スポンサープロダクト広告を回していると、次の一手としてスポンサーブランド動画広告が候補に挙がります。検索結果の中で動画が自動で再生されるので目立ちやすく、静止画だけの広告より商品の使い方を伝えやすいからです。

一方で、動画素材を用意する手間がかかり、配信してもクリックが少ないまま終わる例も見てきました。始めるかどうかは、商品が動画で伝わるものかどうかと、素材をどこまで作り込めるかで決まります。

この記事では、スポンサーブランド動画広告を始める前の判断、素材の作り方、設定の手順、配信後の効果の見方を順番に整理します。3種類の広告の違いから確認したい場合は、スポンサープロダクト・ブランド・ディスプレイの違いを先に読んでください。

スポンサーブランド動画広告とは

スポンサーブランド動画広告は、検索結果のページに動画つきで商品を表示する広告です。利用するにはブランド登録が必要です。ブランド登録の手順と利点はブランド登録のメリットにまとめています。

他の広告と比べると、特徴は次のとおりです。

項目スポンサープロダクトスポンサーブランド(動画)
表示のされ方通常の検索結果に商品が混ざる検索結果の中に動画つきで表示される
伝えられる情報メイン画像・商品名・価格・評価動画で使い方・大きさ・質感を見せられる
必要な準備商品ページがあれば始められるブランド登録と動画素材が要る
向く目的購入意欲の高い検索で売る商品の違いを見せて選ばれる理由を作る

動画は、写真では伝わりにくい「動き」「大きさ」「使う手順」を見せられるのが強みです。逆に、見た目だけで違いが分かる商品では、静止画の広告と大きな差が出ないこともあります。

動画広告が向く商品・向かない商品

素材を作る前に、自社の商品が動画で伝わるものかを確認します。

向く商品理由向かない商品理由
使い方に手順がある(調理器具・工具・美容機器)写真では手順が伝わらない消耗品で中身が比較されない(電池・ゴミ袋)価格と容量で選ばれ、動画を見る理由がない
大きさや収納のしかたが選ぶ決め手になる手に持った大きさや畳んだ姿を見せられる見た目のデザインだけで選ばれる静止画で十分に伝わる
競合と見た目が似ていて機能で差がある違いを動きで見せられる在庫が少なく売り切りたい素材を作る手間に見合わない

判断に迷う場合は、商品ページのレビューを見てください。「思ったより大きかった」「使い方が分からなかった」という声があるなら、動画で解決できる可能性があります。レビューから訴求点を見つける方法はレビュー分析で差別化点を見つけるを参照してください。

素材の作り方

動画広告の効果の大半は素材で決まります。音を出さずに再生されることが多い点を前提に作ります。

構成の型(15秒前後の場合)

秒数の目安見せること注意点
0〜3秒商品と、解決する悩みを一目でロゴや社名から始めない。最初に商品を映す
3〜10秒使っている場面・手順・大きさ1カットに1つの情報。文字は短く大きく
10〜15秒他との違いを1つ、最後に商品の全体違いを詰め込まない。1つに絞る

最初の3秒で商品が映らない動画は、ほぼ見られません。検索結果を流し見している人は、何の商品かが分からなければ止まらないからです。

作るときの注意点

  1. 音なしで伝わるようにする。説明は字幕で入れ、ナレーションに頼らない
  2. スマホの小さい画面で確認する。パソコンで作ると文字が小さすぎることが多い
  3. 商品ページと内容をそろえる。動画で見せた機能が商品ページに書かれていないと、クリックしても買われない
  4. 誇大な表現を入れない。効果を断定する言葉や根拠のない比較は審査で止まる原因になる

動画の長さ・解像度・ファイル形式などの条件は変更されることがあるので、広告管理画面の最新の案内で確認してから書き出してください。

素材は商品ページの動画と使い回せます。商品ページの動画の使い方は商品ページで動画を使うにまとめています。最初から作り込みすぎず、手持ちの撮影素材で1本作って反応を見てから、2本目で改良するほうが無駄が少なくなります。

