商品画像も説明文もプロに作り直してもらった。見た目は明らかに良くなった。それなのに、1か月たっても売上がほとんど変わらない。商品ページの外注では、こうした相談がよくあります。

このとき、外注先の腕が悪かったと結論づけるのは早すぎます。商品ページは売上を決める要素の一部でしかなく、ページの外に原因があれば、ページをどれだけ良くしても数字は動きません。逆に、ページ改善が効いているのに測り方のせいで見えていないこともあります。

この記事では、Amazon 商品ページ 外注 効果が見えないときに、原因がどこにあるかを段階ごとに切り分ける方法をまとめます。そのうえで、次に外注するときに依頼の範囲と測り方をどう決めるか、見積もりで何を確認するかを整理します。費用の目安そのものは商品ページ制作の費用、外注先の選び方は外注先の選び方に分けて書いています。

売上が変わらない原因は4つの段階のどこかにある

Amazonの売上は、ざっくり次の掛け算で決まります。

売上 = 商品ページを見た人の数(セッション数)× 買った人の割合(ユニットセッション率)× 価格

さらにセッション数は、「検索結果に表示される」「一覧でクリックされる」の2段階に分かれます。合わせると、売上までの道のりは4つの段階です。

段階何が起きているか見る数字商品ページの外注で直せるか
1. 表示検索結果に出てくるか狙う検索語での順位、インプレッションほぼ直せない(検索語・広告・販売実績が中心)
2. クリック一覧で選ばれるかクリック率、セッション数一部直せる(メイン画像・商品名)
3. 購入ページを見て買うかユニットセッション率直せる(サブ画像・箇条書き・A+)
4. 単価と継続いくらで、何度売れるか価格、レビュー、在庫ほぼ直せない(価格設定・在庫・品質)

商品ページの外注が直接効くのは、主に2と3の段階です。1と4に原因があるなら、ページを作り直しても売上は変わりません。 最初にやるべきは、自社がどの段階で止まっているかを数字で確かめることです。

段階ごとに原因を切り分ける

切り分けには、ビジネスレポートのセッション数とユニットセッション率を使います。ブランド登録をしていれば、検索クエリパフォーマンスで検索語ごとの表示とクリックも見られます。見方はビジネスレポートの見方と検索クエリパフォーマンスの使い方にまとめています。

パターンA:セッション数がそもそも少ない

ページを見に来る人が少なければ、ページの良し悪しは売上にほとんど表れません。仮に1日のセッション数が10しかない商品で、ユニットセッション率が10%から12%に上がったとしても、増えるのは1日0.2個、月に6個ほどです。日々のばらつきに埋もれて、改善したかどうかすら判断できません。

この場合に先に手を打つべきなのは、表示の段階です。狙う検索語で何位に出ているか、広告で表示を補えているかを確認します。順位が上がらない原因の調べ方は検索順位が上がらない原因に書いています。

パターンB:表示はあるのにクリックされない

検索結果に出ているのにクリックが少ないなら、一覧での見え方が原因です。一覧で判断材料になるのは、メイン画像・商品名の頭の部分・価格・レビューの数と星の数・お届け日数くらいしかありません。

外注でサブ画像やA+を豪華にしても、この段階には効きません。依頼の範囲にメイン画像と商品名が入っていたかを確認してください。入っていなかったなら、外注の効果が出なかったのではなく、効く場所に手を入れていなかったということです。

パターンC:クリックはされるのに買われない

セッション数はあるのにユニットセッション率が低いなら、ページの中か、ページ以外の購入判断の材料に原因があります。ここで見るのは次の点です。

  • 一覧で期待した内容とページの内容が合っているか(一覧の画像で期待させたものと実物が違う)
  • 価格が競合と比べて高すぎないか
  • レビューの数と内容に、購入をためらわせるものがないか
  • スマートフォンで開いたときに、大事な情報が最初の画面にあるか

ページを作り直してもユニットセッション率が変わらなかったなら、価格かレビューに原因がある可能性が高くなります。購入率の上げ方は購入率(CVR)を上げる方法で段階ごとに整理しています。

パターンD:数字は良くなったのに売上が伸びていない

ユニットセッション率は上がったのに売上が変わらない場合、同じ時期に別の要因が下がっています。よくあるのは次のようなケースです。

  • 改善と同じ時期に広告費を絞り、セッション数が減った
  • 季節の需要が下がる時期に重なった
  • 在庫切れや価格の変更が途中で起きた
  • 競合が値下げやセールを打った

