FBA 小型軽量プログラムは、小さくて軽い、価格の低い商品向けに、配送代行手数料を抑えた枠です。単価の低い商品ほど手数料の重さが利益を削るので、対象になるなら使いたい、と考える方は多いと思います。

ただ、手数料が下がる代わりに、在庫の持ち方や販売価格に縛りがかかります。手数料の差だけを見て切り替えると、在庫が足りずに欠品したり、値上げができなくなったりして、かえって利益が減ることがあります。

この記事では、対象かどうかの確かめ方、通常のFBAとの比べ方、使わないほうがよい商品の見分け方を、1商品ずつ判断できる順に書きます。手数料の種類全体はAmazonの手数料一覧に整理しているので、あわせて見てください。

FBA 小型軽量プログラムの仕組み

通常のFBAとの違いは、大きく3つです。

項目通常のFBA小型軽量プログラム
配送代行手数料サイズと重量の区分ごとに決まる通常より低い料金が設定されている
対象になる商品サイズの上限内ならほぼすべて寸法・重量・販売価格の上限を満たす商品だけ
在庫の持ち方容量制限の範囲で自由商品ごとの在庫数に上限があることが多い
配送の扱い通常の配送スピード配送日数が通常より長くなる場合がある
販売価格自由に決められる上限を超えると対象から外れる

条件と料金は改定されることがあります。 寸法・重量・価格の上限、在庫数の上限、手数料の額は、カテゴリー・サイズ・時期で変わるので、この記事では具体的な数値を断定しません。セラーセントラルのヘルプにある最新の案内と、自社の商品の実寸で確認してください。

対象かどうかを確かめる手順

1商品ずつ、次の順で確かめます。

  1. 梱包後の実寸と重量を測る。商品ページの寸法ではなく、FBAに納品する状態の3辺と重さです。緩衝材や外箱で数ミリはみ出すだけで、区分が1つ上がります
  2. セラーセントラルの最新の条件と照らし合わせる。寸法・重量・販売価格の3つすべてを満たすかを見ます
  3. 販売価格の余裕を見る。上限ぎりぎりの価格なら、将来の値上げで対象から外れます。価格を動かす予定がある商品は、ここで候補から外すのも手です
  4. 月の販売数と在庫上限を並べる。上限内で欠品せずに回せるかを見ます(次の節で計算します)
  5. 登録の手続きを確認する。対象になる商品でも、自動で切り替わるとは限りません。登録の要否と、納品先の指定があるかを案内で確認します

実寸は、梱包の仕様を決めた段階で一度測っておくと、あとで迷いません。手数料を1商品ずつ確かめる具体的な画面の見方はFBA手数料の調べ方に書いています。

通常のFBAとの手数料の比べ方

比べるのは1個あたりの手数料ではなく、月の利益です。仮の数字で計算の形を示します。

  • 販売価格 1,200円、月の販売数 300個
  • 通常のFBAの配送代行手数料を1個あたり 320円、小型軽量を 240円と仮定する(あくまで計算例です)
  • 在庫上限に引っかかって欠品する日が、月に3日出ると仮定する
項目通常のFBA小型軽量
1個あたりの配送代行手数料320円240円
月の販売数300個270個(3日分の欠品を引いた見込み)
月の配送代行手数料96,000円64,800円
手数料で浮く額―31,200円
欠品で失う粗利(1個400円と仮定)―12,000円
差し引き―19,200円のプラス

この例では小型軽量が有利です。ただし欠品の日数が増えたり、欠品で検索順位が落ちて回復に時間がかかったりすると、差はすぐに縮みます。欠品の損は、売れなかった日の分だけでは済まないことを頭に入れておいてください。

料金はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、上の320円・240円は自社の商品で置き換えてください。1個ずつの粗利の出し方はFBA手数料と粗利の計算に、売価と原価を入れて試せる計算は利益計算ツールに置いてあります。

