運用代行の見積もりを取ると、「10商品まで月◯円、それ以上は1商品ごとに追加」という書き方によく出会います。ところが、自社の商品が何商品にあたるのかが分からない。色違いやサイズ違いを1つと数えるのか、別々に数えるのかで、金額が数倍違ってくることもあります。

この記事は、Amazon 運用代行 商品数と費用の関係に絞ります。最初に確かめるのは単価ではなく「何を1商品と数えるか」です。そのうえで、商品数によって料金が動く型を見分け、自社の商品構成を当てはめて年額に直します。金額はすべて仮の数字なので、受け取った見積もりに置き換えて読んでください。

料金の型そのものは運用代行の費用と料金の型に、初期費用の内訳は運用代行の初期費用は何に払うのかにまとめています。

見積もりの「商品数」は何を数えているか

Amazonの商品の数え方は3通りあります。見積もりがどれで数えているかで、自社の商品数は大きく変わります。

数え方何を1つと数えるか例:Tシャツ1型・5色×4サイズ
親子(バリエーション)単位色・サイズ違いをまとめた親を1つ1商品
ASIN単位商品ページの1つ1つ(子ASIN)を1つ20商品
SKU単位自社が出品している在庫の単位を1つ20商品以上(FBAと自社発送を分けていればさらに増える)

同じTシャツでも、親子で数えれば1商品、ASINで数えれば20商品です。仮に「10商品まで月50,000円、以降1商品ごとに月3,000円」という見積もりなら、親子単位では月50,000円、ASIN単位では月80,000円になります。数え方を確かめないまま単価を比べても、比較になりません。

数え方は、作業量の実態とも関係します。色違いの子ASINは商品名や画像の大半が共通なので、親子でまとめて作業できます。一方、型や用途が違う商品は、キーワードも広告の組み方も別に考える必要があります。見積もりの数え方が自社の商品構成の作業量と合っているかを見ると、その金額が妥当かどうかの見当がつきます。

数え方を確かめる質問

見積もりを受け取ったら、次を文書で確認してください。

  • 「1商品」は親子・ASIN・SKUのどれで数えるか
  • 色やサイズの違いだけの子ASINは、まとめて1つと数えるか
  • 同じ商品をFBAと自社発送の両方で出している場合、別に数えるか
  • セット商品や数量違い(1個入り・3個入り)は別に数えるか
  • 販売を休止している商品や在庫切れの商品も数に入るか

親子の組み方そのものが整理されていないと、数え方の議論以前に商品数が膨らみます。親子の設計はバリエーション登録の設計と注意点を参考にしてください。

商品数で料金が動く3つの型

商品数と料金の関係は、大きく3つの型に分かれます。

型料金の決まり方向く状況注意する点
段階制「10商品まで」「30商品まで」と枠ごとに定額商品数が枠の中で安定している枠を1つ超えただけで次の段の料金になる
従量制基本料金+1商品ごとの追加料金商品数が少ない、または増減する商品が増えるほど一直線に上がる
商品数に連動しない広告費や売上、または固定の月額で決まる商品数が多いが、売上は一部に集中している作業の範囲を商品数で区切っていないか確認する

3つ目の「連動しない」型でも、契約書の作業範囲に「対象は主力◯商品」と書かれていることがあります。料金表に商品数が出てこなくても、範囲の項目を読んでください。

段階制は境目のすぐ上が一番割高、従量制は商品が多いほど割高になります。自社の商品数がどの位置にあるかで、同じ会社でも合う型が変わります。

仮の条件で年額を並べる

自社の商品数を当てはめると、型の違いが見えます。計算の形を示すための仮の条件です。実際の水準を示すものではありません。

  • 段階制:10商品まで月50,000円、30商品まで月90,000円、60商品まで月140,000円と仮定
  • 従量制:基本料金月30,000円+1商品ごとに月2,500円と仮定
  • 連動しない型:広告費の20%で、月の広告費を30万円と仮定(商品数にかかわらず月60,000円)

