セールのあいだは入札を上げ、予算を増やし、価格も下げていた。セールが終わったら、それをどう元に戻すか。Amazonのセール後の広告と価格の戻し方は、準備ほど話題になりませんが、ここで利益を落としている出品者は少なくありません。

よくあるのは、終わった翌朝に全部を元の設定へ一気に戻すやり方です。すると、セールの勢いで上がった順位を手放したり、逆に高い入札だけが残って広告費が膨らんだりします。

この記事では、セールが終わったあとに入札・予算・価格を戻す順番と、戻したあとに見る数字を書きます。セールに参加するかどうかの判断はセールに参加するかの判断、事前の準備はプライムデーの準備にまとめています。

Amazonのセール後に広告を戻すとき、最初に確かめること

戻し方を決める前に、手元の状態を3つ確かめます。

1. 在庫が何日分残っているか

セールで想定より売れて、在庫が細っていることがあります。在庫が少ないのに広告を通常どおり出すと、売れて在庫切れになり、そのあいだに順位が落ちます。在庫が30日分を切っているなら、広告は戻すより絞る方向で考えます。

2. セール中に順位が上がった語はどれか

セールで販売数が伸びると、その語での自然検索の順位が上がることがあります。どの語が上がったかを、検索用語レポートと実際の検索で確かめます。上がった語は、セール後もしばらく広告で支えると順位を保ちやすくなります。

3. セール中に設定を変えた項目の一覧

入札、予算、価格、クーポン、キャンペーンの追加。セールの前後で何を変えたかを一覧にします。変えた項目が分からないと、戻す作業そのものが漏れます。 セール前に変更を記録していなかった場合は、キャンペーンの変更履歴から拾えます。

戻す順番は「価格→予算→入札」

3つを同時に戻さず、順番を付けます。

順番戻すもの時期の目安理由
1セール価格・クーポンセール終了と同時(自動で終わるものは確認だけ)値引きが残ると利益が出ない
21日の予算終了の翌日〜3日需要が落ちるので、高い予算は使い切られない/無駄打ちになる
3入札額終了後1〜2週間かけて段階的に一気に下げると順位が落ちる
4セール用に追加したキャンペーン終了後すぐ止める、または入札を下げるセール限定の語は需要が消える

価格を最初に戻すのは、利益の穴を止めるためです。 セール価格のまま広告を出し続けると、売れるほど赤字が増えます。タイムセールのように期間が決まっているものは自動で終わりますが、手動で下げた価格やクーポンは残ることがあるので、商品ごとに表示価格を確認してください。クーポンの扱いはクーポンの使い方にまとめています。

入札を最後に、しかもゆっくり戻すのは、順位を守るためです。 セール中に上げた入札をいきなり元の額に戻すと、広告の表示位置が一段下がり、その語での販売数が落ちます。販売数が落ちると自然検索の順位も下がる、という連鎖が起きます。

入札を段階的に戻す手順

入札は次の手順で下げていきます。

  1. セール終了の翌日、セール中に上げた分の半分ほどを下げる。 例えばセール前100円の入札を150円に上げていたなら、125円前後にします
  2. 3〜4日後、検索用語レポートでACOSと注文数を見る。 注文が保たれていて、ACOSが目標を超えていなければ、さらに下げます
  3. 1週間後、セール前の入札額まで戻す。 ただし、セール中に順位が上がった語は、セール前より少し高い入札で据え置く選択肢もあります
  4. 2週間後、セール前の2週間と数字を比べる。 広告経由の売上、自然検索の売上、ACOSの3つを並べます

1回に動かす幅は10〜20%程度に抑えると、表示の急な変化を避けられます。入札の考え方は入札額の決め方に詳しく書いています。

セール中に入札を上げていなかった語は、戻す必要がありません。 戻す作業は「変えたものだけ」に絞ってください。全キャンペーンを一律に触ると、セールと関係のない語まで動いてしまいます。

