スポンサープロダクト広告を作っていると、「キャンペーンを分けるべきか、広告グループを分けるべきか」で手が止まります。商品が増えるたびに何となくグループを足していった結果、どこで何が売れているのか分からなくなった、という相談もよく受けます。

迷う理由は、キャンペーンと広告グループで決められる項目が違うことを意識しないまま作り始めるからです。予算を分けたいのか、入札額を分けたいのか、見るレポートを分けたいのか。目的が決まれば、どちらで分けるかは自然に決まります。

この記事では、キャンペーン 広告グループ 分け方の基準を、両者の役割の違いから整理します。1グループに入れる商品とキーワードの数の目安、よくある失敗と見直し手順もまとめました。アカウント全体の構造の考え方はAmazon広告のキャンペーン構造で先に読んでおくと、この記事の位置づけが分かりやすくなります。

キャンペーンと広告グループの役割の違い

まず、それぞれの階層で何を決められるかを並べます。

階層ここで決めること分ける理由になるもの
キャンペーン1日の予算、入札戦略(動的・固定)、配置ごとの入札調整、オートかマニュアルか、期間予算を別に管理したい、入札戦略や配置の調整を変えたい
広告グループ広告に出す商品、キーワードや商品ターゲティング、デフォルトの入札額出す商品と狙う語の組み合わせを変えたい、入札額の基準を変えたい
キーワード・ターゲット個別の入札額、マッチタイプ語ごとに入札額を細かく変えたい

要点は1つです。お金の出し方(予算・入札戦略・配置)を変えたいならキャンペーンで分け、何をどの語で売るかを変えたいなら広告グループで分けます。

たとえば「主力商品には予算を多く、新商品には少なく配分したい」なら、予算はキャンペーンにしか設定できないので、キャンペーンを分けます。「同じ予算の中で、商品AとBを別々のキーワードで出したい」なら、広告グループを分けます。

除外キーワードはキャンペーンにも広告グループにも設定できます。全グループで出したくない語はキャンペーンに、特定の商品だけ外したい語は広告グループに入れる、と使い分けます。除外の考え方は除外キーワードの決め方にまとめています。

広告グループの分け方の基準

広告グループを分けるかどうかは、「同じキーワードで売りたい商品か」で判断します。

1. 同じ親のバリエーション(色違い・サイズ違い)は1グループにまとめる。 検索する人は同じ語で探し、ページも共通です。分けると表示とクリックが分散して、どの語が効いているか判断しにくくなります。

2. 用途や検索語が違う商品は分ける。 同じブランドでも、「収納ボックス」と「収納ラック」では検索語が違います。1グループに入れると、ボックスを探している人にラックが出るなど、関連性の低い表示が増えます。

3. 価格帯が大きく違う商品は分ける。 同じ語で検索されても、1,000円台の商品と5,000円台の商品では、適正な入札額も転換率も違います。デフォルトの入札額を分けたいなら、グループも分けます。

4. 利益率が大きく違う商品は分ける。 損益分岐ACOS(これ以上だと赤字になる線)が違うと、同じ入札額では片方が赤字になります。利益率の差が大きいなら、キャンペーンごと分けて予算も分けることを検討します。

迷ったら、「この2つの商品を同じ入札額で、同じキーワードに出して問題ないか」と自問してください。問題があるなら分けます。

1グループに入れる商品とキーワードの数の目安

数の目安は、データがたまるかどうかで決まります。グループを細かくしすぎると、1つあたりの表示やクリックが少なくなり、いつまでも判断できる数字にならないからです。

ここでは、判断の目安として次の仮定を置きます。カテゴリーや予算で変わるので、自社の数字で調整してください。

項目目安(仮定)考え方
商品数1親ASINのバリエーション、または同じ検索語で売る数商品まで検索語と価格帯がそろう範囲にとどめる
キーワード数10〜30語程度1語あたりのクリックが月に数十件たまる範囲
マッチタイプ1グループ1マッチタイプを基本にする同じ語を部分一致と完全一致で比べやすくする
判断までの期間2〜4週間設定を変えてから数字が落ち着くまで待つ

キーワード数の目安を計算で確かめます。仮に1グループの1日の予算配分が3,000円、クリック単価が50円とすると、1日60クリック、月に約1,800クリックです。30語に分散すると1語あたり月60クリック。転換率が10%なら1語あたり月6件の注文で、良し悪しを判断できる水準に近づきます。100語に分散すると1語あたり月18クリック、注文は2件前後で、判断材料としては心もとない数字です。

