大型セールで売上を伸ばせるかどうかは、当日の値引きよりも、その前の準備で決まります。セール直前に在庫が足りないと気づいても、仕入れと納品が間に合いません。商品ページを直しても、レビューや検索順位はすぐには変わりません。
よくあるのが、セールの1か月前に参加を決めて、在庫切れと広告の予算切れを同時に起こすパターンです。売上が伸びるはずの日に商品が表示されず、セール後も順位が戻るまで時間がかかります。
この記事では、Amazon セール 準備を開催日から逆算して90日前に始めるための準備表をまとめます。そもそも参加すべきかの判断はセールに参加すべきかの基準に書いているので、参加を決めた後の段取りとして読んでください。
Amazonセールの準備を90日前に始める理由
90日という数字は、一番時間がかかる作業から逆算したものです。
- 仕入れ:海外から仕入れる場合、発注から国内到着まで数週間〜2か月かかることがある
- FBAへの納品:大型セールの前は倉庫が混み、受領までの日数が普段より延びやすい
- ページの改善:画像や商品名を変えてから、転換率の変化を確かめるには数週間かかる
- レビュー:セール前に件数を積み上げたいなら、通常の販売期間を確保しておく必要がある
国内仕入れでリードタイムが短い商品なら、60日前からでも間に合います。自社の発注から納品完了までの日数は、リードタイムの実測で一度測っておくと、逆算の起点が正確になります。
90日前から1週間前までの準備表
開催日を起点に、時期ごとの作業を並べると次のようになります。
| 時期 | 在庫 | 商品ページ | 広告 | 価格・申込 |
|---|---|---|---|---|
| 90日前 | 前回のセールと通常月の販売数を出し、必要数を見積もる | 転換率の低い商品を洗い出す | 前回のセール期間の広告レポートを確認 | 参加する商品を決める |
| 60日前 | 発注を確定する | 画像・商品名・箇条書きを改善する | セール用のキャンペーン構成を決める | 値引き後の利益を計算する |
| 30日前 | FBA納品を完了させる目安 | 改善後の転換率を確かめる | 主力キーワードの入札を見直す | セールの申込状況を確認する |
| 1週間前 | 在庫数と納品の受領状況を確認 | 在庫切れの子商品がないか確認 | 予算の上限を引き上げる準備 | クーポンの設定を確認する |
セールへの申込の締め切りや条件は、開催ごとに変わります。日付はセラーセントラルの案内で確認してから、この表に書き込んでください。
90日前:何を売るかと、何個要るかを決める
最初の作業は、参加する商品を絞ることです。すべての商品を出す必要はありません。値引きしても利益が残る商品と、セールで新しい購入者に知ってもらいたい商品に絞ります。
在庫の必要数は、次の考え方で見積もります。
- 通常月の1日あたりの販売数を出す
- 前回の大型セールで、通常日の何倍売れたかを出す(初めてなら控えめに置く)
- セール期間の日数を掛けて、セール中の販売数を出す
- セール後に通常の販売に戻るまでの在庫と、安全在庫を足す
仮に、通常1日10個売れる商品が、前回のセールで通常の4倍売れたとします。セール期間が4日なら、10個×4倍×4日で160個がセール中に必要です。そこにセール後の補充が届くまでの2週間分(140個)と、安全在庫を足したものが、セールまでに確保したい在庫です。安全在庫の考え方は安全在庫の計算にまとめています。
在庫は多すぎても困ります。売れ残った分は保管料がかかり、時期によっては高くなることもあります。保管料はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してください。発注数の目安は発注数の計算ツールでも出せます。
60日前:発注と、ページの改善を終わらせる
発注を確定し、商品ページの改善を始めます。セールで表示が増えても、ページの転換率が低ければ、広告費を使って人を呼んでも売れません。
この時期に直すのは、次の順番です。
- メイン画像:検索結果で選ばれるかを決める
- 商品名:何の商品か、誰向けかが一目で分かるか
- 箇条書きとサブ画像:よく聞かれる疑問に答えているか
改善の手順は商品ページの改善の手順を参照してください。セールの直前に大きく変えると、効果が出たのかセールの影響なのかが区別できなくなります。ページの変更は30日前までに終えるのが目安です。
値引き後の利益を先に計算する
