にします。出てくる数値はすべて仮の目安です。自社の商品の実績値に置き換えて読んでください。

最初に3つの数字を取る

見るのはセラーセントラルのビジネスレポート(商品別の詳細ページ)です。取るのは次の3つだけです。

数字レポート上の名前何が分かるか
セッション数セッション商品ページが何回見られたか。表示と集客の量
ユニットセッション率ユニットセッション率ページを見た人のうち何%が買ったか。転換率
販売数注文された商品点数上の2つの掛け算の結果

クリック率はビジネスレポートには出ません。検索結果に並んだときに選ばれているかは、広告のターゲティングレポートのクリック率か、ブランド登録していれば検索クエリパフォーマンスで確認します。使い方は検索クエリパフォーマンスの見方に書きました。

期間は30日分を取ります。1週間では判断できません。セッションが月100に満たない商品は、そもそもページの問題ではなく流入の問題です。その場合はページを触る前にAmazon SEOの基本と広告の設定を見てください。

どこが詰まっているかを決める

3つの数字を、次の順で読みます。

  1. セッションが少ない → ページの前で詰まっています。検索で出ていないか、出ていても選ばれていない
  2. セッションはあるがユニットセッション率が低い → ページの中で詰まっています。ここが商品ページ改善の本題です
  3. どちらも並なのに販売数が伸びない → 価格・在庫・レビューなど、ページの外の条件を見ます

ユニットセッション率の水準は商品によって大きく違うので、他社と比べても意味がありません。比べるのは自社の過去です。先月と今月、去年の同じ月。下がっているなら原因があります。横ばいなら、その水準が現状の実力です。

目安として置くなら、同じ商品の過去3か月の平均を基準線にしてください。そこから2割以上落ちていれば何かが起きています。価格を上げた、競合が増えた、低評価が付いた、在庫が切れてカートを失った。カートが取れない原因も併せて確認します。

直す順番を決める

ページの中で詰まっていると分かったら、直す場所を1つ選びます。全部直したくなりますが、同時に変えると効果が分かりません。

順番は「見られる回数が多い順」と「直す手間が軽い順」の掛け合わせで決めます。

順位直す場所見られる回数手間効きやすい状況
1メイン画像検索結果で全員が見る中クリック率が低い。競合と並べて埋もれている
2価格の見え方全員が見る軽競合と数百円差。クーポンや割引表示がない
3タイトル検索結果とページ上部軽用途や対象が読み取れない。語が詰め込まれている
4サブ画像の1〜3枚目ページを開いた人の多く中サイズ感や使い方が伝わらない
5箇条書き5行スマートフォンでは折りたたまれる軽仕様の羅列で終わっている
6A+(商品説明)下までスクロールした人重上で決まらなかった人の最後の後押し

上から順にやるのが原則です。理由は単純で、メイン画像と価格は見た人全員が通る場所、A+は下まで読んだ一部の人しか見ない場所だからです。A+を作り込む前に、メイン画像を直したほうが同じ手間で効く人数が多くなります。

それぞれの直し方は個別の記事に分けています。メイン画像はメイン画像と購入率、タイトルは商品名の書き方、サブ画像はサブ画像6枚の構成、箇条書きは箇条書き5行の設計が対応します。

手をつける前に現状を保存する

直す前に、いまのページの状態を残してください。元に戻せない改善は、改善ではなく賭けです。

残すものは3つです。

  • 変更前の画像ファイル(メイン・サブすべて)
  • 変更前のタイトル・箇条書き・商品説明の文面(テキストで保存)
  • 変更前30日のセッション数・ユニットセッション率・販売数

3つ目を取り忘れると、悪化したときに「どのくらい悪化したか」が分かりません。レポートは後から期間を指定して出せますが、変更日を記録しておかないと比較する期間を決められません。日付と変更内容を1行ずつ書いた記録を、商品ごとに作っておいてください。

1回に1か所だけ変える

同時に複数を変えると、効いた要素と足を引っ張った要素が打ち消し合って、合計だけが残ります。「メイン画像で良くなったが、タイトル変更で悪くなった」場合、数字は横ばいになり、両方とも効果なしと判断してしまいます。

変える単位は次のように決めます。

変更の単位1回にまとめてよい分けたほうがよい
メイン画像背景・角度・明るさの調整商品の見せ方そのものを変える案
タイトル語順の入れ替えと冗長な語の削除訴求の軸を変える(用途→対象など)
サブ画像1枚だけ差し替え6枚すべての構成変更
箇条書き5行の並び替え内容の書き直し
価格―価格は単独で変える。他と同時に動かさない

価格を単独にする理由は、価格変更がユニットセッション率に最も強く効くからです。価格を動かしながら画像を変えると、画像の効果はほぼ読み取れません。値上げの進め方は値上げの手順、価格の決め方そのものは価格の決め方にまとめています。