在庫の上限で損をしないために

小型軽量で失敗が多いのは、手数料ではなく在庫です。上限があると、納品の回数を増やすしかなく、そのぶん手間と納品の待ち時間が増えます。

判断の目安として、在庫上限を1日の販売数で割った日数を出してください。

上限 ÷ 1日の販売数判断
45日分以上納品の周期に余裕がある。小型軽量の候補になる
20〜45日分納品の間隔を短くすれば回る。リードタイムが短い商品なら候補
20日分未満納品の手間と欠品の危険が大きい。通常のFBAのほうが安全

45日・20日という線は、納品から受領まで1〜2週間かかる前提で置いた目安です。仕入れのリードタイムが長い商品は、線をもっと上に引いてください。発注のタイミングを数字で決めたい場合は、発注計算ツールで残り日数を確認できます。

セールの前は特に注意が要ります。販売数が普段の数倍になると、上限内の在庫では数日で切れることがあります。大型セールに出す商品は、セール期間だけでも通常のFBAで在庫を厚くしておく、という分け方も検討してください。容量制限全体の読み方はFBA容量制限の見方にまとめています。

使わないほうがよい商品

次のどれかに当てはまるなら、手数料が下がっても見送るほうが無難です。

  • 価格を上げる予定がある。上限を超えた時点で対象から外れ、手続きのやり直しになります
  • 販売数の波が大きい。季節商品やセールで大きく伸びる商品は、上限内の在庫で波を受けきれません
  • 広告で販売数を伸ばしている最中。伸びた販売数に在庫が追いつかず、広告費をかけたまま欠品します
  • 配送の早さが売れ行きに効いている。ギフトや急ぎで買われる商品は、配送日数が延びると購入率が落ちます
  • 梱包の仕様が決まっていない。外箱を変えると寸法が変わり、対象から外れることがあります

逆に向くのは、価格が安定していて、販売数が毎月ほぼ一定、かつ小さくて軽い消耗品のような商品です。送料を含めた価格の組み方は送料込み価格の設計も参考になります。

よくある質問

小型軽量の対象かどうかは、どこで確かめられますか。 セラーセントラルのヘルプにある小型軽量プログラムの案内で、最新の寸法・重量・価格の条件を確認します。そのうえで、自社で測った梱包後の実寸と重量を照らし合わせてください。商品ページに登録してある寸法が古いと、判定がずれることがあります。

一度登録したら、通常のFBAに戻せますか。 戻す手続きは用意されていることが多いですが、在庫の扱いや納品先の切り替えに時間がかかる場合があります。セールの直前に戻そうとすると間に合わないことがあるので、切り替えは販売数が落ち着いている時期に行ってください。手続きの詳細は最新の案内で確認します。

手数料の差が1個数十円なら、切り替える意味はありますか。 月の販売数しだいです。1個あたりの差に月の販売数を掛け、欠品で失う粗利を引いて、プラスが残るかを見ます。月に数十個しか売れない商品なら、差額より在庫管理の手間のほうが重くなることもあります。

小型軽量にすると検索順位に影響しますか。 プログラムそのものが順位を決めるという案内は確認できません。影響が出やすいのは、在庫上限による欠品と、配送日数が延びたことによる購入率の低下です。切り替えた後の2〜4週間は、セッション数と購入率を切り替え前と比べて見てください。

まとめ

  • FBA 小型軽量は、配送代行手数料が下がる代わりに、寸法・重量・価格・在庫数に縛りがかかる
  • 条件と料金は改定されることがあるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実寸で確認する
  • 比べるのは1個あたりの手数料ではなく、欠品の損を引いた月の利益
  • 在庫上限を1日の販売数で割り、20日分未満なら通常のFBAのほうが安全
  • 値上げの予定がある、販売数の波が大きい、広告で伸ばしている商品は見送る
  • 切り替えは販売数が落ち着いた時期に行い、2〜4週間は購入率を見張る

自社の商品が小型軽量に向くか、手数料と在庫のどちらが利益を削っているかを整理したい場合は、無料の運用診断で弱いところの当たりをつけられます。個別に相談したいときはお問い合わせからどうぞ。