セールで売れても、利益が残らなければ意味がありません。60日前の段階で、値引き後の1個あたりの利益を出しておきます。
仮に、売価4,000円の商品で、原価1,200円、販売手数料とFBA配送料の合計が1,100円とすると、通常の1個あたりの利益(広告費の前)は1,700円です。20%の値引きで売価が3,200円になると、手数料も売価に連動して少し下がりますが、利益はおよそ1,000円前後まで減ります。ここから広告費を差し引くと、さらに薄くなります。
| 項目(仮定) | 通常時 | 20%値引き時 |
|---|---|---|
| 売価 | 4,000円 | 3,200円 |
| 原価 | 1,200円 | 1,200円 |
| 手数料・配送料(仮) | 1,100円 | 約1,000円 |
| 広告費前の利益 | 1,700円 | 約1,000円 |
値引き後も広告費を払って利益が残るかを確認してから、値引き率を決めます。損益分岐は利益シミュレーターで出せます。
30日前から当日まで:広告と在庫の最終確認
30日前には、FBAへの納品を終えている状態を目指します。倉庫での受領に時間がかかると、在庫があるのに販売できない期間が生まれるからです。納品の手順はFBA納品の手順にまとめています。
広告は、セール期間中に予算が早い時間で尽きないように準備します。
- 主力の商品とキーワードに予算を寄せる。全キャンペーンを一律に増やさない
- セールの前の週から少しずつ入札を上げ、表示の増え方を確かめる
- 予算の上限は、セール当日に朝と夕方の2回確認する
予算の割り振り方は広告予算の配分を参照してください。
1週間前の確認では、バリエーションの一部だけ在庫が切れていないかを見ます。人気の色やサイズだけが切れていると、ページの転換率が下がり、他の子商品の売上まで落ちることがあります。
セール後2週間でやること
セールが終わった直後の2週間は、次回の準備の材料を集める期間です。
- セール期間の販売数を、通常日の何倍だったかで記録する
- 値引き後の利益と広告費を合わせて、セール全体の利益を出す
- セール後の通常価格に戻した後、順位と販売数がどう動いたかを記録する
- 在庫の残りを確認し、次の発注の時期を決める
1番目の倍率は、次回のセールで在庫の必要数を見積もるときの起点になります。これを記録しておかないと、毎回感覚で発注することになります。
よくある失敗
- 参加を決めるのが遅い。仕入れと納品が間に合わず、在庫切れで当日を迎える
- 全商品を値引きする。利益の残らない商品まで出して、売上は伸びたが手元が減る
- セール直前にページを大きく変える。何が効いたのか分からなくなる
- セール後の在庫を考えていない。セールで売り切れて、その後の通常販売で順位を落とす
よくある質問
初めてのセールで、何倍売れるか見当がつきません。 通常の2〜3倍と控えめに置いて見積もってください。初回は在庫を積みすぎるより、売り切れ寸前で終わるほうが損失は小さく済みます。セール後に実際の倍率を記録すれば、次回からはその数字を使えます。
在庫が間に合わない商品は参加を見送るべきですか。 在庫が足りない状態で参加すると、セールの途中で在庫が切れ、その後の順位にも影響が出ます。間に合わないと分かった時点で、その商品は見送り、在庫が十分な商品に予算と力を寄せるほうが全体の利益は残りやすいです。
セールに参加しない商品も準備は必要ですか。 必要です。セール期間中はカテゴリー全体の購入者が増えるので、参加しない商品にも普段より人が来ます。在庫切れを起こさないこと、広告の予算が早く尽きないことの2点は、参加しない商品でも確認してください。
まとめ
- Amazonセールの準備は、一番時間がかかる仕入れと納品から逆算して90日前に始める
- 在庫の必要数は、通常の販売数×前回の倍率×日数に、セール後の補充分と安全在庫を足す
- 商品ページの変更は30日前までに終え、効果を確かめてからセールを迎える
- 値引き後の1個あたりの利益を先に計算し、広告費を引いても残る値引き率にする
- 広告は主力に予算を寄せ、当日は予算の上限を朝と夕方に確認する
- セール後2週間で倍率・利益・順位・在庫を記録し、次回の準備の材料にする
自社の在庫と広告のどこが弱いかを整理してから準備を始めたい場合は、無料の運用診断を使ってください。セール前後の在庫・広告・ページの調整をまとめて任せたい場合は、お問い合わせからご相談ください。