この場合、外注の効果は出ていたのに、他の変化で打ち消されて見えなくなっています。測り方の問題なので、次の章で扱います。

効果が見えなくなる測り方の失敗

外注の効果を正しく判断できない原因として、測り方の失敗もよくあります。

失敗起きること直し方
公開日を記録していないいつから比べればよいか分からない画像・文章ごとに公開日を記録する
比べる期間が短い1週間の差は日々のばらつきと区別できない前後それぞれ4週間程度で比べる
売上だけを見ている段階のどこが変わったか分からないセッション数とユニットセッション率を分けて見る
同時に価格や広告も変えたどの変更が効いたか分からない公開の前後は価格と広告費をなるべく動かさない
季節を無視して前月と比べた需要の変化を改善の効果と取り違える前年の同じ時期の数字とも並べる

特に多いのが、売上だけを見て「効かなかった」と判断する失敗です。仮に月のセッション数が3,000、ユニットセッション率が8%、価格が3,000円とすると、月の売上は72万円です。外注後にユニットセッション率が10%に上がっても、同じ月に広告を減らしてセッション数が2,400に落ちていれば、売上は72万円のまま変わりません。売上だけを見れば「効果なし」ですが、実際にはページの改善でユニットセッション率は2ポイント上がっています。

項目(仮の数字)外注前外注後
セッション数(月)3,0002,400
ユニットセッション率8%10%
販売個数240個240個
売上(価格3,000円)720,000円720,000円

この例で広告を絞らなければ、セッション数3,000×10%で300個、売上は90万円になっていた計算です。売上ではなく、段階ごとの数字で効果を見る。これが外注の効果を判断するときの前提です。

依頼の範囲を見直す

切り分けの結果、「効く場所に手を入れていなかった」と分かったら、次の依頼では範囲を変えます。商品ページの外注でよくある依頼の形と、それぞれが効く段階は次のとおりです。

依頼の形含まれることが多い作業効く段階抜けやすいもの
画像制作のみサブ画像の撮影・デザイン3. 購入メイン画像の一覧での見え方、検索語
画像+文章画像、商品名、箇条書き、説明文2〜3検索語の調査、公開後の測定
ページ全体の設計競合・レビュー分析、検索語、構成案、画像、文章2〜3広告、価格、公開後の改善
運用まで含む上記+広告・価格・在庫・数字の振り返り1〜4(範囲は広いが費用も上がる)

見た目の制作だけを頼んだ場合、何を伝えるか(訴求の中身)は自社が決める前提になっていることが多くあります。外注先は依頼どおりに作っていても、訴求そのものが競合と同じなら、ページを新しくしても選ばれる理由は増えません。競合のレビューから訴求と差別化の材料を出す方法はレビュー分析による差別化にまとめています。

次の依頼で決めておくこと

範囲を決めるときは、次の5点を依頼の前に文章にしておきます。

  1. 直したい段階:クリックか、購入か。切り分けの結果から決める
  2. 対象の作業:メイン画像・商品名・サブ画像・箇条書き・A+のどれを作るか
  3. 訴求の決め方:誰が競合とレビューを調べ、何を伝えるかを決めるのか
  4. 公開まで:アップロードと反映の確認まで含むか(画像が反映されないときの確認)
  5. 公開後:何週間後に、どの数字で、誰が振り返るか

5番目が抜けていると、納品された時点で依頼が終わり、効果を確かめる人がいなくなります。外注先に振り返りまで頼まない場合でも、自社で誰が見るかは決めておきます。

見積もりと契約で確認すること

外注の費用は、作業の範囲でほぼ決まります。同じ「商品ページ制作」でも、画像だけなのか、調査と設計まで含むのかで、金額は大きく変わります。見積もりを並べる前に、次の点をそろえて確認してください。

確認すること聞き方の例確認する理由
調査の有無競合とレビューの分析は含まれるか。結果は資料で受け取れるか訴求を決める根拠が残るか
検索語商品名と箇条書きに入れる検索語は誰が選ぶか表示とクリックの段階に効くか
修正の回数何回まで修正できるか。公開後の修正は対象か公開後に数字を見て直せるか
公開作業セラーセントラルへの登録・反映確認は含まれるか作っただけで止まらないか
効果の振り返り公開後に数字を一緒に見る機会があるか次の手を決められるか
権利画像や文章を他の販路でも使えるか楽天や自社サイトで使い回せるか

