売れない理由を探すとき、多くの人は「順位が低いから」で止まってしまいます。ところが実際に起きていることは、もっと手前だったり、もっと後ろだったりします。そもそも表示されていないのか、表示はされているのにクリックされないのか、クリックはされるのに買われないのか。この3つは原因も打ち手もまったく違います。
これを検索語ごとに分けて見られるのが、ブランド分析のなかの検索クエリパフォーマンスです。この記事では、この表のどこを、どの順番で見て、何を直すと決めるのかを書きます。ブランド分析そのものの全体像はブランド分析の使い方にまとめています。
画面の名称や列の構成は更新されることがあるので、項目名はセラーセントラルの最新の案内で確認してください。
この表は何が並んでいるのか
検索クエリパフォーマンスは、検索語(クエリ)を行にして、買われるまでの段階を列に並べた表です。段階はおおむね次の4つに分かれます。
- 表示:その検索語の検索結果に商品が出た回数
- クリック:その結果から商品が選ばれた回数
- カートに追加:クリックしたあとカートに入った回数
- 購入:実際に注文に至った回数
そして、それぞれの段について市場全体の数と、自社の数と、自社の割合(シェア)が並びます。ここが広告レポートとの決定的な違いです。広告レポートは自社の件数しか出ないので、「クリック300回」が多いのか少ないのか判断できません。この表なら、同じ語で全体が10,000クリックあるうちの300なのか、1,000のうちの300なのかが分かります。
広告経由だけでなく自然検索の分も含まれる点も重要です。広告を止めている語の実力もここで測れます。
4つの段のどこで落ちているかを絞り込む
読み方の型は決まっています。上から順に、シェアが大きく落ちる段を探すだけです。
| 落ちている段 | 症状 | 主な原因 | 先に直すもの |
|---|---|---|---|
| 表示のシェアが低い | そもそも出ていない | 順位が低い。広告を出していない。語がページにない | 広告の入札と語の追加。商品名と商品仕様 |
| 表示はあるがクリックのシェアが低い | 出ているが選ばれない | メイン画像・価格・レビュー・配送日数 | メイン画像と価格 |
| クリックはあるがカート追加が低い | 詳細を見て離脱 | サブ画像・商品説明・仕様の不足 | サブ画像と箇条書き |
| カートに入るのに購入が低い | 最後で止まる | 送料・納期・在庫・バリエーション選択 | 配送設計と在庫 |
この順番が大事です。下の段から直しても効きません。表示が取れていない語のページをいくら磨いても、見る人がいないので数字は動きません。逆に、表示もクリックも取れているのに買われていない語は、入札を上げると赤字が増えるだけです。
判断の例を1つ挙げます。仮に、ある語の市場全体が表示100,000回・クリック4,000回で、自社が表示3,000回(シェア3%)・クリック40回(シェア1%)だったとします。表示シェア3%に対してクリックシェアが1%まで落ちているので、出てはいるが選ばれていない状態です。この語で入札を上げると、選ばれないままクリック単価だけが上がります。先に手を入れるのはメイン画像と価格です。作り方はメイン画像で購入率を上げるにまとめています。
もう1つ。表示シェアが0.2%、クリックシェアも0.2%、購入シェアが0.5%という語があったとします。見られた分はきちんと買われているのに、そもそも出ていません。ここは広告の入札を上げる価値がある語です。切り出し方はキーワード選定の手順に書いています。
シェアを見るときの基準の置き方
シェアには「何%あれば合格」という共通の基準がありません。市場の大きさと競合の数で変わるためです。基準は自社のなかで作ります。
置き方は2つあります。
1つめは、段の間の落ち方で見る方法です。 表示シェアに対してクリックシェアが半分以下、クリックシェアに対して購入シェアが半分以下、といった落ち方をしている段が、その語の詰まりです。実数ではなく段の間の比で見るので、市場の大きさに左右されません。
2つめは、自社の主力語との比較です。 すでに売れている語のシェアの並びを基準線にして、他の語を当てはめます。同じ商品なら画像もページも同じなので、極端にずれている語は「語と商品が噛み合っていない」可能性が高くなります。
| 見る軸 | 良い状態 | 注意する状態 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 表示 → クリック | 大きく落ちない | 半分以下に落ちる | 画像・価格・レビューを疑う |
