価格を下げたのに、商品ページに取り消し線の価格も「-15%」の表示も出ない。競合のページには出ているのに、自社だけ出ない。Amazon 参考価格が表示されないという相談は、セールの前によく届きます。
値引きの表示は、ただの飾りではありません。同じ価格でも、比較の数字が横にあるかどうかで「いま買う理由」の強さが変わります。そのため、表示が出ないまま値下げをすると、利益だけ削って効果が見えないという状態になりがちです。
この記事では、まず表示に使われる2種類の数字(参考価格と過去価格)を整理し、そのうえで表示が出ない原因を上から順に確かめる手順をまとめます。表示の条件はAmazon側で決まり、時期によって変わります。最終的な判断は、セラーセントラルのヘルプにある最新の案内と、自社の販売データで確認してください。
参考価格と過去価格は別の数字
商品ページで値引きを示す数字には、大きく2つの出どころがあります。どちらが出ているかで、確かめる場所が変わります。
| 表示 | どこから来る数字か | 出品者が触れるか | 消えやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 参考価格 | 出品者が登録するメーカー希望価格など | 在庫ファイルや出品情報で入力できる | 入力した価格で実際に売れた形跡が乏しいとき |
| 過去価格 | Amazon上での一定期間の実際の販売価格 | 直接は入力できない | 発売直後・価格の上げ下げが多いとき |
参考価格は「出品者の申告」、過去価格は「実際に売れた価格の記録」と考えると整理しやすくなります。申告の数字は、裏付けとなる販売の記録が無いと表示されないことがあります。記録の数字は、販売期間が短いとそもそも計算できません。
どちらの数字が出ているかは、商品ページの価格の近くにある表記と、横の小さなiマークの説明で確認できます。競合のページで出ている表示がどちらなのかも、同じ方法で見ておくと、自社との違いがはっきりします。
値引き表示が出ない主な原因
表示が出ないときに疑う原因を、確かめやすい順に並べます。上から潰していくと、無駄な値下げをせずに済みます。
| 順番 | 原因 | 確かめ方 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 1 | カートを取れていない | 商品ページのカートボックスに自社名が出ているか | 先にカート獲得を回復させる |
| 2 | 参考価格を入力していない | 出品情報の「メーカー希望価格」欄 | 根拠のある価格を入力する |
| 3 | 参考価格の裏付けが無い | その価格で売った期間があるか | 根拠の無い数字を外す。入れ直す |
| 4 | 販売期間が短い | 発売日と販売履歴 | 一定期間売ってから判断する |
| 5 | 価格の上げ下げが多い | 直近の価格変更の回数 | 値下げ前に価格を安定させる |
| 6 | 値引き幅が小さい | 比較の数字との差 | 表示を狙うなら幅を見直す |
1. まずカートを見る
値引き表示は、カートボックスの価格に対して出ます。カートが外れている、または他の出品者に取られていると、自社の価格に比較表示は付きません。 他のモールや自社サイトでかなり安く売っている場合も、カートが外れる原因になります。原因の切り分けはカートが取れない原因にまとめています。
ここを飛ばして参考価格の入力をいじり続ける、というのがいちばん多い遠回りです。
2〜3. 参考価格の入力と裏付け
参考価格は入力すれば出る、というものではありません。入力した価格でお客様が実際に買った期間がほとんど無いと、表示されないことがあります。発売時から一度も定価で売っていない商品に高い参考価格を入れても、比較の数字としては採用されにくいということです。
逆に言えば、参考価格は「根拠を示せる数字」だけを入れるのが基本です。メーカーとして公表している希望小売価格がある、他の販路で継続してその価格で売っている、といった裏付けを手元に残しておきます。根拠の薄い高い数字を入れるのは、表示されないだけでなく、二重価格の表示として問題になるおそれもあります。
4〜5. 販売の記録が足りない
過去価格は、一定期間の販売価格をもとに計算されます。発売から日が浅い商品や、頻繁に価格を動かしている商品では、基準となる数字が安定しません。
失敗例として多いのが、セールの直前に価格を一度上げ、すぐ下げる動きです。値引き幅を大きく見せたい意図でも、記録上は「最近まで安かった商品」として扱われ、比較の数字が出ないか、思ったより小さくなります。値下げを予定している商品は、その前の数週間、価格を動かさないのが、いちばん手堅い準備です。
