スポンサーブランド広告(見出し広告・ヘッドライン広告とも呼ばれます)は、検索結果の上部などにロゴ・見出し・複数の商品をまとめて出せる広告です。スポンサープロダクト広告が「1商品を1枠で見せる」のに対し、こちらは「ブランドとして何を売っているか」を1枠で見せられます。
ところが、管理画面の入力欄を上から埋めるだけで作ると、見出しが社名の繰り返しになり、並べる商品も「売りたい順」になりがちです。結果としてクリックはされても買われず、ACOS(広告費÷広告経由売上)だけが高くなります。
この記事では、スポンサーブランド広告の作り方を 準備 → 見出し → 商品3点 → リンク先 → 配信後の確認 の順で整理します。3種類の広告の違いそのものはスポンサープロダクト・ブランド・ディスプレイの違いにまとめています。
スポンサーブランド広告の作り方の前に、そろえる材料
スポンサーブランド広告は、ブランド登録が済んでいることが前提です。登録の考え方はブランド登録のメリットを参照してください。そのうえで、作り始める前に次の4つを手元にそろえます。
| 材料 | 中身 | そろっていないと起きること |
|---|---|---|
| ロゴ画像 | 背景が整理された、ブランドのロゴ | 審査で差し戻される、または小さく潰れて読めない |
| 見出し案 | 3案ほど。誰の何を解決するかを書いたもの | 社名だけの見出しになり、クリックされない |
| 並べる商品 | 在庫が十分で、ページが整っている商品3点以上 | 在庫切れの商品が混じり、配信が止まる |
| 狙う検索語 | スポンサープロダクトで実績のある語 | 当たらない語に予算を使い切る |
狙う検索語は、ゼロから考えるより、すでに動いているスポンサープロダクト広告の検索語句レポートから拾うほうが早く、外れも少なくなります。購入が出ている語を10〜20語選び、ブランド広告に移すのが出発点です。拾い方は広告のキーワード選定で説明しています。
画像のサイズや見出しの文字数の上限は、仕様が変わることがあります。数字はこの記事で覚えるのではなく、作成画面に表示される最新の案内で確認してください。
見出し(ヘッドライン)の書き方
見出しは、検索した人が「自分の探しているものがここにある」と判断するための一文です。社名やブランド名はロゴで伝わるので、見出しで繰り返す必要はありません。
書くときは次の型が使いやすいです。
【誰の・どんな場面の】【何を】【どう解決するか】
たとえば収納用品のブランドなら、「狭いキッチンの引き出しを、仕切りで2倍使う」のように、場面と結果を入れます。「高品質な収納用品ブランド」のような抽象的な言葉は、どの競合も言えるので選ぶ理由になりません。
審査で止まりやすい表現
スポンサーブランド広告は配信前に審査があります。次のような表現は差し戻されやすいので、最初から避けます。
- 根拠を示せない最上級表現(「一番」「最高」など)
- 期間限定・値引きなどの時限情報(終わったあとも見出しが残るため)
- 全角記号の多用、感嘆符の連続
- 商品ページに書いていない効能や性能
差し戻された場合は、理由欄を読み、該当する語だけを差し替えて再提出します。見出し全体を作り直す必要はありません。
見出しは2〜3案で比べる
見出しは1案で決めず、2〜3案を別の広告として配信し、クリック率を比べます。仮に、見出しAのクリック率が0.3%、見出しBが0.5%だったとすると、同じ表示回数でもBのほうが1.6倍以上の人を連れてきます。差がはっきりするまでは、表示回数がそれぞれ数千回に届くのを待ってから判断します。
並べる商品3点の選び方
見出し広告には通常、商品を3点並べます。ここは「売りたい順」ではなく、「その検索語で来た人が選びやすい順」で決めます。
| 位置 | 置く商品 | 選ぶ基準 |
|---|---|---|
| 1点目 | 主力商品 | 転換率が高く、レビュー数と星平均が安定している |
| 2点目 | 主力の違うサイズ・色・容量 | 1点目で迷った人の受け皿になる |
| 3点目 | 関連商品か上位版 | 客単価を上げる、またはブランドの幅を見せる |
避けたいのは次の3つです。
- 在庫が薄い商品を入れる。 1点でも在庫切れになると、広告全体が止まることがあります。在庫日数が短い商品は外します
