Amazonで売り始めるとき、最初にいちばん時間がかかるのが「何を売るか」です。候補を調べるほど、どれも売れていそうに見え、どれも競合が強そうに見えてきます。Amazon 最初の商品 選び方で迷う理由の多くは、比べる物差しが決まっていないことにあります。
最初の1商品は、大きく当てるための商品ではありません。仕入れ・出品・広告・発注の流れを一周させ、次の商品を選ぶための実数を取る商品です。そう考えると、見るべき条件は「市場が大きいか」より「赤字を出さずに一周できるか」に変わります。
この記事では、最初の1商品を決めるときの5つの条件と、候補を比べる表の作り方、仕入れ前にやっておく計算を順に書きます。出品そのものの準備はAmazon出品の準備リストにまとめています。
最初の商品で「当てる」を狙わないほうがよい理由
最初の商品で大きな市場を狙うと、つまずく場所が増えます。検索上位はレビューが数百件ある商品で埋まり、広告の入札も高くなりがちです。そこに経験のない状態で入ると、広告費がかさむ一方で、何が原因で売れないのかが分かりません。
一方、最初の商品で本当に得たいものは次の3つです。
- 1個売れたときに、いくら手元に残るかの実数
- 広告1クリックあたりの費用と、何クリックで1個売れるかの実数
- 発注から納品、販売までにかかる日数の実数
この3つは、どの商品で取っても2商品目以降に使えます。だからこそ、最初は失敗しても致命傷にならない規模の商品を選びます。
最初の1商品を選ぶ5つの条件
候補を絞るときは、次の5つを順に確認します。上から順に、満たさない候補を外していきます。
- 小さく軽い:サイズや重量が大きいと、配送料や保管料がかさみ、在庫を抱えたときの負担も重くなります。手のひらから靴箱程度の大きさを目安にします
- 壊れにくく、季節に左右されにくい:割れ物や生もの、特定の季節だけ売れる商品は、返品や売れ残りの読みが難しくなります
- 検索される言葉がはっきりしている:お客様が何と検索するかを1〜2語で言える商品は、商品名や広告のキーワードを決めやすくなります
- 上位の競合に不満のレビューがある:星の低いレビューに同じ不満が繰り返し出ていれば、改善点がそのまま自社の訴求になります。見方は競合レビューの分析で書いています
- 許可や表示の手続きが重くない:出品に許可が必要なカテゴリーや、法律上の表示・届出が必要な商品は、最初の1商品では避けたほうが一周が早く回ります
5つ目は見落としやすい条件です。化粧品、食品、電気製品などは、商品そのものより手続きに時間がかかることがあります。扱うなら、2商品目以降に回すのも一つの判断です。
候補を点数で比べる表を作る
条件を満たした候補が3〜5個残ったら、点数で並べます。感覚で選ぶと、調べた時間の長い商品に気持ちが寄りがちです。
各項目を3点満点で付けます。以下は付け方の例です。
| 項目 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|
| 大きさ・重さ | 小型で軽い | 中型 | 大型または重い |
| 季節・壊れやすさ | 通年で売れて壊れにくい | どちらか一方に不安 | 季節物かつ壊れやすい |
| 検索語の明確さ | 1〜2語で言える | 言い方が複数ある | 何と検索されるか分からない |
| 競合の不満 | 同じ不満が繰り返し出ている | 不満が散らばっている | 不満がほとんど無い |
| 手続きの重さ | 特に無い | 表示の確認が要る | 許可や届出が要る |
| 仮の粗利率 | 30%以上 | 20〜30% | 20%未満 |
合計点の高い順に並べ、上位2つまで絞ってから、次の利益計算に進みます。点数が同じなら、小さく軽いほうを選びます。最初の商品では、在庫の負担が軽いことがそのまま撤退のしやすさになります。
仕入れ前に、利益と在庫の上限を計算する
候補が2つに絞れたら、仕入れる前に1個あたりの利益を計算します。ここで赤字になる商品は、どれだけ売れても手元にお金が残りません。