6. 値引き幅が小さい
比較の数字との差がわずかな場合、表示されないことがあります。どの程度の差から表示されるかは公開の条件と時期で変わるので、断定はできません。表示を狙うなら、表示されている競合の値引き率を何件か見て、自社の幅が極端に小さくないかを比べておきます。
セラーセントラルと商品ページで確かめる手順
原因の見当がついたら、次の順で確かめます。1回あたり15分ほどの作業です。
- ログアウトした状態の別ブラウザで商品ページを開く。 自分のアカウントで見ると表示が違うことがあるため、お客様と同じ条件で見ます
- カートボックスの出品者名と価格を確認する。 自社で無ければ、ここで手順を止めてカートの回復を先にやります
- セラーセントラルの在庫管理で、該当商品の価格まわりの項目を開く。 メーカー希望価格の入力値と、警告の表示が無いかを見ます
- 価格に関する通知やダッシュボードを確認する。 価格が高いと判断されていないか、表示が抑えられている旨の案内が無いかを見ます
- ビジネスレポートで直近の販売価格の推移を見る。 価格をいつ、何回動かしたかを書き出します
- 競合の表示と見比べる。 表示が出ている競合の値引き率と、自社の値引き率を並べます
5番目の書き出しは、地味ですが効きます。価格の変更履歴が手元にあると、過去価格が安定しない原因なのか、別の原因なのかがすぐ分かります。
表示を戻すために直す場所と待つ期間
原因ごとの対処をまとめると、次のようになります。
- カートの問題 → 価格・在庫・配送条件を直してカートを回復させる。表示はその後
- 参考価格の未入力 → 根拠のある価格を入力し、反映を数日見る
- 参考価格の裏付け不足 → 根拠の無い数字を外す。定価で売る期間をつくってから入れ直す
- 販売記録の不足・価格の上げ下げ → 価格を一定期間固定してから値下げする
待つ期間の目安も持っておきます。仮に、値下げを月末のセールに合わせたいとすると、少なくとも1か月前から価格を固定しておく計画になります。直前に気づいた場合は、今回のセールは値引き表示なしで判断し、次回に向けて価格を動かさない期間をつくる、という割り切りも必要です。
値下げの判断そのものは、表示が出るかどうかより、利益が残るかどうかで決めます。手数料率や配送料はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認したうえで、利益計算ツールで値下げ後の利益を先に出しておくと判断を誤りません。値引きの手段としてのクーポンの使い方はクーポンの使い方、価格の置き方そのものは価格の決め方にまとめています。
よくある質問
参考価格を入力したのに数日たっても表示されません。 入力値がそのまま表示されるとは限りません。まずカートを自社が取れているかを確認し、次にその価格で売った期間があるかを見てください。裏付けの無い参考価格は、表示されないことがあります。
過去価格を出すために、一度価格を上げてもよいですか。 おすすめしません。短期間の価格の上げ下げは、比較の数字が安定しない原因になります。お客様から見ても不自然で、二重価格の表示として問題になるおそれもあります。値下げの前は、価格を動かさない期間をつくるほうが近道です。
タイムセールやクーポンでも割引の表示が出ないことはありますか。 あります。セールやクーポンの表示にも、参考価格や直近の販売価格との関係が条件として使われることがあります。申し込みの前に、商品ページで現在の比較表示が出ているかを確認しておくと、当日の想定違いを防げます。タイムセールの申し込み手順も合わせて確認してください。
競合は出ているのに自社だけ出ないのはなぜですか。 競合と自社で、表示に使われている数字の種類が違う可能性があります。競合のiマークの説明を開き、参考価格なのか過去価格なのかを確かめてから、自社の原因の順番に当てはめてください。
まとめ
- 値引き表示の数字は「参考価格(出品者の申告)」と「過去価格(実際の販売の記録)」の2種類
- 表示はカートボックスの価格に付くので、まずカートを自社が取れているかを見る
- 参考価格は根拠を示せる数字だけを入れる。裏付けが無いと表示されないことがある
- 発売直後や価格の上げ下げが多い商品は、過去価格が安定しない
- 値下げを予定している商品は、その前の数週間は価格を動かさない
- 確認はログアウトした別ブラウザで、お客様と同じ条件で見る
- 値下げの可否は、表示より利益が残るかで判断する
値引きの表示が出ないまま値下げを続けているなら、一度手を止めて、上の順番で原因を確かめてください。価格と利益の組み立てから見直したい場合は、無料診断や相談窓口をご利用ください。