この仮定で、対象の商品数が10・25・50のときの年額です。

対象の商品数(仮定)段階制(年額)従量制(年額)連動しない型(年額)
10商品600,000円660,000円720,000円
25商品1,080,000円1,110,000円720,000円
50商品1,680,000円1,860,000円720,000円

内訳です。従量制は10商品で月30,000円+2,500円×10=55,000円、25商品で92,500円、50商品で155,000円。段階制は25商品なら30商品までの枠で月90,000円、50商品なら60商品までの枠で月140,000円です。

商品数が少ないうちは商品数で決まる型が軽く、商品数が増えると連動しない型が軽くなります。この仮定では10商品で段階制が一番軽いのに、50商品では連動しない型の2倍以上になりました。

段階の境目に注意する

段階制では、枠を1つ超えたときの上がり方を見ます。上の仮定で、10商品から11商品になると月50,000円から月90,000円へ、1商品の追加で月40,000円上がります。

対象の商品数(仮定)段階制(月額)1商品あたり(月額)
10商品50,000円5,000円
11商品90,000円約8,182円
30商品90,000円3,000円
31商品140,000円約4,516円

境目のすぐ上にいるなら、1商品だけ対象から外すと年額が大きく下がることがあります。売れていない商品を1つ外せないか、まず確認してください。

商品を増やす予定があるときは2年で見る

今の商品数だけで型を選ぶと、商品を増やしたときに割高な型に縛られます。新商品を出す予定があるなら、1年後・2年後の商品数でも同じ計算をしてください。

仮に、いま10商品で、1年後に25商品、2年後に50商品まで増やす計画だとします。上の仮定のまま、年ごとの支払額を足すと次のとおりです(年の途中の増加は無視し、各年の終わりの商品数で1年分を計算)。

型(仮定)1年目(25商品)2年目(50商品)2年間の合計
段階制1,080,000円1,680,000円2,760,000円
従量制1,110,000円1,860,000円2,970,000円
連動しない型(広告費は月30万円のまま)720,000円720,000円1,440,000円

ただし、連動しない型が軽いのは広告費が変わらない場合だけです。商品が増えれば広告費も増えるのが普通なので、広告費を月60万円に増やす計画なら、連動しない型も年144万円になります。商品数と広告費の両方の計画を置いて比べると、どの型が自社に合うかが見えます。

商品を増やす計画が固まっていないなら、途中で型を変えられる契約か、最低契約期間の短い契約を選んでおくと、計画が変わったときに動けます。契約期間の見方は運用代行の契約期間の目安にまとめています。

全商品を頼まず、主力だけを任せる

商品が多い販売者ほど、全商品を代行の対象にする必要はありません。売上は一部の商品に集中していることが多いからです。

主力だけを任せるときの切り分けは、次の手順で決めます。

  1. 直近12か月の商品別の売上と粗利を、売上の大きい順に並べる
  2. 上から足していき、全体の粗利の7〜8割に届くところまでを「主力」とする
  3. 主力に入らない商品のうち、新商品や季節商品で伸ばす予定のものを「育成」に分ける
  4. 残りは「維持」とし、価格と在庫だけを自社で見る
  5. 代行の対象は主力と育成に絞り、維持は対象外にする

仮に60商品のうち、粗利の8割を12商品が稼いでいるとします。対象を12商品に絞れば、上の段階制の仮定では30商品までの枠で月90,000円。60商品すべてなら月140,000円なので、年60万円の差になります。

絞った結果、維持に回した商品が実は赤字だったと分かることもあります。その場合は代行の範囲より先に、続けるかどうかの判断が必要です。赤字の商品の見分け方はSKU別の利益表で赤字商品を見分けるに手順で書いています。

維持の商品で自社がやること

対象外にした商品も、放っておくわけではありません。月に一度、次を確認します。

  • 在庫が切れそうになっていないか(発注の目安は発注点の計算ツールで出せます)
  • 価格が他の出品者や自社の別商品と比べて崩れていないか
  • 低評価のレビューや返品が急に増えていないか
  • 広告をかけていないのに売上が伸びている商品はないか

