セラーセントラルのビジネスレポートを開くと、セッション数、ページビュー、ユニットセッション率、カートボックス獲得率、注文商品売上……と、数字がずらりと並びます。全部を毎週見比べるのは現実的ではありませんし、どれが大事なのか分からないまま閉じてしまう人も多いはずです。
Amazon ビジネスレポートの見方は、売上を「来た人の数」「買った人の割合」「カートを取れていた割合」に分けて追うことに尽きます。この3つが分かれば、売上が落ちたときに、集客・商品ページ・価格や在庫のどこを直せばよいかが決まります。
この記事では、毎週追う3つの数字、ASIN別の見方、数字が落ちたときの対応表、週次の記録の型を順にまとめます。レポートの項目名や画面の構成は変わることがあるので、セラーセントラルの最新の表示に読み替えてください。
Amazonビジネスレポートで追う3つの数字
ビジネスレポートの数字は多いですが、売上は次の式でおおよそ分解できます。
売上 ≒ セッション数 × ユニットセッション率 × 平均単価
そのうえで、セッションがあってもカートが取れていなければ売れないので、カートボックス獲得率を加えた3つを追います。
| 数字 | 何を表すか | 落ちたときに疑う所 |
|---|---|---|
| セッション数 | 商品ページを訪れた人の数(同じ人の複数回の閲覧はまとめて数える) | 検索順位、広告の配信、季節の需要 |
| ユニットセッション率 | 訪れた人のうち、買った割合(転換率) | 価格、レビュー、メイン画像、商品ページの中身 |
| カートボックス獲得率 | ページが見られたときに、自社がカートを取れていた割合 | 価格、在庫、配送条件、他の出品者 |
ページビューや注文品目数も表示されますが、毎週追う数字としてはこの3つで十分です。ほかの数字は、3つのどれかが動いたときに原因を探るために見ます。
期間と単位をそろえる
数字を比べるときに大事なのは、期間と単位をそろえることです。そろっていないと、落ちたのか、たまたまなのかの区別がつきません。
- 期間は週単位で、同じ曜日から始める。 月曜〜日曜のように固定します。日単位はぶれが大きく、月単位は気づくのが遅れます
- 比べる相手は「前週」と「前年同週」の2つ。 前週との比較で急な変化に、前年同週との比較で季節の影響に気づけます
- 全体とASIN別の両方を見る。 全体の数字が横ばいでも、主力が落ちて別の商品が伸びていることがあります
ビジネスレポートの日付別の画面で全体の推移を見て、ASIN別の詳細ページ(親商品別・子商品別)で商品ごとの数字を見ます。バリエーションがある商品は、親商品でまとめて見てから、気になる子商品を個別に開きます。
ASIN別に見て落ちた商品を見つける手順
全体の数字が落ちたときは、次の順でASIN別に掘り下げます。
- ASIN別の詳細ページを、今週と前週で2回出す。 それぞれ表計算に貼り付けます
- 売上の差が大きい順に並べる。 落ちた額が大きい商品から見ます。全体の落ち込みの大半は、上位数商品で説明できることが多いです
- 落ちた商品ごとに、3つの数字のどれが動いたかを見る。 セッションか、ユニットセッション率か、カートボックス獲得率か
- 動いた数字に対応する所を確認する。 次の節の対応表を使います
- 確認した内容と打ち手を記録する。 翌週、同じ商品の数字が戻ったかを見ます
仮に、ある商品の売上が前週より3割落ちたとします。セッション数は横ばいで、ユニットセッション率が10%から7%に下がっていれば、来ている人は同じなのに買われなくなったということです。この場合、広告を増やしても売上は戻りにくく、価格やレビュー、ページの中身を先に確認します。(数値は説明のための仮の例です)
数字が落ちたときにどこを直すか
3つの数字それぞれについて、落ちたときに確認する所と、関連する記事をまとめます。
| 落ちた数字 | まず確認すること | 次に確認すること | 詳しい手順 |
|---|---|---|---|
| セッション数 | 主要な検索語での順位、広告の配信状況(予算切れ・停止) | 季節の需要の変化、競合の新商品 | 検索クエリパフォーマンスの見方 |
| ユニットセッション率 | 価格の変化(自社と競合)、新しい低評価レビュー | メイン画像・商品名・在庫の表示 | 転換率を上げる手順 |
