Amazon広告の請求を見て、管理画面の広告費と金額が合わない。経理から「この差は何ですか」と聞かれて答えられない。広告を回している出品者なら、一度はぶつかる場面です。

結論から言うと、Amazon広告 請求の金額と管理画面の広告費がずれるのは、多くの場合「数えている期間」と「数えている範囲」が違うからです。誤請求ではなく、仕組みの違いで説明がつくことがほとんどです。

この記事では、ずれが生まれる5つの理由と、月末に請求と広告費を照合する手順をまとめます。画面の名前や請求の条件は変わることがあるので、細かい点は広告管理画面の最新の案内で確かめてください。

Amazon広告の請求の仕組み

照合の前に、請求がどう発生しているかを押さえます。

広告費はクリックが発生した時点で積み上がりますが、請求はクリックのたびではなく、まとめて行われます。一定額に達したときや、月の区切りなどで締めて請求される形です。そのため、請求1件がカバーする期間は「1日〜月末」のようなきれいな区切りになるとは限りません。

支払い方法も、登録したクレジットカードに請求される形と、出品で得た売上金から差し引かれる形があります。どちらを使っているかで、確認する画面が変わります。

確認したいこと見る場所の例分かること
何日に何円使ったか広告管理画面のキャンペーン一覧・レポートクリックが発生した日ごとの広告費
いつ・いくら請求されたか広告管理画面の請求・支払いの履歴請求日、請求額、請求の対象期間
売上金から引かれた額セラーセントラルのペイメント(取引明細)精算ごとに差し引かれた広告費
カードに請求された額カード会社の明細決済日と決済額

この4つは、同じ広告費を別の切り口で数えたものです。見る場所ごとに締め日が違うので、数字が一致しないのが普通だと考えてください。

請求額と管理画面の広告費がずれる5つの理由

1. 請求の締めと月の区切りが違う

いちばん多い原因です。請求は一定額に達した時点で発生することがあるため、たとえば「10月25日〜11月3日」のように月をまたいだ請求が出ます。

管理画面で10月1日〜31日の広告費を出しても、10月中に発行された請求の合計とは一致しません。月をまたいだ請求の分だけ、ずれます。

2. 無効なクリックの調整

不正なクリックや重複したクリックと判断されたものは、あとから広告費の対象外として調整されることがあります。管理画面の数字は日がたつと少し減ることがあり、請求時点の金額と差が出ます。

3. 税の扱いが違う

管理画面の広告費は税抜きで表示され、請求は税を含む、といったように表示の基準が違うことがあります。差額がおおむね一定の比率になっているなら、まず税の表示を疑ってください。実際の扱いは請求書の記載で確かめます。

4. 広告の種類やアカウントの範囲が違う

管理画面で見ているのがスポンサープロダクト広告だけで、請求にはスポンサーブランド広告やスポンサーディスプレイ広告の分も含まれている、というずれです。複数のマーケットプレイスや複数のブランドを1つの支払い方法で払っている場合も、範囲が合いません。広告の種類の違いはSP・SB・SDの違いにまとめています。

5. データの反映が遅れている

月末に出したレポートは、直近1〜2日分がまだ確定していないことがあります。月が明けてから同じ期間を出し直すと、数字が少し増えている。これもよくあるずれです。月次の締めは、月が明けて数日たってから行うほうが安全です。

理由ずれ方の特徴見分け方
締めの違い月によって差が大きくぶれる請求の対象期間が月をまたいでいるか
無効クリックの調整管理画面のほうが少し小さい同じ期間を日をおいて出し直すと減っている
税の扱い差額がほぼ一定の比率請求書の税の記載
範囲の違い請求のほうがまとまって大きい広告の種類・アカウントの内訳
反映の遅れ月末直後に出すとずれる数日後に出し直すと埋まる

月末に請求と広告費を照合する4つの手順

ずれの理由が分かれば、照合は手順にできます。月に1回、30分ほどで終わる作業です。

  1. 請求の一覧を出す:請求・支払いの履歴から、その月に発行された請求をすべて書き出す。請求日・金額・対象期間の3列を並べる
  2. 対象期間で広告費を出し直す:請求ごとの対象期間に合わせて、管理画面の広告費を出す。月単位ではなく、請求の対象期間単位で出すのがポイント
  3. 税を揃える:税抜き・税込みのどちらかに揃えて差額を出す
  4. 残った差額を分類する:差額が残れば、無効クリックの調整か、範囲の違いかを確かめる。説明できない差額だけをメモに残す