| クリック → カート追加 | 大きく落ちない | 半分以下に落ちる | サブ画像・説明・仕様を疑う |
| カート追加 → 購入 | ほぼ維持 | 目に見えて落ちる | 送料・納期・在庫を疑う |
| 主力語との比較 | 並びが似ている | 特定の段だけ極端に低い | 語と商品の噛み合いを疑う |
カート追加から購入で落ちている場合は、広告でもページでもなく配送や在庫であることが多いです。送料の設計は送料の設計、在庫を切らしたときの影響は在庫切れと発注の基準にまとめています。
記録の仕方と、見直す頻度
この表は毎日見るものではありません。週次で主力語だけを記録し、傾向で判断します。
記録する項目は次の5つで足ります。
- 検索語
- 表示シェア
- クリックシェア
- カート追加シェア
- 購入シェア
これを主力5〜10語ぶん、週ごとに1行追加していきます。表計算ソフトで十分です。3〜4週たまると、上がっているのか下がっているのかが読めるようになります。単週の値で判断すると、曜日の偏りやセールの影響を実力と取り違えます。
見直しのサイクルは次のとおりです。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 毎週 | 主力語のシェアを記録。前週から大きく動いた語に印を付ける |
| 隔週 | 印が付いた語を1つ選び、落ちている段に対する打ち手を1つだけ実行する |
| 毎月 | 4週分を並べて傾向を見る。語の入れ替えを検討する |
| 打ち手のあと | 2週間は触らない。効いたかどうかを同じ表で確認する |
同じ週に複数の打ち手を実行しないでください。入札も価格も画像も動かすと、良くなっても悪くなっても原因が分かりません。効果測定の考え方は広告の効果測定にまとめています。
数字が動かないまま数か月たつ場合は、語そのものの選び方から見直す必要があります。集め方はキーワードの集め方、検索まわりの前提はAmazonのSEOの基本を参照してください。広告費が目標に対して重いなら、先に除外キーワードの決め方で無駄を止めるほうが早く効きます。
自社の数字のどこに詰まりがあるか判断がつかない場合は、無料診断で現状を整理できます。商品ページ側の作り直しから任せたい場合はAmazon運用代行に範囲を書いています。
よくある質問
検索クエリパフォーマンスと、広告の検索用語レポートは何が違いますか。 対象の範囲が違います。広告の検索用語レポートは、広告が表示された分だけを集計します。検索クエリパフォーマンスは、広告と自然検索を合わせた動きと、市場全体のなかでの自社の割合が出ます。日々の入札や除外の操作は検索用語レポートで、語ごとの立ち位置の把握は検索クエリパフォーマンスで、と役割を分けてください。数字は一致しないのが普通です。
データが出ない語があります。なぜですか。 件数が少ない語は、集計の対象から外れることがあります。また表示される範囲が自社ブランドに関係する語に絞られるため、まったく関わりのない語は並びません。出ていない語を追いかけるより、出ている語のなかで詰まりのある段を直すほうが先です。
購入シェアがクリックシェアより高いのは良い状態ですか。 見られた分はよく買われている、という意味なので、その語自体との相性は良いと読めます。この状態で表示シェアが低いなら、露出を増やす価値があります。入札を上げる、その語を完全一致で切り出す、商品名や商品仕様にその語を入れる、といった打ち手が候補になります。ただし在庫が薄いときに露出だけ増やすと、途中で切れて順位まで落ちるので、在庫日数を先に確認してください。
どのくらいの期間で結果を判断すればよいですか。 打ち手を1つ実行したら、2週間は触らずに同じ表で比べてください。1週間だと曜日の偏りが残り、3日では何も分かりません。セール期間を挟んだ場合は、その週に印を付けて、条件の違う週どうしを比べないようにします。
まとめ
- この表は、検索語ごとに表示・クリック・カート追加・購入の4段と自社シェアが並ぶ
- 読み方は上から順に、シェアが大きく落ちる段を探すだけ
- 表示が取れていない語のページを磨いても数字は動かない。順番を守る
- 表示は取れているのにクリックが落ちる語は、画像と価格を先に直す
- カート追加から購入で落ちる語は、送料・納期・在庫を疑う
- シェアの合格ラインは市場で変わる。段の間の落ち方と主力語との比較で基準を作る
- 記録は週次で主力5〜10語。打ち手は1回に1つ、2週間は触らない
まずは主力商品1つを選び、主力5語の4段のシェアを書き出してください。どの段で落ちているかが見えたら、直す場所は自動的に決まります。読み取りの優先順位から相談したい場合は、ご相談からお知らせください。
