メイン画像を作り直したら売上が上がった。けれど同じ週にセールもあったので、本当に画像のおかげなのか分からない。商品ページを直すたびに、こうした迷いが残ります。

Amazon ABテスト 実験の管理は、この迷いを減らすための機能です。同じ期間に、お客様を2つのグループに分け、片方には今のページ、もう片方には新しい案を見せて、どちらが売れたかを比べます。期間が同じなので、セールや季節の影響を両方が同じように受けます。

この記事では、実験の管理を使える条件、何から試すかの順番、設定の手順、結果の読み方、よくある失敗までをまとめます。画面の項目名や選べる期間、試せる要素は変わることがあるので、実際の操作はセラーセントラルの最新の画面と案内で確認してください。

実験の管理を使える条件と準備

実験の管理は、ブランド登録をしているブランドの持ち主向けの機能です。さらに、比べられるだけのアクセスがある商品でないと、実験を作れないことがあります。まだブランド登録をしていない場合は、ブランド登録のメリットと手順を先に確認してください。

始める前に、次の3つを用意しておきます。

  1. 試したい商品の候補リスト。 売上の柱になっている商品、アクセスはあるのに購入率が低い商品が候補です
  2. 今の数字の控え。 ビジネスレポートで、直近4週間のセッション数と購入率を書き出しておきます
  3. 新しい案。 画像なら差し替え用の画像、商品名なら新しい文案です。案は1つに絞ります

候補が多いときは、アクセスの多い商品から選びます。アクセスが少ない商品で実験をしても、結果がはっきり出るまでに時間がかかるか、差が出ないまま終わります。

何から試すか。メイン画像・商品名・A+の順番

試せる要素は複数ありますが、効き方が違います。お客様がページにたどり着くまでの順番に沿って考えると、優先順位が決まります。

試す要素効く場所動きやすい数字優先度
メイン画像検索結果の一覧クリック率・セッション数最初に試す
商品名検索結果の一覧とページ上部クリック率・購入率2番目
箇条書き・商品説明ページの中ほど購入率3番目
A+(商品紹介コンテンツ)ページの下部購入率3番目

メイン画像から試すのは、最も多くのお客様の目に入るからです。検索結果に並ぶ段階で選ばれなければ、その後の商品名もA+も見られません。メイン画像を変えたときの差は、クリック率とセッション数に出ます。作り方の考え方はメイン画像で購入率は変わるにまとめています。

商品名は、検索結果での見え方とページ上部の両方に効きます。ただし、商品名は検索との関連にも影響するため、主要な検索語を外すような大きな変更は避けます。並び順を入れ替える、先頭の語を変える、といった単位で試すのが安全です。書き方の基本は商品名の書き方を参照してください。

A+は、ページを下までスクロールしたお客様にしか見られません。差が出るまでに時間がかかる一方、購入を迷っている人の最後のひと押しになります。メイン画像と商品名を一度試してから取り組むと、効果が読み取りやすくなります。構成の型はA+に何を載せるかにあります。

実験を作る手順

実験の作り方は、おおむね次の流れです。

  1. セラーセントラルのブランド関連のメニューから「実験の管理」を開く
  2. 試す要素を選ぶ。 メイン画像、商品名、A+など
  3. 対象の商品を選ぶ。 実験できない商品は選べないか、理由が表示されます
  4. 実験の名前と仮説を書く。 「白背景の正面から斜め45度に変えるとクリック率が上がる」のように、何を変えて何が動くと考えるかを書きます
  5. 期間を選ぶ。 選べる期間の中で、長めに取ります
  6. 新しい案を入れて申請する。 審査が通ると、指定した日から実験が始まります

4番の仮説は、省略されがちですが大事です。仮説を書いておかないと、結果を見たときに、何を学んだのかが残りません。 次に試す案の材料にもならないので、1行でよいので書いておきます。