仮に、10月に3件の請求があり、合計が330,000円だったとします。管理画面で10月1日〜31日の広告費を出すと290,000円。差額は40,000円です。

請求の対象期間を見ると、1件目が9月27日〜10月8日でした。9月27日〜30日の広告費が25,000円あれば、それは9月の広告費が10月に請求された分です。残りの15,000円は、たとえば税の表示の違いで説明できます。月の合計どうしを比べるのをやめて、請求の対象期間で比べると、差額の大半は消えます。

広告費の月次の数字は、広告の成果を見るうえでも土台になります。レポートの種類と使い分けは広告レポートの見方を参考にしてください。

経理に渡す記録の残し方

照合した結果は、経理担当や税理士に渡せる形で残します。残しておくのは次の5つです。

  • 請求日と請求額(税込み・税抜き)
  • 請求の対象期間
  • 支払い方法(カードか、売上金からの差し引きか)
  • 管理画面の広告費(同じ対象期間で出したもの)
  • 差額と、その理由

売上金から差し引かれている場合、ペイメントの明細では「売上」と「広告費」が相殺されて入金額だけが見えます。入金額だけで帳簿をつけると、広告費が売上から消えてしまいます。広告費を費用として別に立てるために、差し引かれた広告費の額を明細から拾っておきます。

広告費を月ごとに正しく把握しておくと、利益の計算もぶれません。売上に対する広告費の割合(TACOS)を出して利益と並べると、広告がどれだけ利益を削っているかが見えます。考え方はTACOSとは、商品ごとの損益分岐は利益シミュレーターで出せます。

差額が説明できないときの確認先

手順どおりに照合しても説明できない差額が残ることはあります。その場合は、次の順で確かめます。

  1. 支払い方法に、ほかのアカウントやマーケットプレイスの広告が紐づいていないか
  2. 期間中に、止めたつもりのキャンペーンが動いていなかったか
  3. 請求の詳細画面で、請求ごとの内訳(キャンペーン別)が出せないか

それでも分からなければ、広告管理画面のサポート窓口に、請求日・請求額・照合した広告費の3つを添えて問い合わせます。数字をそろえてから聞くと、回答が早くなります。

止めたつもりのキャンペーンが動いていた、という発見は珍しくありません。こうした「埃」をまとめて掃除する方法は広告アカウントの棚卸しに書いています。

よくある質問

請求額が急に増えた月がありました。何を見ればよいですか。 まず請求の件数と対象期間を確認してください。その月だけ請求の件数が多い、あるいは前月分がずれ込んでいる、という締めの違いで説明がつくことが多いです。そのうえで、管理画面の広告費が実際に増えていれば、日予算の変更や入札の引き上げがなかったかを変更履歴で確かめます。

売上金から広告費が引かれていて、入金が少なく見えます。止められますか。 支払い方法はクレジットカードに切り替えられる場合があります。どちらが良いかは資金繰りの都合で決めるものです。売上金からの差し引きは手間が少ない一方、入金額だけを見ていると広告費の大きさに気づきにくくなります。どちらにしても、広告費は月次で別に記録してください。

代行会社に運用を任せている場合、請求の確認は誰がやりますか。 支払い方法が自社名義なら、請求の確認は自社で行うのが基本です。代行会社の月次報告に載っている広告費と、自社に来ている請求を照合し、ずれがあれば理由を聞きます。報告書のどこを見るかは代行会社のレポートの見方にまとめています。

まとめ

  • 請求額と管理画面の広告費は、数えている期間と範囲が違うのでずれるのが普通
  • ずれの理由は、締めの違い・無効クリックの調整・税の扱い・範囲の違い・反映の遅れの5つ
  • 月の合計どうしではなく、請求の対象期間で広告費を出し直して照合する
  • 月次の締めは、月が明けて数日たってから行う
  • 売上金からの差し引きでも、広告費は別に記録して経理に渡す
  • 説明できない差額は、内訳と数字をそろえてから問い合わせる

広告費の数字が正しく取れたら、次は利益とのつながりを確認します。自社の広告費が利益に見合っているか分からない場合は、Amazon運用の無料診断から現状を整理できます。