「Amazon SEO」という言葉は広まりましたが、Googleの検索対策と同じ感覚で取り組むと、ほぼ空振りします。結論から言うと、Amazonの検索順位を決めているのは「その検索語と商品が一致しているか」と「表示したときに売れる確率が高いか」の2つです。被リンクも、ドメインの強さも関係ありません。

この記事では、順位を決める要素を「一致」と「売れる確率」に分けて整理し、どこから手をつけるかの順番を書きます。

Amazon SEOとGoogle SEOの違い

AmazonGoogle
検索する人の目的買う調べる・比べる・買う
順位を決める軸検索語との一致 × 売れる確率内容の質・信頼・被リンクなど多数
順位が動く速さ数日〜数週間数週間〜数か月
自分で触れる範囲商品ページ・価格・在庫・広告のほぼ全部自サイトの中だけ

Amazonは「検索した人に買ってもらう」ことで手数料を得る場です。だから、表示しても売れない商品は上に出しません。逆に言えば、売れる確率を上げる手を打てば、順位は追いかけてきます。

順位を決める要素を2つに分ける

1. 検索語との一致(インデックス)

そもそも検索結果に出るためには、その語が商品ページのどこかに入っている必要があります。

ここは「入っているか、いないか」の世界です。まず、狙う検索語で自社商品が検索結果に出るかどうかを確認してください。出ていなければ、順位の話以前です。

2. 売れる確率(パフォーマンス)

検索語に一致する商品が並んだあと、順位を分けるのがここです。

  • クリック率:メイン画像・商品名・価格・レビューの星と件数で決まる。検索結果の一覧で「押されるか」
  • 購入率(転換率):ページに入ったあと買われる割合。サブ画像・A+・箇条書き・価格・レビュー内容・在庫の有無
  • 販売実績:直近の販売数。売れている商品はさらに上に出る
  • 在庫:在庫切れの間は表示されず、戻しても順位は落ちている(在庫切れを防ぐ発注基準)
  • 広告:広告経由の販売も実績として積み上がる。自然順位が低い検索語で広告を出し、売れた実績で自然順位を押し上げる使い方ができる

着手する順番

全部を一度に直そうとすると、どれも中途半端になります。効く順番はこうです。

  1. 狙う検索語を3〜5個に絞る。 検索用語レポート(広告)と、競合の商品名から拾う(除外キーワードの決め方にレポートの読み方があります)
  2. その語で検索結果に出るか確認する。 出ないなら商品名・箇条書き・商品仕様・裏キーワードに入れる
  3. メイン画像を直す。 クリック率に一番効く。順位を上げる前にクリック率を上げないと、上がっても売れない(メイン画像で購入率が変わる理由)
  4. サブ画像と箇条書きで購入率を上げる。(サブ画像6枚の構成)
  5. 在庫を切らさない体制を作る。 順位は積み上げに時間がかかり、在庫切れで一気に落ちる
  6. 広告で実績を作る。 狙う語に広告を出し、売れた実績を自然順位に還元する。ACOSの上限は粗利から決める(利益シミュレーターで損益分岐ACOSが出ます)

順位を記録して、効いたかどうかを見る

直したあとに「上がった気がする」で終わらせないために、記録の型を決めておきます。特別なツールは要りません。

  1. 狙う検索語を3〜5個、表の1列目に書く。週に1度、同じ曜日・同じ時間帯に確認します
  2. シークレットウィンドウで検索し、自社商品が何番目に出るかを数える。スポンサー枠は除いて数えます。1ページ目に無ければ「圏外」と書きます
  3. 同じ行に、その週のセッション数・ユニットセッション率・販売数も書く。ビジネスレポートから取れます
  4. 直した日を別の列にメモする。画像を替えた日、商品名を替えた日、価格を下げた日を残します

順位だけを見ると、価格を下げただけで上がったのか、画像が効いたのかが分からなくなります。直した日と数字を同じ表に置いておくと、次に何を直すかで迷いません。

仮に、狙う語での順位が30位から15位に上がり、セッション数が週120から週260になったとします。ここで購入率が8%のまま変わらなければ、流入は増えたのにページの説得力が追いついていない状態です。次に直すのはサブ画像やA+であって、広告の入札ではありません。逆に、順位も流入も動かないなら、まだ「一致」の側に穴があります。