- レビューが極端に少ない商品を先頭に置く。 3点が並ぶと、お客様は星とレビュー数を横並びで比べます。先頭が弱いと、ブランド全体が弱く見えます
- 検索語と関係の薄い商品を混ぜる。 「キッチン 収納」で来た人に洗面所の商品を見せても、クリックの無駄になります
検索語のグループごとに並べる3点を変えるのが理想です。1つの広告ですべての語を受けようとせず、テーマごとにキャンペーンを分けます。分け方はキャンペーン構造の作り方が参考になります。
リンク先はストアか商品一覧ページか
スポンサーブランド広告は、クリックされた先を選べます。主な選択肢は、ブランドストアのページか、指定した商品を並べた一覧ページです。
- 商品数が少ない(10点未満)ブランド:指定商品の一覧ページで十分です。迷わせずに購入に近づけます
- 商品数が多く、カテゴリーが分かれるブランド:テーマ別に作ったストアのサブページに飛ばします。「キッチン」「洗面所」のように検索語と合ったページに着地させると、離脱が減ります
ストアのトップページにまとめて飛ばすのは、最初の一歩としては避けたほうが無難です。検索語と関係ない商品まで並び、探す手間がかかるためです。ストアの作り方はブランドストアの作り方で詳しく書いています。
配信後2週間で見る数字と、直す順番
配信を始めたら、最初の2週間は設定を頻繁に触らず、次の順に数字を見ます。
- 表示回数:ほとんど出ていないなら、入札額か検索語が合っていません。まず入札を上げるか、語を増やします
- クリック率:表示はあるのにクリックされないなら、見出しかロゴ、並べた商品の1点目を疑います
- 転換率(クリックあたりの購入率):クリックはあるのに買われないなら、リンク先と並べた商品の組み合わせを見直します
- ACOS:最後に費用対効果を見ます。ブランド広告はスポンサープロダクトより高めに出ることがあるので、比べるときは「新規顧客の購入」も合わせて見ます
仮に、月の広告費30,000円でクリック単価が60円、転換率が5%、売価が2,500円だとします。クリックは500回、購入は25件、売上は62,500円で、ACOSは48%です。転換率が8%に上がれば購入は40件、売上は100,000円、ACOSは30%まで下がります。入札を下げる前に、転換率を上げられないかを先に考えるほうが、売上を落とさずにACOSを下げられます。
許容できるACOSは商品の粗利率で決まります。自社の上限を出すには利益シミュレーターで粗利を計算してから判断してください。
よくある質問
ブランド登録をしていなくてもスポンサーブランド広告は出せますか。 出せません。ブランド登録が済んでいることが前提になっています。登録がまだの場合は、先にスポンサープロダクト広告で検索語の実績を集めておくと、登録後すぐにブランド広告へ移れます。
スポンサープロダクト広告と同じ検索語に出すと、広告費が二重にかかりませんか。 表示される枠が違うので、同じ語に出すこと自体は珍しくありません。ただし、どちらの広告経由で買われたかを分けて見ないと、効果を重複して数えてしまいます。キャンペーンごとの検索語句レポートを並べて、語ごとに役割を決めてください。
見出しはどれくらいの頻度で変えるべきですか。 表示回数が十分に積み上がり、2〜3案のクリック率の差がはっきりしたら、負けた案を止めて新しい案を1つ足します。仮に月に数万回表示される広告なら、1か月に1回の入れ替えが目安です。表示が少ないうちに頻繁に変えると、どの案が良いのか判断できません。
まとめ
- スポンサーブランド広告の作り方は「準備 → 見出し → 商品3点 → リンク先 → 配信後の確認」の順
- 狙う検索語は、スポンサープロダクトで購入が出ている語から移す
- 見出しは社名ではなく「誰の・何を・どう解決するか」を書き、2〜3案で比べる
- 並べる商品3点は、主力 → 受け皿 → 関連・上位版の順。在庫が薄い商品は外す
- 配信後は表示回数 → クリック率 → 転換率 → ACOSの順に見て、止まっている段だけを直す
自社の広告をどこから直すべきか迷う場合は、Amazon広告の運用代行の進め方を参考にするか、無料の診断で現状を整理してください。
