FBAで売った商品が返品されると、その商品は出品者の手元ではなく、Amazonの倉庫に戻ります。そのあと再び売られるのか、売れない在庫として倉庫に残るのか。ここを把握しないまま放っておくと、気づいたときには販売不可の在庫が積み上がり、保管料だけがかかっている、ということが起きます。
さらに困るのは、開封された商品が「販売可能」と判定されて次のお客様に届き、「中古品が届いた」という低評価につながる場合です。返品は件数だけでなく、戻ったあとの扱いまで見る必要があります。
この記事では、FBA 返品 再販の流れと、返品された商品の状態の確かめ方、販売不可在庫の処理の考え方を順に書きます。返品の件数そのものを減らす方法は返品率を下げる方法に分けています。
FBA 返品 再販の基本の流れ
FBAの返品は、おおまかに次の順で進みます。
- お客様が返品を申請し、商品を倉庫へ送り返す
- 倉庫が商品を受け取り、状態を確かめる
- 販売できる状態と判定されれば、販売可能な在庫に戻り、そのまま再び売られる
- 販売できない状態と判定されれば、販売不可の在庫として倉庫に残る
- 販売不可の在庫は、出品者が返送か処分を選ぶ。放置すると、一定期間後に自動で処分の対象になる設定がある
出品者が何もしなくても、販売可能と判定された商品は自動で再販されます。逆に言えば、再販してよいかどうかの判断を、倉庫の判定に任せている状態です。判定の基準と、自社の基準が合っているとは限りません。
返品の受け付け条件や、判定の区分、処分までの期間は、カテゴリーや時期で変わることがあります。数字や条件はセラーセントラルの最新の案内で確かめてください。
返品された商品の状態を確かめる手順
返品された商品がどう判定されたかは、セラーセントラルのレポートで確かめられます。
- セラーセントラルのレポートから、FBAの返品に関するレポートを開く
- 期間を指定して出力する(最初は直近3か月がおすすめです)
- 「商品の状態」の欄で、販売可能に戻ったか、どの理由で販売不可になったかを見る
- 「返品理由」の欄と、お客様のコメントがあればそれも読む
- ASINごとに件数を数え、販売可能に戻った割合と、販売不可の理由の内訳を出す
レポートの名称や欄の名前は画面の改修で変わることがあるので、見当たらない場合はヘルプで「返品レポート」を検索してください。
状態の欄には、おおむね次のような区分が入ります。
| 状態の区分(目安) | 意味 | その後の扱い |
|---|---|---|
| 販売可能 | 再び販売できると判定された | 自動で販売可能在庫に戻る |
| お客様による破損 | 返品された時点で傷や汚れがある | 販売不可在庫になる |
| 不良品 | 商品そのものに不具合がある | 販売不可在庫になる。原因の確認が要る |
| 倉庫での破損 | 倉庫内の取り扱いで傷んだ | 販売不可在庫になる。補填の対象になることがある |
| 配送中の破損 | 配送の途中で傷んだ | 販売不可在庫になる。補填の対象になることがある |
区分の名前と、補填の対象になる条件は時期によって変わります。ここでの表は考え方の整理として使い、実際の区分はレポートの表記で確かめてください。
「販売可能」に戻った商品も見る
見落としやすいのは、販売可能に戻った商品です。開封はされているが傷はない、という商品が販売可能と判定されることがあります。次のような商品は、再販されたあとにトラブルになりやすいので注意します。
- 化粧品や食品など、開封の有無が品質に関わる商品
- 付属品が多く、欠けていても外から分かりにくい商品
- 箱が商品の一部として見られる、贈答向けの商品
こうした商品で「中古品が届いた」「付属品が足りない」という評価が続く場合は、返品された商品を販売可能に戻さず、いったん手元に返送して自社で検品する方法があります。低評価への返信の考え方は低評価への返信の書き方にまとめています。
販売不可在庫の処理を決める
販売不可の在庫は、主に次の3つのどれかで処理します。
| 処理 | 向いている場合 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 返送して自社で検品・再販 | 単価が高い、外箱の傷だけで中身は問題ない | 返送の費用と、検品・再梱包の手間がかかる |
| 処分(所有権の放棄) | 単価が低い、再販の見込みがない | 処分の費用がかかる。商品は戻らない |
| 補填の申請 | 倉庫や配送中の破損と判定された | 申請の期限と条件がある。自動で補填される場合もある |
返送と処分の費用は、サイズと時期で変わります。費用の比べ方は返送と所有権放棄の判断に詳しく書いています。
返送するか処分するかの試算
判断は「返送して売り直したときに手元に残る額」と「処分した場合の費用」の比較です。計算の形を示すため、次の仮の条件を置きます。実際の料金はセラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確かめてください。