予算が小さいほど、キーワードを絞ったほうが判断が速くなります。 予算を増やせない段階では、語を増やすより、売れている語に集めるほうが結果は安定します。

マッチタイプを分ける理由は、同じ語でも部分一致と完全一致で成績が違うからです。混ぜると、どちらの成果か読みにくくなります。マッチタイプの使い分けはスポンサープロダクトのマッチタイプを参照してください。

よくある分け方の型

実務でよく使う型を3つ挙げます。商品数と予算の規模で選びます。

型1:商品ごとにキャンペーン、マッチタイプごとに広告グループ。 主力商品が数点で、商品ごとに予算を管理したい場合に向きます。1つのキャンペーンの中に「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」のグループを置きます。どの商品にいくら使ったかが一目で分かります。

型2:目的ごとにキャンペーン、商品群ごとに広告グループ。 商品数が多い場合に向きます。「オートで語を拾う」「売れた語を完全一致で伸ばす」「競合の商品ページに出す」といった目的でキャンペーンを分け、その中を商品群で分けます。オートとマニュアルの役割はオートとマニュアルの使い分けに書きました。

型3:1キャンペーン1グループで始める。 商品が1〜2点で予算も小さい立ち上げ期は、細かく分けずに始めて構いません。データがたまって、明らかに成績の違う語や商品が見えてから分けます。

どの型でも、作る前に命名規則を決めておきます。「商品名_目的_マッチタイプ」のように並べておくと、レポートを見たときに迷いません。

分けすぎ・まとめすぎの失敗と見直しの手順

よくある失敗は2つの方向に分かれます。

分けすぎ。 キーワードごとに広告グループを作り、グループが数十個になったケースです。1つあたりのクリックが少なく、どのグループも「まだ判断できない」状態が続きます。管理の手間だけが増え、入札額の調整が追いつかなくなります。

まとめすぎ。 全商品・全キーワードを1つのグループに入れたケースです。売れている語と売れていない語が同じ入札額で動き、利益率の低い商品に広告費が流れても気づけません。検索用語レポートを見ても、どの商品の注文か分かりにくくなります。

見直すときは、次の順で進めます。

  1. 直近4週間の広告グループ別の数字(表示・クリック・注文・ACOS)を書き出す
  2. 月のクリックが極端に少ないグループを探し、同じ商品・同じマッチタイプのグループにまとめる
  3. 1グループの中でACOSが大きく違う商品や語があれば、その商品・語だけ別グループに移す
  4. 移した語は元のグループで除外キーワードにして、同じ語が2か所で競り合わないようにする
  5. 変更日を記録し、2〜4週間は入札額以外を触らずに数字を見る

手順4は見落とされがちです。同じ語が複数のグループに入っていると、自社の広告同士で表示を取り合い、どちらの成績か分からなくなります。入札額の考え方は入札額の決め方、キャンペーン間の予算の振り分けは広告予算の配分にまとめています。

よくある質問

広告グループを分けると、キャンペーンの予算も分かれますか。 分かれません。予算はキャンペーン単位で設定するので、同じキャンペーンの中の広告グループは1つの予算を取り合います。グループごとに使う金額を管理したい場合は、キャンペーンごと分ける必要があります。

同じ商品を複数の広告グループに入れてもいいですか。 マッチタイプや目的ごとにグループを分けている場合は、同じ商品が複数のグループに入ることは普通です。ただし同じ語を複数のグループで狙わないよう、片方では除外キーワードに入れて重複を避けてください。

キーワードが100語以上あります。全部入れるべきですか。 予算に対して語が多すぎると、1語あたりのデータがたまりません。まず検索用語レポートで注文が出ている語と、商品との関連が強い語を30語程度に絞り、残りはオートやフレーズ一致で拾われるかを見てから足していくほうが判断が速くなります。

まとめ

  • キャンペーンは「お金の出し方」、広告グループは「何をどの語で売るか」を決める階層
  • 予算・入札戦略・配置の調整を変えたいならキャンペーンで、商品と語の組み合わせや入札額の基準を変えたいなら広告グループで分ける
  • 同じ親のバリエーションはまとめ、検索語・価格帯・利益率が違う商品は分ける
  • 1グループのキーワードは10〜30語程度を目安に、1語あたりのクリックが月に数十件たまる範囲にする
  • 分けすぎはデータ不足、まとめすぎは赤字の見落としにつながる。4週間の数字で見直す
  • 語を移したら元のグループで除外し、自社広告同士の競り合いを防ぐ

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