| カートボックス獲得率 | 在庫切れ・在庫僅少、価格が他の出品者より高くないか | 配送条件、アカウントの指標 | カートボックスが取れない原因 |
3つのうち2つ以上が同時に落ちている場合は、在庫切れを最初に疑います。在庫が切れるとカートが取れず、検索での表示も落ち、セッションと転換率が連動して下がるためです。売上が落ちたときの全体の切り分けは、売上が伸びない原因の切り分けでも同じ考え方で整理しています。
広告の数字と一緒に見る
ビジネスレポートの数字には、広告経由の訪問と購入も含まれています。広告を増やした週にセッション数が伸びても、それが広告の分だけなのか、自然検索も伸びたのかはビジネスレポートだけでは分かりません。
そこで、広告の管理画面で同じ週の広告経由のクリック数と売上を出し、ビジネスレポートの数字から差し引いて見ます。
- 全体のセッション数 − 広告のクリック数 で、広告以外の訪問のおおよその動きをつかむ(クリック数とセッション数は数え方が違うので、目安として扱う)
- 全体の売上 − 広告経由の売上 で、広告以外の売上の動きを見る
広告を止めた週や絞った週に、広告以外の売上がどう動いたかを見ると、広告が自然検索をどれだけ支えていたかの手がかりになります。広告と全体の数字の組み合わせ方は、広告の効果測定(ACOS・TACOS・自然検索)で詳しく扱っています。
週次の記録の型
毎週の確認は、次のような表に1行ずつ書き足していけば十分です。
| 週 | セッション数 | ユニットセッション率 | カートボックス獲得率 | 売上 | 動いた商品と打ち手 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10/6〜10/12 | 前週比 −5% | 前週と同水準 | 前週と同水準 | 前週比 −4% | 主力Aのセッション減。検索語の順位を確認 |
| 10/13〜10/19 | 前週比 +3% | 前週比 −2pt | 前週比 −8pt | 前週比 −6% | 商品Bが在庫僅少でカート落ち。追加納品 |
(表の数値は記入例です)
数字は変化の向きと幅だけ書き、「動いた商品と打ち手」の列に原因と対応を書くのがポイントです。数か月分たまると、どの打ち手が効いたかを振り返れます。売上と一緒に1個あたりの利益も追いたい場合は、利益シミュレーターで商品ごとの利益を出しておくと、売上が伸びても利益が減っている、という状態に気づけます。
よくある質問
セッション数とページビューはどちらを見ればよいですか。 毎週追うのはセッション数で十分です。ページビューは同じ人が何度も見た分も数えるため、比較の購入検討で行き来が多い商品ほど大きく出ます。ページビューがセッション数に比べて急に増えた場合は、迷って何度も見比べられている可能性があるので、商品ページの分かりにくさを疑う手がかりにします。
ユニットセッション率は何%あれば良いですか。 カテゴリー・価格帯・商品の性質で大きく変わるので、一律の目安はありません。自社の商品の過去の水準と比べて、上がったか下がったかで判断してください。同じカテゴリーで似た価格帯の自社商品が複数あれば、それらと比べるのも有効です。
ビジネスレポートの数字はいつ確定しますか。 直近の数日分は、後から数字が修正されることがあります。週次で見るときは、集計する週が終わってから数日おいて出すと、ぶれの少ない数字で比べられます。曜日を決めて同じタイミングで出すようにしてください。
まとめ
- Amazon ビジネスレポートの見方は、売上を3つの数字に分けて追うこと
- 追うのはセッション数・ユニットセッション率・カートボックス獲得率の3つ
- 期間は週単位でそろえ、前週と前年同週の2つと比べる
- 全体が落ちたらASIN別に掘り下げ、落ちた額の大きい商品から3つの数字のどれが動いたかを見る
- 3つのうち2つ以上が同時に落ちたら、在庫切れを最初に疑う
- 広告の数字を差し引いて、広告以外の訪問と売上の動きも見る
- 週次の記録には、数字の変化と「動いた商品と打ち手」を1行で残す
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