金額だけで比べると、調査も振り返りもない見積もりが安く見えます。仮に制作費が15万円と25万円の見積もりがあったとして、25万円側に競合とレビューの分析と公開後1回の振り返りが含まれているなら、比べるべきは10万円の差ではなく、分析と振り返りを自社でやる場合の手間です。

仮に月に3,000セッションある商品で、ユニットセッション率が1ポイント上がれば月30個、価格3,000円なら月9万円の売上増になります。粗利率を仮に30%とすると月2.7万円の粗利増で、10万円の差は4か月ほどで埋まる計算です。自社の数字で試算するときは利益シミュレーターが使えます。販売手数料やFBAの料金はカテゴリー・サイズ・時期で変わるので、セラーセントラルの最新の案内と自社の実数で確認してください。

ただし、この試算はセッション数が十分にある商品の場合です。パターンAのようにセッション数が少ない商品では、同じ改善でも回収にかかる時間は大きく延びます。外注する前に、その商品に見に来る人がどれだけいるかを確認することで、費用をかける順番を間違えずに済みます。

自社でやる・外注する・まとめて任せるの分け方

切り分けの結果によって、外注のしかたは変わります。

  • セッション数が少ない(パターンA):ページより先に、検索語と広告の見直し。ページの外注は後回しでよい
  • クリックが弱い(パターンB):メイン画像と商品名に絞って外注する。費用は小さく済むことが多い
  • 購入されない(パターンC):価格とレビューを先に確認し、それでもページが原因ならページ全体の設計を頼む
  • 段階をまたいで弱い:単発の制作より、数字を見ながら直す運用ごと任せるほうが合うことがある

当社は2019年からAmazonの支援をしていて、これまでに30ブランド・300商品ほどを見てきました。商品ページの相談でも、まずは段階ごとの数字を確認して、どこから手を入れるかを決めるところから始めます。単発でページを直すだけでなく、広告や価格まで含めて見直したい場合はAmazon運用代行の内容を、方針の整理だけを相談したい場合はAmazonコンサルティングを確認してください。料金は料金プランに公開しています。

よくある質問

外注してから何週間で効果を判断すればよいですか。 公開と反映を確認した日から4週間程度を目安に、前の同じ長さの期間と比べてください。セッション数が少ない商品は、4週間でも差が日々のばらつきに埋もれることがあります。その場合は期間を延ばすか、セッション数を先に増やしてから判断します。

外注先に「効果が出なかった」と伝えて作り直してもらえますか。 契約の内容しだいです。多くの制作契約は納品物に対する対価で、売上の結果までは約束していません。作り直しを頼む前に、切り分けの結果をもとに「どの段階を直したいのか」を伝えると、追加の作業として相談しやすくなります。次の契約では、公開後の修正の回数と範囲を最初に決めておきます。

ページ改善と広告の見直し、どちらを先にやるべきですか。 セッション数が少ないなら広告と検索語、セッション数はあるのに買われないならページです。どちらか分からない場合は、ビジネスレポートで直近4週間のセッション数とユニットセッション率を出し、カテゴリーの競合と比べてどちらが弱いかを見てから決めてください。

同じ外注先に続けて頼むべきか迷っています。 切り分けの結果、外注先が作った部分(購入の段階)の数字が改善していたなら、外注先の仕事は機能しています。止まっている段階が別にあるなら、その段階を得意とする相手を別に探すほうが合理的です。外注先を替えるかどうかは、仕事の範囲と数字を分けて判断してください。

まとめ

  • 売上は「表示→クリック→購入→単価と継続」の4段階で決まる。商品ページの外注が効くのは主にクリックと購入の段階
  • 外注しても売上が変わらないときは、まず段階ごとの数字で止まっている場所を特定する
  • セッション数が少ない商品は、ページより先に検索語と広告を見直す
  • 売上だけを見ず、セッション数とユニットセッション率を分けて前後4週間で比べる
  • 公開の前後は価格と広告費をなるべく動かさず、公開日を記録する
  • 次の依頼では、直したい段階・作業・訴求の決め方・公開作業・振り返りを文章で決める
  • 見積もりは金額ではなく、調査と振り返りを自社でやる手間を含めて比べる

自社の商品がどの段階で止まっているかを整理したい場合は、無料の運用診断で確認できます。外注の範囲の決め方や、すでに頼んでいる外注の見直しについてはお問い合わせからご相談ください。