期間は短く切りたくなりますが、短いと曜日や給料日の影響を受けやすくなります。少なくとも数週間は取り、途中で止めない前提で始めます。

結果の読み方

実験が終わると、どちらの案がよかったかの見込みと、それぞれの売上・購入数・購入率などが表示されます。読むときの考え方は次のとおりです。

見込みが高くても、差の大きさを見る。 新しい案がよい可能性が高いと出ても、売上の差がわずかなら、差し替えの手間に見合わないことがあります。仮に、年間の売上が600万円の商品で、新しい案の売上が2%高いと出たとすると、年間で12万円ほどの差です。画像の作り直しにかかった費用と比べて判断します。

差がはっきりしないときは、引き分けとして扱う。 どちらとも言えない結果は、失敗ではありません。「この要素の違いでは売上が動かない」という学びです。次はもっと大きな違いのある案を試します。

勝った案は、元に戻らないように反映を確認する。 実験が終わったあと、勝った案を本番のページに反映する設定があります。反映されたかどうかは、ログアウトした別ブラウザで商品ページを開いて確かめます。

結果は記録に残す。 試した要素、仮説、期間、結果、反映したかどうかを、表にして残しておきます。何本か貯まると、自社のお客様が何に反応するかの傾向が見えてきます。

よくある失敗

実験の管理でよく見る失敗を挙げます。どれも結果を読めなくする原因です。

失敗何が起きるか防ぎ方
2つ以上の違いを同時に入れるどの違いが効いたか分からない案ごとに違いは1つだけにする
実験中に価格や広告を大きく動かす片方の案だけが影響を受けることは無いが、全体の数字が揺れて差が読みにくくなる実験期間中は大きな変更を控える
途中で止める序盤の偶然の差で判断してしまう期間を決めたら最後まで回す
違いが小さすぎる差が出ず、時間だけかかるお客様が見て分かる違いにする
結果を記録しない同じ案を何度も試す実験ごとに1行で記録する

特に多いのが、2つ以上の違いを同時に入れる失敗です。メイン画像の角度と背景色を一度に変えると、勝っても負けても、どちらが原因か分かりません。1回の実験で確かめることは1つと決めておきます。

実験の管理を使えない商品では、変更前後の数字を比べるしかありません。その場合は、変更の前後4週間ずつの購入率を比べ、同じ期間に他の変更を入れないようにします。購入率の見方は転換率を上げる手順で詳しく扱っています。

よくある質問

実験の管理はどの商品でも使えますか。 使えません。ブランド登録をしていることに加え、比べられるだけのアクセスがある商品であることが条件になります。対象にならない商品は、実験を作る画面で選べないか、理由が表示されます。条件は変わることがあるので、セラーセントラルの案内で確認してください。

実験の期間はどれくらいにすればよいですか。 選べる範囲の中で長めに取るのが基本です。短いと、曜日や月末月初の動きで結果がぶれます。アクセスの多い商品でも数週間は取り、途中で止めない前提で始めてください。

実験中に広告を止めたり、価格を変えたりしても大丈夫ですか。 両方の案に同じように影響するので結果が無効になるわけではありませんが、全体の数字が揺れて差が読み取りにくくなります。大きなセールや価格変更の予定がある期間は避けて実験を組むと、結果が読みやすくなります。

負けた案は、もう試さないほうがよいですか。 同じ案をそのまま試し直す必要はありませんが、負けた理由の仮説を立てて、別の案で試すのは有効です。記録に「何を変えて、何が動かなかったか」を残しておくと、次の案を考える材料になります。

まとめ

  • 実験の管理は、同じ期間にお客様を2つに分けて比べるので、セールや季節の影響を受けにくい
  • 使えるのはブランド登録をしていて、アクセスがある商品。アクセスの多い商品から始める
  • 試す順番はメイン画像 → 商品名 → 箇条書き・A+。お客様の目に入る順に試す
  • 実験ごとに仮説を1行書き、違いは1つだけにする
  • 期間は長めに取り、途中で止めない
  • 結果は差の大きさで判断し、勝った案の反映を確認して記録に残す

まず、主力商品のメイン画像で1本、仮説を書いて実験を組んでみてください。どの商品のどの要素から手を付けるべきか迷う場合は、無料診断で商品ページの弱いところを洗い出せます。