Amazonで売ると決めたあと、最初に手を動かしたくなるのは商品ページの登録です。ところが、登録画面を開いてから価格や発送方法を考え始めると、途中で原価が合わないと分かって作り直すことになります。

Amazon 出品 準備で大事なのは、作業の量より決める順番です。売価と原価が決まらないと広告費の上限が決まらず、発送方法が決まらないと手数料が読めません。この記事では、出品ボタンを押す前に決めておく10項目を、決める順番に並べます。数字はすべて仮の例です。自社の条件に置き換えて読んでください。

Amazon 出品 準備の全体像:10項目を3つの段階で決める

10項目は「お金」「売り場」「動かし方」の3段階に分けると、どこで止まっているかが分かります。

段階決める項目決まっていないと起きること
お金1. 売価 2. 1個あたりの原価 3. 残したい粗利売れるほど赤字になる
売り場4. アカウントの種類 5. ブランドと商品コード 6. 商品名と検索語 7. 画像と説明の素材登録が差し戻される。検索に出ない
動かし方8. 発送方法 9. 初回の在庫数 10. 広告の初期予算と期間在庫切れ、または広告費だけが出ていく

上の段が決まらないうちに下の段へ進まないことが、手戻りを減らすいちばんの近道です。

お金:売価・原価・粗利を先に決める

1. 売価

売価は、競合の価格帯を見て「どの位置に置くか」で決めます。いちばん安い価格帯に入るのか、中央に置いて品質で選ばれるのか。位置が決まると、ページで何を伝えるかも決まります。決め方はAmazonでの価格の決め方に書きました。

2. 1個あたりの原価

仕入れ値だけでは足りません。国際送料、関税と消費税、検品や梱包の費用、国内の倉庫までの送料を足した「着地原価」で考えます。海外から仕入れる場合の積み上げ方は着地原価の出し方にまとめています。

3. 残したい粗利

売価から原価とAmazonの手数料を引いた残りが粗利です。仮に売価3,000円、着地原価900円、販売手数料と配送の手数料の合計を900円とすると、広告費を払う前の粗利は1,200円、粗利率は40%です。この1,200円が、1個売るために使える広告費の上限になります。

手数料率とFBAの料金はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してください。売価・原価・手数料を入れると残る金額が出る利益シミュレーターも使えます。

売り場:アカウント・ブランド・ページの素材

4. アカウントの種類

出品用アカウントには、月額の登録料がかかる形と、1点売れるごとに基本料がかかる形があります。月に売る点数の見込みで向く方が変わります。登録料の金額と使える機能の違いは、申し込む前にセラーセントラルの案内で確認してください。広告を使う予定があるなら、使える形かどうかも先に見ておきます。

5. ブランドと商品コード

自社ブランドで売るなら、商標の出願状況と、Amazonのブランド登録に進めるかを確認します。ブランド登録をすると、A+や一部の広告、ブランド分析が使えるようになります。詳しくはブランド登録で何ができるようになるかを見てください。あわせて、商品コード(JANコードなど)を用意するか、免除の申請をするかも決めておきます。

6. 商品名と検索語

お客さんが検索窓に打つ言葉を先に集め、商品名の前半に何を置くかを決めます。登録してから直すこともできますが、最初の数週間に集まる販売データは最初の商品名で取られます。集め方はキーワードの集め方、並べ方は商品名の書き方にあります。

7. 画像と説明の素材

メイン画像1枚、サブ画像6枚前後、箇条書き5行、商品説明。この4つの素材を登録前にそろえます。撮影や制作に1〜3週間かかることが多いので、在庫の手配と並行して進めるのが現実的です。

動かし方:発送・在庫・広告

8. 発送方法

自社で発送するか、FBA(Amazonの倉庫に預けて発送を任せる仕組み)を使うかを決めます。FBAは配送の手数料と保管料がかかる代わりに、配送の早さが表示で伝わります。サイズが大きい商品や回転が遅い商品は、保管料が重くなりやすいので試算してから決めます。納品の流れはFBA納品の手順を見てください。

9. 初回の在庫数

初回は「売り切れない量」より「売れ残っても耐えられる量」で決めます。仮に1日3個売れる見込みで、次の入荷まで40日かかるなら、必要な在庫は120個です。これに見込み違いの幅を2〜3割のせておきます。日販とリードタイムから数量を出す発注数の計算ツールで試算できます。

10. 広告の初期予算と期間

新商品は、広告なしでは検索結果にほとんど出ません。最初の1か月の広告予算と、その予算で何を確かめるか(どの検索語で売れるか)を決めておきます。1で出した粗利1,200円を超える広告費を1個に使っている状態が続くなら、一度立ち止まる目安になります。発売後の動き方は新商品の立ち上げ90日でやることに続けて書いています。

準備不足で起きやすい失敗

どれも、順番を飛ばしたことが原因です。

  • 原価を仕入れ値だけで計算していた。 送料と関税を足したら粗利がほとんど残らず、広告を出せない
  • 画像がそろう前に在庫を送った。 在庫はあるのにページが弱く、保管料だけがかかる
  • 初回在庫を多く積みすぎた。 売れ行きが見込みの半分で、数か月分が倉庫に残る
  • 広告予算を決めずに始めた。 売れない検索語にクリック代を払い続け、1か月で予算が消える

開始前の点検表

出品ボタンを押す前に、次の問いにすべて答えられるかを確認します。

確認すること答えられればOK
売価と、その位置を選んだ理由競合の価格帯のどこに置くかを言える
着地原価送料・関税・梱包費まで含めた1個あたりの金額
1個あたりの広告費の上限粗利の金額として出ている
商品名の前半に入れる検索語3語程度が決まっている
画像と箇条書きメイン・サブ・5行がそろっている
初回の在庫数と次の発注日日販の見込みとリードタイムから出ている
最初の1か月の広告予算金額と、確かめたいことが決まっている

よくある質問

準備にはどれくらいの期間を見ておけばよいですか。 商品がすでに手元にあるなら、素材の制作と登録で1か月前後が一つの目安です。海外から仕入れる場合は、発注から国内着までの日数がそれに加わります。画像の制作と仕入れを並行して進めると短くなります。

まずは少量で試してから、きちんと準備すればよいのでは。 少量で始めること自体は問題ありません。ただ、売価と原価だけは少量でも先に決めてください。赤字の価格で売れた実績は、あとで値上げするときの足かせになります。

全部を自社でそろえるのが難しい場合はどうすればよいですか。 お金の段階(売価・原価・粗利)だけは自社で決め、売り場の素材づくりや広告の設計は外に頼む分け方もあります。どこが弱いかを先に整理したい場合は、無料の運用診断を使ってください。

まとめ

  • Amazon 出品 準備は、作業の量より決める順番が大事
  • 10項目を「お金」「売り場」「動かし方」の3段階で決める
  • 売価・着地原価・粗利を最初に決め、1個あたりの広告費の上限を出す
  • 手数料はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、最新の案内と自社の実数で確認する
  • 画像と説明の素材は在庫の手配と並行して進める
  • 初回の在庫は、売れ残っても耐えられる量で決める
  • 開始前の点検表にすべて答えられてから出品する

次は、発売後90日の動き方を新商品の立ち上げ90日でやることで確認してください。当社の支援の範囲と料金は料金プランに、個別の相談はお問い合わせから受け付けています。