4番目に当てはまる商品は、育成に上げる候補です。反対に、主力のうち売上が3か月続けて落ちている商品は、維持に下げる候補として次の見直しで話し合います。代行会社との契約を、四半期ごとに対象を入れ替えられる形にしておくと動きやすくなります。

見積もりで確かめること

商品数に関わる部分は、見積もりの段階で次をまとめて聞いてください。

  • 「1商品」の数え方(親子・ASIN・SKUのどれか)
  • 段階制なら各段の境目と金額、従量制なら1商品ごとの追加料金
  • 契約の途中で対象の商品を増やす・減らす・入れ替えるときの手続きと料金
  • 新商品を追加するとき、商品登録や初期設定の費用が別にかかるか
  • 対象外の商品について、相談だけならできるか

3番目は特に重要です。対象を減らしても月額が下がらない契約だと、主力に絞る意味が薄れます。契約書で確認する項目は運用代行の契約書で確認する10項目にまとめています。

商品数で料金が決まる契約では、「何を、どのタイミングで、対象から外せるか」が年額を左右します。単価より先に、この条件を比べてください。

当社は2019年からAmazonの支援をしていて、これまでに30ブランド・300商品ほどを見てきました。商品の多い販売者の相談では、まず商品別の粗利を並べ、代行の対象をどこまでにするかを一緒に決めるところから始めています。対象の決め方と料金はAmazon運用代行の内容と料金プランに公開しています。

よくある質問

商品が200以上あります。全部を代行に頼むと高すぎますか。 商品数で料金が決まる型だと、全商品を対象にすると年額が大きくなりやすいです。まず商品別の粗利を並べ、粗利の大半を稼いでいる商品だけを対象にする見積もりを取ってください。商品数が多い場合は、商品数に連動しない型の会社とも比べると差が見えます。

色違い・サイズ違いが多い商品は、何商品と数えるのが普通ですか。 会社によって違います。親子をまとめて1つと数える会社もあれば、子ASINを1つずつ数える会社もあります。どちらが正しいということはないので、見積もりの段階で自社の商品一覧を渡し、「この一覧だと何商品になるか」を数字で答えてもらうのが、食い違いの起きにくい確かめ方です。

契約の途中で新商品を出したら、料金は上がりますか。 段階制で枠を超える場合や、従量制の場合は上がります。新商品は立ち上げの数か月に手間がかかるため、商品登録や初期設定を別料金にしている会社もあります。新商品を出す予定があるなら、見積もりの段階で「年に何商品追加する予定か」を伝え、その分を含めた年額を出してもらってください。

対象外の商品も含めて、ときどき相談に乗ってもらうことはできますか。 契約しだいです。月額に含まれる相談の範囲を、対象の商品に限っている会社もあります。対象外の商品については単発の相談で済ませる方法もあり、使い方はスポット相談の使い方に書いています。

まとめ

  • 見積もりの「商品数」が親子・ASIN・SKUのどれで数えられているかを最初に確かめる。数え方で金額が数倍変わる
  • 商品数で料金が動く型は、段階制・従量制・連動しないの3つ。商品が少ないうちは商品数で決まる型、多いと連動しない型が軽くなりやすい
  • 段階制は境目のすぐ上が割高。1商品外すだけで年額が下がる位置にいないか確認する
  • 全商品を頼まず、粗利の7〜8割を稼ぐ主力と育成の商品に対象を絞る
  • 対象外の商品は在庫・価格・レビューを月に一度自社で見る
  • 契約では、対象の増減と入れ替えの条件が年額を左右する。単価より先に比べる

まずは自社の商品一覧を親子・ASINの両方で数え、商品別の粗利を並べてみてください。どこから手をつけるか迷う場合は無料の運用診断で弱い場所を整理できます。見積もりの読み方を含めて相談したい場合はお問い合わせからどうぞ。