一気に戻すと起きること

翌朝に全部を元に戻したときに起きやすいことを3つ挙げます。

1. 上がった順位を手放す

セールで積んだ販売実績は、その後しばらく順位を支えます。ただ、広告の表示が急に減ると、販売数も急に減り、上がった順位が数週間で元に戻ります。セールの効果をセール後まで残せるかは、この時期の入札の下げ方で変わります。

2. 需要が落ちたところで予算だけ高く残る

逆に、入札や予算を戻し忘れると、セールが終わって買う人が減ったのに、高い単価のクリックだけが続きます。セール直後は「見るだけ」の人も多く、クリックは来るのに注文が付かない状態になりがちです。

3. 在庫切れを自分で招く

セールで在庫が減っているのに、広告を通常どおりに戻すと、残りの在庫が早く売れて欠品します。欠品すると広告は止まり、順位も落ちます。在庫の残り日数と次の入荷日を見て、入荷までもつ売れ方に広告を合わせてください。発注の目安は発注計算ツールで出せます。

戻したあと2週間で見る数字

戻す作業が終わっても、2週間は数字を追います。見るのは次の4つです。

  • 広告経由の売上とACOS(セール前の同じ期間と比べる)
  • 自然検索経由の売上(ビジネスレポートのセッション数と注文数)
  • 主要な語での検索順位(自分で検索して位置を確かめる)
  • 在庫の残り日数

判断の目安として、仮の数字で考えます。セール前の2週間で、広告経由の売上が40万円、自然検索の売上が60万円だったとします。セール後の2週間で合計が100万円を超えていれば、セールで積んだ順位が残っていると読めます。合計が90万円を切っていれば、入札の下げ方が速すぎたか、セール中に値引きで先食いした需要の反動が出ていると考えて、主要な語の入札を少し戻します。

この「合計」で見るのが大事です。広告経由の売上だけを見ると、セール後に下がるのは当たり前なので判断を誤ります。広告と自然検索を足した売上と、広告費を引いた利益で比べてください。 利益の出し方は販売手数料やFBA料金で変わり、その料率はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認します。

記録はシンプルな形で十分です。

日付 / 広告費 / 広告売上 / 自然売上 / 合計売上 / ACOS / 主要語の順位 / 在庫日数

セール前の2週間分を先に書いておくと、比べる相手ができます。

よくある質問

セールが終わった直後に広告を全部止めてもいいですか。 おすすめしません。セール直後は需要が落ちていますが、セールで上がった順位を保つには販売数を細く続けることが必要です。全部止めると順位が下がり、戻すのに時間がかかります。止めるならセール用に追加したキャンペーンだけにして、主力の語は入札を下げて残してください。止めたときの影響は広告を止めると何が起きるかに書いています。

セール価格はいつまで残すべきですか。 セールの期間が終わったら、まず通常の価格に戻すのが基本です。価格を下げたままにすると、利益が出ないまま売れ続けます。ただし、元の価格に戻したときに競合と比べて大きく高くなる場合は、価格そのものを見直す時期かもしれません。その判断は価格改定の手順で整理できます。

セール後に注文が急に減りました。広告の戻し方が悪かったのでしょうか。 セール直後に注文が減るのは自然なことです。セールで買う予定だった人がセール中に買い終えているためです。判断は1週間ではなく2週間の単位で、セール前の同じ期間と比べてください。2週間たっても合計の売上がセール前を大きく下回る場合は、入札の下げ方を見直します。

まとめ

  • Amazonのセール後は、入札・予算・価格を一気に戻さず、順番を付けて戻す
  • 順番は「価格・クーポン→予算→入札」。価格は利益の穴を止めるため最初に戻す
  • 入札は1〜2週間かけて段階的に下げる。1回の幅は10〜20%程度
  • セール中に順位が上がった語は、少し高めの入札で支える選択肢もある
  • 在庫が細っているなら、戻すより絞る。入荷までもつ売れ方に合わせる
  • 戻したあとは2週間、広告と自然検索を足した売上と利益で判断する

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