設定の手順

広告管理画面での設定は、次の順で進めます。

  1. キャンペーンの種類でスポンサーブランドを選び、広告の形式で動画を選ぶ
  2. 広告に出す商品を1つ選ぶ。動画に映っている商品と同じものにする
  3. 動画をアップロードする。審査に数日かかることがあるので、配信したい日から逆算する
  4. ターゲティングを決める。最初はキーワードで、スポンサープロダクトで成果が出ているキーワードから始める
  5. 入札額と予算を決める。スポンサープロダクトの同じキーワードの入札額を参考に、最初は控えめに置く
  6. 2〜4週間はそのまま回す。数日で判断せず、データがたまってから調整する

最初のキーワードは、スポンサープロダクトですでに売れている語に絞るのがおすすめです。売れることが分かっている検索で、動画が静止画より効くかを比べられるからです。キーワードの選び方は広告キーワードの選定を参照してください。

予算の置き方の例

仮に、スポンサープロダクトで月10万円を使っていて、ACOSが25%の商品だとします。

  • 動画広告の最初の予算:月2万円(全体の2割程度)
  • 対象キーワード:スポンサープロダクトで売上上位の5語
  • 期間:4週間

4週間で2万円を使い切ってデータを見ます。いきなり大きな予算を移すと、動画が効かなかったときにスポンサープロダクトの売上まで落とします。

配信後に見る数字

動画広告は、スポンサープロダクトと同じ数字だけで判断すると評価を誤ります。目的が「選ばれる理由を見せる」ことなので、見る数字を分けます。

数字見る理由判断の目安
クリック率(CTR)動画が目に止まっているか同じキーワードのスポンサープロダクトと比べて低すぎないか
転換率(CVR)動画を見た人が買っているか低い場合は動画と商品ページの内容のずれを疑う
ACOS費用に見合う売上か損益分岐ACOSを下回っているか
新規顧客の購入ブランドを初めて買った人を増やせているか管理画面のレポートで割合を確認する

ACOSがスポンサープロダクトより少し高くても、新規の購入者が多いなら、ブランドの入口として役割を果たしている可能性があります。広告の効果の測り方全体は広告の効果測定にまとめています。

止める判断と、作り直す判断

4週間たっても成果が出ない場合は、原因で対応を分けます。

  • クリック率が低い:最初の3秒を作り直す。商品が映るまでが長い、何の商品か分からない、が多い原因です
  • クリックはあるが買われない:商品ページか価格の問題です。動画ではなくページを先に直します
  • どちらも悪くないがACOSが高い:入札額を下げるか、キーワードを売れている語にさらに絞ります

素材を1回作り直しても改善しなければ、その商品は動画に向かないと判断して、予算をスポンサープロダクトに戻します。

自社の損益分岐ACOSは、利益シミュレーターに売価・原価・手数料率を入れると出ます。手数料率はカテゴリーや時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してください。

よくある質問

動画はスマホで撮ったものでも使えますか。 使えます。明るい場所で、手ぶれを抑えて撮れば、スマホの映像でも十分に伝わります。大事なのは画質より、最初の3秒で商品が映ることと、字幕で内容が伝わることです。まず手持ちの素材で1本作って反応を見てください。

ブランド登録していなくても動画広告は出せますか。 スポンサーブランド動画広告はブランド登録が前提です。登録がない場合は、まずスポンサープロダクトで売れるキーワードを見つけておき、登録が済んでから動画広告に広げる順番が無理がありません。

動画広告とスポンサープロダクトで同じキーワードに入札しても問題ありませんか。 問題ありません。表示される場所が違うので、同じキーワードで両方を出すことはよくあります。両方の数字を並べると、そのキーワードで動画が静止画より効くかを比べられます。

まとめ

  • スポンサーブランド動画広告は、検索結果に動画つきで表示される広告。ブランド登録が要る
  • 使い方・大きさ・機能の違いが選ぶ決め手になる商品に向く
  • 素材は最初の3秒で商品を映す。音なしで伝わるよう字幕を入れる
  • 最初はスポンサープロダクトで売れているキーワードに絞り、全体の2割程度の予算で4週間試す
  • クリック率・転換率・ACOS・新規顧客の購入で判断し、原因に合わせて素材かページを直す

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