自社の商品をAmazonで売り始めようとして、商品登録の画面で「商品コード(JAN)」の入力欄に止まる。オリジナル商品やOEM商品を初めて出す方の多くが、ここでつまずきます。

JANコードは、買ってくるものではなく、事業者として番号の枠を申請し、その枠の中で自社の商品に番号を割り当てるものです。この仕組みを知らずに、ネットで安く売られている番号を買って登録し、後から商品ページが止まる例もあります。

この記事では、Amazon JANコード 取得の手順を申請から登録まで順に書き、必要な番号の数の見積もり方、そしてJAN免除(コードなしで登録する申請)を使ってよい場合を整理します。商品登録そのものの流れは商品登録の手順にまとめています。

JANコードとは何か。Amazonで求められる理由

JANコードは、商品を世界共通で識別するための13桁(または8桁)の番号です。国際的にはGTINと呼ばれる番号の一種で、Amazonの商品登録画面で「商品コード」「GTIN」と書かれている欄に入れるのがこの番号です。

13桁の中身は次の3つでできています。

部分桁数意味
事業者コード9桁または10桁申請した事業者に割り当てられる番号
商品アイテムコード3桁または2桁事業者が自社の商品ごとに割り当てる番号
チェックデジット1桁読み取りの誤りを防ぐための計算で決まる数字

事業者コードが9桁なら商品アイテムコードは3桁で、最大1,000種類の商品に番号を振れます。10桁なら2桁で、最大100種類です。どちらになるかは申請時の区分で決まります。

Amazonが商品コードを求めるのは、同じ商品に複数の商品ページが乱立するのを防ぐためです。番号が同じなら同じ商品として1つのページにまとめられます。だからこそ、他社が登録した番号や、登録情報と中身が合わない番号を使うと、ページが別商品に紐づいたり、登録が止まったりします。

Amazon JANコード取得の手順

取得から商品登録までの流れは次のとおりです。

  1. JANコードの登録機関に、事業者コードの利用を申請する(オンラインで申し込める)
  2. 申請料を支払う
  3. 事業者コードが発行される(発行までの日数は時期で変わるので、商品登録の予定から逆算して早めに申し込む)
  4. 自社の商品ごとに商品アイテムコードを割り当て、管理表に記録する
  5. チェックデジットを計算して13桁を確定する
  6. 13桁からバーコードの画像を作り、パッケージや商品ラベルに印刷する
  7. 登録機関のデータベースに、商品名やブランド名などの商品情報を登録する
  8. Amazonの商品登録画面で、その13桁を商品コードとして入力する

申請料は事業者の年間売上高の区分で変わり、登録には有効期間と更新の手続きがあります。 金額と期間はこの記事では書きません。登録機関の最新の案内で確認してください。更新を忘れると番号が使えなくなる扱いになるので、更新の時期は社内の予定表に入れておきます。

7番目の商品情報の登録は省かれがちですが、Amazonの登録時に、入力した番号の事業者名やブランド名が登録機関のデータと照合されることがあります。照合で食い違うと、登録が止まる原因になります。ブランド名は、Amazonに登録する表記と同じにそろえておくのが安全です。

番号の割り当てで決めておくこと

4番目の割り当ては、事業者に任されています。後から混乱しないよう、最初に次を決めておきます。

  • 管理表の列:番号、商品名、色、サイズ、内容量、割り当てた日、販売開始日、廃番日
  • 番号の振り方:商品シリーズごとに番号の範囲を分けておくと、後から見て分かりやすい
  • 一度使った番号は、廃番後も別の商品に使い回さない

使い回しは避けてください。古い番号がAmazonや他の販売先のデータに残っていると、新しい商品が古い商品のページに紐づいてしまいます。

必要なコードの数を見積もる

申請の区分を選ぶ前に、何種類分の番号が必要かを見積もります。数え漏れやすいのは次の4つです。

数える対象考え方例(仮定)
単品中身が違う商品ごとに1つ3商品 → 3つ
バリエーション色・サイズの組み合わせごとに1つ1商品が3色×4サイズ → 12個
セット・まとめ売り2個セット、3個セットなど、売る単位ごとに1つ2個セットと3個セット → 2つ
仕様変更容量や内容物を変えたら新しい番号にするのが原則年1回の改良を3年 → 将来分を見込む

仮に、3商品のうち1商品だけが3色×4サイズで、その他2商品にそれぞれ2個セットを用意するとします。単品2つ、バリエーション12個、セット2つで、いま必要なのは16個です。そこに今後3年で新商品と仕様変更が10種類ほど出ると見込めば、26個前後になります。

この規模なら100種類の枠で足ります。ただし、色やサイズの多い衣料品や雑貨では、1商品で数十個の番号を使うことも珍しくありません。3年後の商品数×バリエーション数で見積もり、100を超えそうなら大きい枠を選ぶと、途中で申請し直す手間を避けられます。バリエーションの組み方はバリエーションの設計に書いています。

