昨日まで普通に売れていた商品の注文が、急に止まる。Amazonで販売していると一度は経験する場面です。焦って値下げをしたり、広告の入札を上げたりしたくなりますが、原因が分からないまま手を打つと、かえって利益を削ることになります。

売上が急に落ちたときの原因は、実はそれほど種類がありません。在庫・価格・検索・カートの4つを、この順番で見ると、多くの場合は30分から1時間で当たりが付きます。

この記事では、Amazonで売上が急に落ちたときに確認する順番と、原因ごとの対処をまとめます。数か月かけてじわじわ落ちている場合は性質が違うので、売上が伸びない原因を参照してください。

まず「急に」かどうかを確かめる

最初に、本当に急落なのかを確かめます。ビジネスレポートで、日別の注文数を直近30日と前年同時期で並べてください。

  • 前年の同じ時期も落ちている:季節の変動の可能性が高い
  • 数日前から少しずつ下がっている:競合や順位の変化の可能性
  • ある日を境に一段落ちている:在庫・価格・出品状態など、何かが切り替わった可能性が高い

ある日を境に落ちているなら、その日付を控えておきます。その日に自社で何を変えたか(価格・画像・広告・納品)を思い出すだけで、原因が見つかることも少なくありません。

売上が急に落ちたときに見る4か所

順番見る場所確認すること落ちたときの症状
1在庫販売可能在庫が0になっていないか。FBAの受領が止まっていないか注文が0になる。ページに「在庫切れ」
2価格意図しない価格になっていないか。競合が値下げしていないかセッションはあるが買われない
3検索主要な語で検索結果に出ているか。広告が止まっていないかセッション数が落ちる
4カートカートボックスを取れているかページは見られるが、カートが他の出品者に

上から順に見るのは、確認が早く、当たったときの影響が大きい順だからです。在庫切れなら他を見る必要はありません。

1. 在庫

在庫の管理画面で、販売可能な数を見ます。FBAの場合、倉庫に届いていても受領処理が終わるまでは販売可能になりません。納品したはずなのに在庫が増えていないときは、納品の状況で受領が止まっていないかを確認します。

在庫が残っていても、出品が「停止中」や「検索対象外」になっていると売れません。在庫の画面で、商品の状態に注意の表示が出ていないかも合わせて見てください。止まる原因と予防は出品停止の予防にまとめています。

2. 価格

自社の価格が、意図した値になっているかを見ます。一括で価格を変えたときの入力ミスや、自動価格設定の下限が外れていた、という事故は珍しくありません。極端に高い・低い価格になると、価格エラーとして出品が止められることもあります。詳しくは価格エラーの原因と対処を参照してください。

自社の価格が正しければ、次に競合の価格を見ます。同じ検索結果に並ぶ商品が大きく値下げしていると、購入率が落ちます。ただし、すぐに追随して値下げするのは最後の手段です。

3. 検索

主要な検索語で実際に検索して、自社の商品が何番目に出ているかを見ます。いつも1ページ目にあった商品が見つからなければ、検索での露出が落ちています。

検索の露出が落ちる原因で多いのは次の3つです。

  1. 広告の停止:日予算の消化、支払い方法のエラー、キャンペーンの終了日
  2. 商品情報の変更:タイトルやカテゴリーが変わり、検索の対象から外れた
  3. 順位の低下:在庫切れの期間に販売実績が途切れた、競合が強くなった

1は広告の管理画面ですぐ確認できます。広告を止めたときに何が起きるかは広告を止めたときの影響に書きました。

4. カート

同じ商品を他の出品者も売っている場合、カートボックスを誰が取るかで売上が決まります。ビジネスレポートの「カートボックス獲得率」が落ちていないかを見ます。

カートを取れなくなる原因は、価格・配送の速さ・アカウントの健全性などです。切り分けはカートを取れない原因にまとめています。

セッション数と購入率のどちらが落ちたか

4か所を見ても原因が分からないときは、売上を2つに分けて考えます。

売上 = セッション数 × ユニットセッション率(購入率) × 単価

ビジネスレポートで、落ちる前の2週間と落ちた後の2週間を比べてください。

落ちた数字考えられる原因見る場所
セッション数検索での露出の低下、広告の停止、季節検索順位、広告の管理画面
ユニットセッション率価格、競合、レビュー、商品ページの変化、カート価格、レビュー、カートボックス獲得率
両方在庫切れ、出品停止など、ページそのものの問題在庫の管理画面、出品の状態

仮に、普段はセッション数が1日100、購入率が10%で1日10個売れていた商品が、1日5個に落ちたとします。セッション数が50に半減して購入率が10%のままなら、見るべきは検索と広告です。セッション数が100のままで購入率が5%に落ちたなら、ページに来た人が買わなくなった理由(価格・レビュー・カート)を探します。

購入率が落ちたときは、低評価のレビューが新しく付いていないかも見ます。星の平均が一段下がると、検索結果での見え方も変わります。戻し方は星の平均を戻す方法を参照してください。

原因ごとに打つ手と、打ってはいけない手

在庫切れなら、まず補充と再開の見通しを立てる。 再入荷までの間に広告を出し続けると費用だけが出ます。在庫切れの商品の広告は止め、次の発注の基準を見直します。発注の目安は在庫切れを防ぐ発注の基準や発注計算ツールで出せます。

検索の露出が落ちたなら、原因を直してから広告を足す。 タイトルや属性の変更が原因なら元に戻すのが先です。原因が分からないまま入札を上げると、広告費だけが増えます。

価格で負けているなら、値下げの前に利益を計算する。 競合に合わせて下げたときに1個あたりいくら残るかを、利益シミュレーターで先に出してください。赤字で売上を戻しても意味がありません。

よくある質問

原因が何も見つからないのに売上が落ちています。 4か所とセッション数・購入率を見ても分からない場合、外の要因を疑います。季節の切り替わり、テレビやSNSで競合が話題になった、検索の仕組みの変更などです。この場合は2週間ほど数字を記録し、戻るか、新しい水準で落ち着くかを見てから判断します。落ち着いた水準が低いなら、競合の監視で何が変わったかを調べます。

急落した直後に広告を強化すべきですか。 原因が検索の露出の低下だと分かっていて、商品ページと価格に問題がないなら、一時的に広告で露出を補うのは筋が通ります。原因が在庫・価格・カートなら、広告を強化しても売上は戻りません。まず原因を確かめてください。

在庫切れから復帰したのに売上が戻りません。 在庫切れの期間に販売実績が途切れると、検索順位が下がっていることがあります。復帰直後は広告でクリックと注文を積み、順位が戻るのを待つ形になります。戻るまでの期間は商品と競合の状況で変わるので、日別のセッション数を見ながら広告の量を調整してください。

まとめ

  • まず日別の注文数で、本当に急落か、季節や緩やかな低下かを確かめる
  • 急落なら在庫・価格・検索・カートの順に見る。上から確認が早く、影響が大きい
  • 分からなければ、売上をセッション数と購入率に分けて、落ちた側から原因を探す
  • 在庫切れなら広告を止めて補充。検索の低下なら原因を直してから広告を足す
  • 値下げは最後の手段。下げる前に1個あたりの利益を計算する
  • 落ちた日付と、その日に自社で変えたことを記録しておく

自社だけで原因が絞れない場合は、無料の運用診断で在庫・広告・商品ページのどこで落ちているかを整理できます。急ぎの相談はお問い合わせからどうぞ。