計算の形を示すため、仮に次の条件を置きます。実際の水準を示すものではありません。
- 売価:2,980円と仮定
- 着地原価(仕入れ値・輸送費・検品などの合計):900円と仮定
- 販売手数料:売価の10%と仮定
- 配送代行の手数料:1個あたり450円と仮定
- 広告費:売上の15%と仮定
この仮定では、手数料298円、配送代行450円、広告費447円、原価900円を引いて、1個あたり885円が残ります。粗利率は約30%です。
販売手数料率や配送代行の料金は、カテゴリー・サイズ・時期で変わります。数字はセラーセントラルの最新の案内と、自社の実際の見積もりで確認してください。費目の分け方は原価の内訳の分け方、目安の考え方は利益率の目安にあります。計算そのものは利益計算ツールで売価と原価を入れると出せます。
もう一つ決めておくのが、最初の仕入れ数の上限です。目安は「売れなくても事業が止まらない金額」から逆算します。仮に最初の仕入れに使える金額を15万円とし、着地原価が900円なら、上限は166個です。そこから、1か月で売り切れなかったときの保管料も見込んで、実際には100個前後から始める、という決め方をします。
最初の商品選びでよくある失敗
最初の商品でつまずく形は、だいたい決まっています。
| 失敗の形 | 起きること | 避け方 |
|---|---|---|
| 自分が好きな商品を選ぶ | 検索数が少なく、広告を出しても表示されない | 検索語の明確さを点数に入れる |
| 売れている商品と同じものを選ぶ | 価格で比べられ、値下げ以外の手が無くなる | 競合の不満から1点だけ変える |
| 最初から大量に仕入れる | 売れ行きが読めず、保管料と資金繰りが重くなる | 仕入れ数の上限を先に決める |
| 大型・重量の商品を選ぶ | 配送料と保管料で利益が消える | 大きさ・重さを最初の足切りにする |
| バリエーションを多く作る | 色やサイズごとに在庫が分散し、欠品と過剰が同時に起きる | 最初は1〜2種類に絞る |
とくに多いのは、売れている商品をそのまま真似するケースです。見た目も仕様も同じなら、お客様は価格とレビュー数で選びます。変える点を1つだけ決めて、それを商品名と画像の1枚目で伝える。最初の商品ではこれで十分です。
よくある質問
最初の商品は、どのくらいの価格帯がよいですか。 一律の答えはありませんが、売価が低すぎると手数料と配送料の比率が大きくなり、利益が残りにくくなります。仮の計算で粗利率が20%を下回る価格帯なら、候補から外すか、原価を見直してから進めてください。
1商品だけで始めるより、複数を同時に出したほうがよいですか。 最初は1〜2商品に絞ることをすすめます。複数を同時に出すと、広告費と在庫が分散し、どの商品の何がうまくいったのかが分からなくなります。1商品で一周させてから、得た実数で2商品目を選ぶほうが判断が早くなります。
候補がどれも競合が強そうで、決められません。 競合の強さは、上位商品のレビュー数と、星の低いレビューの中身で見ます。レビューが多くても同じ不満が繰り返し出ている市場は、改善点で入る余地があります。迷う場合は、点数表の合計が高い方を選び、最初の仕入れ数を小さくして試してください。
まとめ
- 最初の1商品は、当てるためではなく一周して実数を取るための商品
- 条件は5つ。小さく軽い、壊れにくく季節に左右されにくい、検索語がはっきりしている、競合に不満がある、手続きが重くない
- 候補は3点満点で点数化し、上位2つまで絞る
- 仕入れ前に1個あたりの利益を計算し、粗利率20%未満なら見直す
- 仕入れ数の上限は「売れなくても事業が止まらない金額」から逆算する
- 競合の真似ではなく、変える点を1つ決めて商品名と画像で伝える
候補が2つに絞れたら、まず利益計算ツールで1個あたりの利益を出してみてください。自社の状況で何から決めるべきか整理したい場合は、無料の運用診断も使えます。