- 返送の費用:仮に1個あたり100円
- 処分の費用:仮に1個あたり50円
- 自社での検品・再梱包と、再び倉庫へ送る費用:仮に1個あたり300円
- 再販できる割合:返送した商品の6割と仮定
この条件で、売価2,000円・手元に残る利益が1個あたり600円の商品を10個返送した場合を考えます。
- 返送して売り直す場合:返送1,000円+検品と再納品3,000円=4,000円の費用。売り直せるのは6個で、利益は600円×6個=3,600円。差し引き400円の持ち出し
- 処分する場合:50円×10個=500円の費用
この条件では、返送して売り直しても処分とほぼ変わらないか、持ち出しになります。単価が低い商品は、返送より処分のほうが手間も含めて軽いことが多いということです。同じ条件で、1個あたりの利益が3,000円の商品なら、売り直した6個の利益18,000円から費用4,000円を引いても14,000円が残り、返送する意味があります。
自社の数字での試算は利益シミュレーターで1個あたりの利益を出してから行うと早いです。
販売不可在庫を放置しないための決まりごと
販売不可の在庫は、販売画面には出てこないので忘れられがちです。放置すると保管料がかかり続け、処分の期限を過ぎると自動で処分されることもあります。保管料の考え方はFBAの保管料にまとめています。
次の3つを決めておくと、溜まりにくくなります。
- 確認の頻度を決める。 週1回、返品レポートと販売不可在庫の一覧を見る
- 処理の基準を先に決める。 「1個あたりの利益が◯円以上なら返送、それ未満は処分」のように、試算から線を引いておく
- 自動処分の設定を確かめる。 販売不可になった在庫を一定期間後に自動で返送するか処分するかを、セラーセントラルで設定できる。初期の設定のままにしていないかを見る
在庫全体の管理の流れに組み込むなら、在庫管理の方法の週次の確認項目に足しておくと抜けません。
返品理由から、次の発注と商品ページに戻す
返品レポートは、処理のためだけに見るものではありません。同じ理由の返品が続く場合、原因は商品ページか商品そのものにあります。
- 「説明と違う」が多い:商品ページの寸法・色・使い方の書き方を見直す
- 「不良品」が多い:仕入れ先に不良の内容を伝え、次の発注前に検品の条件を決める
- 「サイズが合わない」が多い:サイズ表や比較画像を足す
返品理由の内訳を発注と商品ページの改善に戻すことで、販売不可在庫そのものを減らせます。
よくある質問
返品された商品は、出品者が検品しないまま再販されるのですか。 倉庫で状態が確かめられ、販売可能と判定されれば、出品者の確認を経ずに販売可能在庫へ戻ります。開封の有無が品質に関わる商品で心配がある場合は、返品された商品を販売可能に戻さず手元へ返送する扱いにできるかを、セラーセントラルの設定とヘルプで確かめてください。
倉庫で破損したのに補填されていない気がします。 倉庫や配送中の破損は、自動で補填される場合と、申請が必要な場合があります。返品レポートと在庫の調整の記録を突き合わせ、補填の記録がない場合は、期限内にテクニカルサポートへ問い合わせてください。期限と条件は変わることがあるので、最新の案内で確かめるのが先です。
販売不可在庫を返送して、外箱だけ替えて再納品してもよいですか。 中身に問題がなく、新品として扱える状態であれば再納品できる場合があります。ただし、開封された形跡がある商品を新品として販売すると、お客様からの苦情やアカウントの評価に影響します。再納品するなら、新品として販売できるかを自社の基準で検品し、迷う商品は新品としては出さないでください。
返品の多い商品を売り続けるべきか迷っています。 返品された分の費用まで含めて、1個あたりの利益が残るかで判断します。返品率が高くても利益が残るなら改善しながら続け、残らないなら商品ページや仕入れを直すか、撤退を考えます。撤退の判断の物差しは撤退判断の基準にまとめています。
まとめ
- FBAで返品された商品は倉庫で判定され、販売可能なら自動で再販、そうでなければ販売不可在庫になる
- 判定は返品レポートの「商品の状態」と「返品理由」で確かめる。ASINごとに件数と内訳を出す
- 販売可能に戻った商品も、開封で品質が変わる商品は低評価の原因になりうる
- 販売不可在庫は、返送して再販・処分・補填の申請の3つに分けて処理する
- 返送か処分かは、仮の費用を置いて「売り直して残る額」と「処分の費用」で比べる
- 週1回の確認、処理の基準、自動処分の設定の3つを決めて放置を防ぐ
- 返品理由は商品ページと次の発注に戻す
返品や在庫の扱いを含めて運用全体を見直したい場合は、Amazon運用代行の内容と料金を参考にしてください。どこから手を付けるか迷う場合は無料の運用診断で整理できます。