順位は毎日動きます。日単位の上下は無視して、4週間の傾きで判断してください。

症状から「一致」と「売れる確率」のどちらの問題かを切り分ける

記録が4週間たまったら、数字の組み合わせから、どちらの軸に穴があるかを切り分けます。直す場所を間違えると、手を動かしても順位は動きません。

症状穴がある軸先に直す場所
狙う語で検索しても1ページ目どころか圏外一致商品名・箇条書き・商品仕様・裏キーワードに語を入れる
表示はされるがクリック率が低い(セッションが増えない)売れる確率(クリック)メイン画像・商品名の前半・価格・星と件数
セッションは増えたが購入率が低い売れる確率(購入)サブ画像・A+・箇条書き・レビュー内容
順位が上がったあと、2〜3週で元に戻る売れる確率(実績)在庫の切れ目、広告を止めた時期、価格の戻し
広告経由では売れるのに自然順位が動かない一致または実績不足広告の検索語と商品ページの語のずれ、販売数の積み上げ期間

判断の目安として、仮に同じカテゴリーの売れ筋の購入率が10%前後で、自社が5%を下回っているなら、順位より先にページの説得力を疑ってください。逆に購入率は売れ筋並みなのにセッションが少ないなら、問題はクリックか一致の側です。数値はカテゴリーと価格帯で大きく変わるので、自社の過去の数字と、同じ価格帯の商品との比較で見るのが確かです。

よくある失敗例

  • 一致の穴をクリック率の問題だと思い込む:メイン画像を何度も撮り直したのに順位が動かない。調べると、狙う語が商品名にも商品仕様にも入っておらず、そもそも検索結果に出ていなかった
  • 購入率の問題を広告で埋めようとする:入札を上げて流入を増やしたが、ページが変わらないので購入率は低いまま。広告費だけが増え、自然順位も上がらない。広告の見直し方はACOSが高いときの対処にあります
  • 複数を同時に直す:画像・価格・商品名を同じ週に変えたため、どれが効いたか分からない。次に同じ問題が起きたときに再現できない

直すのは1回に1か所、記録表に直した日を書いてから、次の4週間を見る。この順番を守るだけで、施策の当たり外れが自社の知見として残ります。

よくある勘違い

  • キーワードを詰め込めば上がる:一致は「入っているか」の話で、回数は関係ありません。読みにくい商品名はクリック率を下げます
  • レビューが増えれば上がる:星と件数はクリック率と購入率を通じて効きます。規約違反のレビュー集めはアカウント停止のリスクのほうが大きい(レビューを増やす方法と、やってはいけないこと)
  • 順位だけ見ていればいい:順位が上がっても、売れて利益が残らなければ意味がありません。順位・クリック率・購入率・粗利を一緒に見てください

よくある質問

対策してから順位が動くまで、どれくらいかかりますか。 商品名や商品仕様の修正は反映が早く、数日で検索結果への出方が変わることがあります。一方、売れる確率のほうは実績の積み上がりを待つので、4週間ほど見てから判断してください。1週間で結論を出すと、上下のぶれを効果と読み違えます。

検索キーワード欄(裏キーワード)に何を入れればいいですか。 商品名や箇条書きに入れられなかった言い換え、ひらがな・カタカナの表記ゆれ、旧品番などです。同じ語を繰り返しても意味はありません。競合の商品名やブランド名を入れるのは規約に反するので避けてください。

在庫切れで落ちた順位は戻りますか。 戻ることもありますが、同じ位置まで自動で戻る前提では組まないでください。切らした期間が長いほど、売れる確率の側の実績が途切れます。復旧時は広告で流入を作り直すほうが早いことが多く、そもそも切らさない発注基準を先に決めておくのが安全です。

順位が上がったのに売上が増えません。何を見ればいいですか。 順位が上がった検索語が、実際に買う人が使う語かを確かめてください。検索数は多くても、比較や調べものの段階の語だと売れにくいことがあります。広告の検索用語レポートで、その語からの購入率を見ると判断できます。購入率の低い語で上がっているなら、狙う語を見直します。

まとめ

  • Amazon SEOは「検索語との一致」と「売れる確率」の2軸。被リンクやドメインの強さは関係ない
  • まず狙う語で検索結果に出るかを確認し、出なければ商品名・箇条書き・商品仕様・裏キーワードに入れる
  • 順位を上げる前にメイン画像でクリック率を上げる。上がっても売れなければ順位は維持できない
  • 在庫切れは順位を一気に落とす。発注基準を先に作る
  • 広告は「売れた実績を自然順位に還元する」使い方をする。上限ACOSは粗利から決める

どこから直すかの当たりをつけるには、8問の無料診断で5つの観点を採点できます。