例外は、明らかな不備が複数ある場合です。画像が1枚しかない、箇条書きが空欄、スマートフォンで文字が切れている。こうした欠けは効果測定の対象ではないので、まとめて埋めてください。欠けの洗い出しには商品ページの点検リストとスマートフォン表示の点検が使えます。

変更後に効果を確かめる

変更したら、次の変更まで待ちます。待つ期間は、判断に足りる母数がたまるまでです。

母数の目安は、変更後のセッション数が300〜500たまるまで。ユニットセッション率が10%の商品なら、300セッションで30件前後の購入があり、数%の変化なら読み取れます。セッションが月100しかない商品なら3〜5か月かかる計算になるので、その場合は流入を増やすほうが先です。

比べ方は次の形にします。

比べるもの変更前変更後判断
セッション数30日分同じ日数タイトル・画像変更で検索表示が動いたか
ユニットセッション率30日分同じ日数ページの中で選ばれるようになったか
販売数30日分同じ日数結果。上2つのどちらで増えたかを見る

ユニットセッション率が上がって販売数が横ばいなら、セッションが減っています。タイトルから語を削ったときに起きやすい形です。逆にセッションが増えて率が下がるなら、関連の薄い検索から人が来ています。

注意点が2つあります。ひとつは季節です。前月と比べると、季節の動きと変更の効果が混ざります。去年の同じ月との比較を横に置いてください。もうひとつは在庫です。途中で在庫が切れていた日があると、その日のセッションと販売数は使えません。

悪化したときの戻し方

数字が落ちたら戻します。ためらう必要はありません。戻せるうちに戻すのが、記録を残しておく理由です。

ただし、戻す前に1つ確認してください。落ちたのがユニットセッション率なのか、セッション数なのか。ユニットセッション率が落ちたならページ側の問題なので戻します。セッション数だけが落ちているなら、競合の広告が増えた可能性もあります。同じ検索語での順位を確認してから判断してください。確認の仕方は検索順位の確認方法に書いています。

戻したら、その結果も記録に残します。「この案は効かなかった」という記録は、次に同じ案を思いついたときに時間を節約してくれます。

よくある質問

画像を変えたら、検索順位は下がりますか。 画像の差し替えそのもので順位が動くわけではありません。ただし、画像を変えてクリック率や転換率が落ちれば、その結果として順位に影響します。逆に上がれば有利に働きます。つまり画像変更は、順位に直接ではなく、お客様の反応を経由して効きます。そのため変更後は順位だけを見るのではなく、ユニットセッション率とセッション数の両方を追ってください。順位が決まる要素は別の記事にまとめています。

タイトルや箇条書きを変えた後、いつ反映されますか。 反映のタイミングは一定ではありません。数時間で切り替わることもあれば、1日以上かかることもあります。検索結果に出る表示は、商品ページの表示より遅れることが多いので、ページが変わっていても検索結果が古いままという状態は普通に起きます。変更後の効果測定の起点は、検索結果側の表示が切り替わった日にしてください。その日をまたいで数えると、変更前の期間が混ざります。

セッションが少ない商品は、ページを直しても意味がないですか。 意味がないわけではありませんが、効果を測れません。月のセッションが100を下回る商品は、ページを完璧にしても購入が数件動くだけで、その差が改善によるものか偶然かを区別できないからです。この段階では、ページの明らかな欠け(画像が少ない、仕様欄が空欄)だけ埋めて、あとは検索で出るようにする作業と広告に時間を使ってください。仕様欄を埋めるだけで流入が変わる仕組みは商品仕様(属性)欄に書いています。

まとめ

  • 直す前にビジネスレポートで3つの数字を取る。セッション数・ユニットセッション率・販売数
  • セッションが少ないならページの前、率が低いならページの中、どちらも並なら価格や在庫を見る
  • 直す順番はメイン画像・価格・タイトル・サブ画像・箇条書き・A+。見る人数が多い場所から
  • 変更前の画像・文面・数字を先に保存する。日付と変更内容を1行ずつ記録する
  • 1回に1か所だけ変える。価格は単独で動かす。明らかな欠けはまとめて埋めてよい
  • 変更後はセッションが300〜500たまるまで待つ。季節と在庫切れの影響を除いて比べる
  • 落ちたら戻す。どの数字が落ちたかを見てから判断し、結果も記録に残す

まずは扱っている商品のセッションとユニットセッション率を並べて、率が過去より落ちている商品を1つ選ぶところから始めてください。どこから手をつけるか決めかねる場合は、無料の運用診断で広告・商品ページ・在庫のどこが弱いかを整理できます。個別の相談はお問い合わせからどうぞ。