番号を買ってはいけない理由

ネット上では、JANコードを1つ数百円程度で売っている業者が見つかることがあります。これは避けてください。理由は3つです。

事業者名が自社にならない。 買った番号は、もともと別の事業者に割り当てられた枠の一部です。登録機関のデータでは別の事業者の番号なので、Amazonの照合でブランド名と一致せず、登録が止まることがあります。

すでに使われている可能性がある。 同じ番号が他の商品に使われていると、自社の商品が他社の商品ページに紐づきます。お客様には別の商品が届くことになり、評価の低下や出品停止につながります。

ブランド登録との相性が悪い。 ブランド登録をして自社で商品ページを管理したい場合、番号の持ち主が自社でないことは不利に働きます。ブランド登録の利点はブランド登録のメリットにまとめています。

申請料を惜しんで番号を買い、後から登録し直すと、商品ページの作り直しとレビューの引き継ぎで、申請料よりはるかに大きな手間がかかります。

JAN免除を申請するかの判断

AmazonにはJANコードがない商品を登録するための、商品コードの免除(GTIN免除)の申請があります。セラーセントラルから、ブランド名とカテゴリーを選び、バーコードの付いていないパッケージや商品の画像を添えて申請します。認められると、そのブランドとカテゴリーの組み合わせで、商品コードなしで登録できるようになります。

便利に見えますが、使ってよい場面は限られます。

比べる点JANコードを取得JAN免除で登録
他のモール・実店舗・卸での販売そのまま使える改めてコードが要ることが多い
初期の費用申請料と更新料がかかる申請自体に費用はかからない
準備の手間申請・割り当て・バーコード印刷画像をそろえて申請するだけ
他社に同じ商品を出品されたとき番号で同一商品として扱われる商品ページの管理が難しくなることがある
向く場面販路を広げる予定がある、商品数が増えるAmazonだけで売る手作り品や少量の自社品

判断の目安は、3年以内にAmazon以外で売る予定があるかどうかです。楽天市場などの他モール、実店舗への卸、展示会での取引のどれかが視野にあるなら、最初からJANコードを取ってください。取引先の多くは、受け入れの条件にJANコードを求めます。後から番号を取ると、Amazonでは別の商品ページを作り直すことになりかねません。

逆に、手作りの一点物に近い商品や、Amazonだけで少量を売り続ける前提なら、免除で始めるのも選択肢です。その場合も、免除はブランドとカテゴリーの組み合わせごとに申請が要るので、カテゴリーを広げるたびに申請し直すことを見込んでおきます。

FBAに納品するときのバーコード

JANコードを取っても、FBAに納品するときは別のラベルが要る場合があります。FBAでは、Amazonが商品ごとに発行するFBA用の商品ラベルを貼るのが基本です。メーカーのバーコードのまま納品できる設定もありますが、使える条件があり、同じ番号の商品をほかの出品者が納品していると在庫が混ざる可能性もあります。

自社で商品ページを管理する商品なら、FBA用の商品ラベルを貼る運用のほうが在庫の取り違えを防げます。ラベル貼りの手間は、納品の工程に組み込んでおきます。納品の流れはFBA納品の実務で説明しています。

よくある質問

OEMで作った商品は、製造元のJANコードを使ってよいですか。 製造元が自社の番号を付けている場合、その番号は製造元の事業者として登録されています。自社ブランドとしてAmazonで売るなら、自社で事業者コードを取り、自社の番号を付け直すほうが後々の管理が楽です。製造元と相談のうえ、パッケージの印刷前に番号を決めておきます。OEMの進め方はOEMの始め方にまとめています。

色違いの商品に、同じJANコードを使ってもよいですか。 使わないでください。色やサイズが違えば、お客様にとっては別の商品です。同じ番号にすると、Amazonではどの色が注文されたのか区別できなくなり、別の色が届く原因になります。バリエーションの子商品ごとに1つずつ番号を割り当てます。

JAN免除で登録した後に、JANコードを取りました。切り替えられますか。 既存の商品ページに後から番号を追加できる場合と、新しいページとして登録し直す必要がある場合があります。登録し直すとレビューや販売実績が引き継がれないことがあるので、切り替えは慎重に判断してください。免除で始めるかを決める段階で、将来の販路まで考えておくのが一番の対策です。

まとめ

  • JANコードは買うものではなく、事業者コードを申請して自社の商品に番号を割り当てるもの
  • 手順は申請→発行→割り当て→チェックデジット→バーコード作成→商品情報の登録→Amazonでの入力
  • 申請料は年間売上高の区分で変わり、更新の手続きもある。最新の案内で確認する
  • 必要な数は、単品・バリエーション・セット・仕様変更まで数え、3年後の規模で見積もる
  • ネットで売られている番号は、照合で止まる・他社商品に紐づく危険があるので使わない
  • JAN免除は、Amazonだけで少量を売り続ける場合に限って考える。他の販路の予定があれば最初から取る

これから最初の商品を出す段階なら、JANコードの準備と並行して、商品ページと在庫の段取りも決めておくと立ち上げが早くなります。準備の全体像は出品の準備に、立ち上げから任せたい場合の範囲はAmazon運用代行の内容にまとめています。どこから手を付けるか迷う場合は無料の運用診断をお使いください。